kyokusui2

Kenrokuen*5
(Kyokusui)

宏大な庭園美を演出する曲がりくねった小川

兼六園を彩る名脇役のひとつが、園内を曲がりくねりながら流れる小川(曲水)です。

金沢城公園から最も遠い位置にある山崎山のふもとを出発点として、宏大な園内を逆S字に曲がりながら、ことじ灯籠で知られる霞ヶ池へと注ぎ込まれていきます。

曲水には約4万本ものカキツバタが植えられ、初夏の季節には紫の花を咲かせます。お花好きの方でしたら良くご存知かと思いますが、カキツバタは花が開く瞬間にポンという小さな音を出します。

曲水に咲くカキツバタ

曲水に咲くカキツバタ

カキツバタの花が開く時間帯は夜明けです。かつて兼六園が24時間の無料開放だった頃には、カキツバタの花が開く瞬間の音を聞くために、夜明け前から兼六園を訪れる人が結構いたと聞きます。

また、茶屋街の芸妓さんとお客様である旦那とのカップルが、夜通しの宴席を終えた後に訪れることもあったそうです。

曲水には「花見橋」が架かっています。このあたりは曲水の両サイドに桜並木が続いていることから、桜の花を見る橋という意味なのではないかと思われるかもしれませんが、実はカキツバタを見る橋という意味で名付けられました。

曲水に架かる花見橋

曲水に架かる花見橋

曲水にはお花以外にも風情を感じる色々な趣向が凝らされています。

ところどころに設けられている瀬落としと呼ばれる小さな滝が、爽やかな“せせらぎ”を聞かせてくれる他、水の流れの中に日本庭園の粋である石や灯籠が置かれ日本的な風情を醸し出しています。

そして、兼六園の庭園美を演出する曲がりくねった小川は、木橋、花見橋、板橋、千歳橋、雪見橋、雁行橋、月見橋といった風情を感じる名前の橋の下を流れ、最後に虹橋をくぐって霞ヶ池へと流れ込んでいきます。

宏大な兼六園では、どういう順番で見学していけば良いのか迷ってしまうこともあるかと思います。そのような場合には曲水の流れに沿って散策されるのもいいでしょう。

板橋。シンプルな外観は欧米からの観光客に人気です

日本最古の噴水は兼六園にあります

曲水に架かる橋の中で、観光客の人気が最も高いのが霞ヶ池の手前にある虹橋です。兼六園のみならず金沢の観光名所の中で、記念撮影をする人が最も多いスポットのひとつです。

入園者の多い午後の時間帯には、橋の上に立って、ことじ灯籠と霞ヶ池をバックに記念撮影を撮りたい人が列を作っています。曲水の流れに沿って散策してきた方は、水の流れの終点が大賑わいになっていることに驚かれるかもしれませんね。

流れてきた水は虹橋のアーチをくぐると霞ヶ池へ

さて、兼六園の水辺で忘れてはならないのが日本最古の噴水です。

この噴水は霞ヶ池の裏手の傾斜地に位置しており、霞ヶ池から石管で水を落とし、高低差による自然の水圧で水が噴き出るように作られています。ちなみに噴水の高さは約3.5mで、霞ヶ池の水位によって変わります。

街中の噴水は絶えず水が噴出されることはあまりないと思います。

動力にかかる電気料や噴出される水の水道代、さらには夜間ですと騒音の問題もありますので、どこかのタイミングで人為的に停止するのが一般的だと思いますが、兼六園の噴水は自然の力を利用して作られていますので、24時間停止することはありません。

勢いよく噴出された水は瓢池に注ぎ込まれます。

兼六園では松、桜、梅などの木々とともに、水辺をゆっくりと散策されるのも楽しみのひとつです。

噴水では運が良い時には虹が見えます

噴水では運が良い時には虹が見えます

兼六園の水辺の源は辰巳用水です

庭園美を演出する曲水の水は辰巳用水から引かれています。辰巳用水とは、1632年(寛永9年)に3代藩主・前田利常の命を受けた板屋兵四郎によって造られた用水です。

兼六園の傾斜地にある瓢池周辺が作庭されたのが5代藩主・前田綱紀の時代ですから、辰巳用水が引かれた当初は庭園美を演出するという意図はなく、前年の大火を受けて金沢城の防火用水を確保することを “対外的” な目的として造られました。

“対外的” と言いますのは、北國新聞社発行の兼六園の解説書によると、辰巳用水の最大の目的は、金沢城の内堀や外堀を水で満たし城の防衛力を強化することだったからです。

1632年と言えば、前田家は幕府からまだまだ警戒されていた頃ですので、表立って防衛力を強化することはできなかったのでしょう。

曲水の上流

山崎山に近い曲水の上流

さて、寺院群で知られる小立野通りから引き込まれた水は、曲水となって兼六園内をめぐり、霞ヶ池から瓢池を経由して再び市中へと流れ出て行きます。池の水は時が経過するにつれて濁って行くものですが、兼六園の池は絶えず水が流れていることで綺麗さを保っています。

時雨亭の周辺を流れる曲水から引いた遣水(やりみず)

時雨亭の周辺を流れる曲水から引いた遣水(やりみず)

兼六園への行き方

兼六園観光協会ホームページ



兼六園の周辺にある「観光してみたいかも」スポット

金沢城公園 | 金沢21世紀美術館石川県立美術館 | 石川県立伝統産業工芸館 | 赤レンガミュージアム | 金沢くらしの博物館 | 金沢神社 | 西田家庭園玉泉園


Kenrokuen
News

兼六園では水辺に沿って散策路が設けられています

兼六園は日本有数の名園で楽しさもいっぱい