chitosedai3

Kenrokuen*8
(Chitosedai)

広々とした緑と水の空間こそが兼六園

日本三名園のひとつに数えられる兼六園は、宏大、幽邃、人力、蒼古、水泉、眺望の6つの景勝を兼ね備えた庭園という意味で名付けられました。

6つの景勝の中でも、新聞、雑誌、テレビなどのマスメディアで最も多く紹介されるのが、宏大な庭園美を堪能させてくれる「千歳台」と呼ばれるエリアです。

小立野台地の先端に位置する贅沢なまでの空間には、陽光が降り注ぎ、庭園に明るさをもたらしています。

兼六園の7つの入場口の中でも利用者数の多い桂坂口から入園すると、かなり急傾斜の坂道があり、坂道を上り切ったところに霞ヶ池があります。そして、池の対岸に広がるエリアが千歳台です。

根上松

日本庭園に欠かせない風景は松の木ですが、千歳台には枝っぷりの見事な唐崎松(からさきのまつ)と根上松(ねあがりのまつ)をはじめ、姫子松、乙葉松、播州松などの由緒ある松が見られます。

直線的で左右対称の美しさが特長の欧米の庭園とは違い、兼六園は日本的な曲線美に溢れています。平坦な地形には砂利が敷かれた散策路が曲線を描き、曲水と呼ばれる小川が逆S字に流れています。

雁が列をなして飛ぶ姿を表した雁行橋

小川には花見橋、雪見橋、雁行橋、月見橋、虹橋などの風情を感じる名前の橋が架けられ、曲水を流れる水が、虹橋の下を通って霞ヶ池へと流れ込んでいきます。そして、雪見橋の近くには雪見灯篭が、月見橋の近くには月見灯籠が、虹橋の近くにはことじ灯籠が置かれています。

藩政期には前田のお殿様が夜更けに橋の上に立ち、灯籠のほのかな灯りに浮かび上がる庭園を眺めたのかもしれませんね。

千歳台には、兼六園の名所のひとつである「日本武尊像(やまとたけるのみこと)」が建っています。この像は、1877年(明治10年)の西南の役で戦死した石川県出身者の慰霊を目的として建立された像で、1880年(明治13年)に建てられました。

日本武尊像

兼六園が現在の姿になったのは藩政期末期

千歳台は13代藩主・前田斉泰によって作庭されました。霞ヶ池を掘り広げ、掘った土を盛って栄螺山を築き、父である12代藩主・斉広が建てた竹沢御殿を取り壊し、巡らせた曲水に形や材質の異なる橋を架けるなど、現代に受け継がれる庭園美を作り上げました。

ちなみに前田斉泰は14名の加賀藩主の中でも、3代・利常、5代・綱紀とともに名君に挙げられている藩主です。斉泰は生前に息子の慶寧に藩主の地位を譲り、明治17年まで存命していました。兼六園が現在のような宏大な姿となったのは藩政期の末期のことです。

月見橋と唐崎松。霞ヶ池の対岸に内橋亭が見えます

月見橋と唐崎松。霞ヶ池の対岸に内橋亭が見えます

千歳台エリアの日本庭園で代表的な花木を挙げるなら、松と桜とカキツバタになるでしょう。

庭園の中央に植えられ存在感を示している松の木、曲水に沿うように続く桜並木、曲水の水辺に咲くカキツバタ。そこに季節の花々が彩を添え絶妙な庭園美を創り出しています。

松、桜、カキツバタの絶妙のバランス

有料化の前は地元の人たちのお散歩コースでした

兼六園が1976年(昭和51年)に有料化される以前は、千歳台はご近所の人たちにとってのお散歩コースでした。また、朝の通勤時間帯には小立野口から桂坂口に向かって足早に通り通り抜ける姿が多く見られました。

五木寛之さんの『五木寛之の金沢さんぽ』の中にも、五木さんが小立野で暮らしていた頃に兼六園を通り抜けていたという記述があります。

著書には「兼六園を抜けて、旧制第四高等学校の赤煉瓦の建物の前を過ぎると、もう香林坊」と記されていますので、小立野口から入って真弓坂口から出ていたのでしょう。

霞ヶ池と対岸に見える内橋亭

霞ヶ池と対岸に見える内橋亭

有料化された当時は、地元の北國新聞に、朝の兼六園でのウォーキングを日課としていた人の楽しみが奪われてしまった、という主旨の記事が掲載されましたが、現在では早朝無料開放を実施してします。

早朝無料開放の時間帯は以下のとおりです。

・3月1日~3月31日 5:00~6:45
・4月1日~8月31日 4:00~6:45
・9月1日~10月15日 5:00~6:45
・10月16日~10月31日  5:00~7:45
・11月1日~2月末日 6:00~7:45

なお、7つある入場口の中で開放されるのは蓮池門口と随身坂口のみで、有料開園時間の15分前までに退園しなければなりません。

旅行先では、朝の時間帯を有効に活用すると多くの名所を回れるものです。早起きが苦にならないという方は通勤ラッシュの前に兼六園を見学しておくのもいいでしょう。そして、朝の澄んだ空気を満喫できるのが、広々とした千歳台のエリアです。

桜並木とカキツバタの先には花見橋が

兼六園への行き方

兼六園観光協会ホームページ



兼六園の周辺にある「観光してみたいかも」スポット

金沢城公園 | 金沢21世紀美術館石川県立美術館 | 石川県立伝統産業工芸館 | 赤レンガミュージアム | 金沢くらしの博物館 | 金沢神社 | 西田家庭園玉泉園


Kenrokuen
News

「兼六園」 の文字の周辺に広がるエリアが千歳台です

兼六園-日本有数の名園では笑顔もいっぱい