21美のプールが上から眺めるのも有料に

4月から混雑緩和策として有料化を実施

1月22日付の北國新聞に、金沢21世紀美術館(通称:21美)の超人気作品「レアンドロのプール」で、無料開放されている地上部が有料になるという記事が掲載されていました。

プールの地上部の有料化は、21美の混雑緩和策として2019年4月から実施されるもので、金沢市議会の文教消防常任委員会で報告されました。

「レアンドロのプール」は、地上部と地下部から観賞できるレアンドロ・エルリッヒ氏の作品で、21美の代表作のひとつです。地下部は有料ゾーンで、地上部のみ特別に無料となっています。

記事によると、プールの地上部は、有料チケットが必要な「展覧会ゾーン」に位置しているものの、2004年の開館以来、誘客の目玉として無料開放してきました。

現在の入場料は、コレクション展が360円、特別展が慣例的に1,000円となっており、4月1日からはいずれかのチケットが必要となります。

これまでは水の下に入る時だけが有料でした

金沢21世紀美術館の入館者数は、2004年の開業以来、年間130万~150万人で推移してきました。

その後、2015年3月の北陸新幹線の開業を機に一気に増加し、2018度の4月~9月は上半期としては過去最多となる137万7,202人が入館しました。

金沢市では、混雑の一因が無料の「交流ゾーン」にあるとみて、鑑賞者の多いプールの有料化に踏み切ったと記事では伝えています。

なお、金沢市では入館者の増加を受けて案内係の増員による入館者の導線の整理や、総合案内のカウンター増設を検討しています。

そのための財源として入場料の値上げを検討しており、新年度に始まる展示会から新料金が適用される予定です。

夕暮れ時のプールはロマンチックな雰囲気です

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なぜ来館者を遊ばせない方向に行くのか

私は最初にこの記事の見出しを目にした時に、「21美は、やってはいけないことをやろうとしているな」と思いました。

率直に言いますと、私は、プールの地上部の有料化に反対です。その理由は、来館者から遊びの道具を取り上げているように感じるからです。

金沢21世紀美術館が国内有数の人気美術館となったのは “楽しい” ことが大きな要因だと思います。遊べる美術館だからこそ人気が出たのです。

「レアンドロのプール」をはじめ、アクリル板が渦巻き状になったオブジェ、どれかがどれかと繋がったラッパのオブジェ、ジャングルジムのようなオブジェでは、来館者が作品と戯れています。

見せる人と見る人という美術館と来館者の昔ながらの区分けではなく、21美ではオープン以来、「遊びを提供する人」と「遊ぶ人」という区分けで運営してきたように思えます。

そして、来館してくれるお客様を遊ばせるという方向性が、インスタをはじめとするネット社会の発展とマッチしたことで、国内有数の人気ミュージアムとなったのだと考えます。

今回の「レアンドロのプール」の地上部の有料化は、遊びの場を縮小することに他なりません。

4月以降はガラス越しにしか見られなくなります

21美の最高のアートは来館者の笑顔です

「レアンドロのプール」を上から見下ろす人からもお金を取ろうと提案した人は、金沢21世紀美術館の楽しさを認識していないのではないかと感じます。

これから金沢を訪れる方にご説明しますと、「レアンドロのプール」は正面玄関を入ってすぐ前方にあります。

この作品の面白いところは、上から見下ろす人と、下から見上げる人が手を振り合っていることです。私も水の下に入った時は、上から手を振ってもらうと私も手を振り返します。

見知らぬ者同志が、水の揺らぎによってお互いの顔が判別できない状態で手を振り合う。顔が判別できませんから、館内ですれ違ってもプールで手を振り合った人だとは気付かずにすれ違っていきます。

また、プールの下では来館者が思い思いのポーズでカメラに収まっています。

手すりに手をかけて水から上がるポーズを取る人もいれば、潜水で泳ぐポーズを取る人もいます。また、飛び上がった瞬間にシャッターを切ると、水の中に浮かんでいるように撮影できます。

そして、プールの上の無料ゾーンから眺める人たちは、水の下で繰り広げられている様々なポーズを、にこやかな笑顔で見守っています。

金沢21世紀美術館の最高のアートは、来館者の笑顔です。個性的な展示作品と戯れる人たちの笑顔が、展示作品をより際立たせています。

夜の「レアンドロのプール」

プールの上も有料ゾーンとなってしまうと、プールの上と下との触れ合いが少なくなってしまいます。つまり、21美を彩る笑顔が減ってしまうのです。

このページの掲載写真はすべて平日に撮影したものですが、平日はご覧のとおり全く混雑していません。

混雑するのは週末や夏休みの期間中くらいですし、観覧者の誰かが誤って水の中に落ちてしまうのではないかと心配になるほどの混雑は滅多にありません。

百歩譲って、無料の交流ゾーンが館内の混雑の最大の要因だというのでしたら、人数制限をすればいいでしょう。

例えば、プールを上から見ることができるのは50人までとしておいて、50人が展示エリアに入ったら入場制限するのです。そして、1人出たら1人入るとすればいいじゃないですか。

なぜ、笑顔を減らす施策を採るのですか。無料で遊べるスペースを取り上げてはいけません。

また、「レアンドロのプール」の地上部はもともと有料ゾーンにあるのだが、これまでは特別に無料にしてきたという、官僚のような後付けの理由を述べることにも反発を覚えます。

多くの時間帯はご覧のように混雑とは程遠い状況です

新しい館長は遊ばせなくなりました

この2年ほどの金沢21世紀美術館は、来館者から遊び道具を取り上げることばかりしているように思えます。

私は、2017年4月に館長が代わったことが影響しているのではないかと推測しています。

以前の21美は、「コレクション展」の展示作品は大部分が撮影okで、ごく一部の展示室のみ「この展示室については撮影をご遠慮ください」という表示がされていました。

それが、新しい館長が着任した後の21美では、撮影可能な展示室が1つだけになり、さらに今では、チケットカウンターでの購入時に、有料ゾーンの展示作品が撮影禁止であることを告げられます。

また、どれかがどれかと繋がっているラッパのオブジェは全部で12体あるのですが、昨年の12月19日の時点では、芝生の養生のためという理由で7体までが使用不能となっています。

また、無料ゾーンにあった「市民ギャラリー」という休憩スペースは、1年以上も改修作業中として閉鎖されています。

改修作業前の「市民ギャラリー」

私は21美の内部事情を全く知りませんので迂闊なことは言えませんが、現在の館長の方針にはとても不満です。

金沢21世紀美術館は「見せる人」ではなく「遊ばせる人」になるべきです。

最後に。

案内係の増員に伴うプラスの人件費や、チケットカウンターの増設にかかる財源を確保する必要があるのでしたら、観覧料をもっと上げても良いと思います。

少なくとも、無料ゾーンを有料化するよりも遥かに賛成できます。

現在、21美の所蔵作品を展示する「コレクション展」は360円ですが、私は500円にしても高くは感じません。140円の値上げは必要経費として堂々と主張して良いと思います。。

ちなみに、東京のミュージアムの常設展を例に挙げると、東京国立博物館も、国立科学博物館も、日本科学未来館も一般の入館料は620円です。

芝生の養生のため1年以上もラッパが撤去中です

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