秋聲のみち-浅野川大橋から秋声記念館への並木道

金沢のお散歩コース#13

今や金沢を代表する観光地となった「ひがし茶屋街」。浅野川大橋を挟んで対角線上に位置する「主計町茶屋街」。この2つの茶屋街は、それぞれ文豪と呼ばれる偉大な作家を生み出してきました。

その作家とは、ひがし茶屋街の端で幼少期を過ごした徳田秋聲と、主計町の隣町に生家跡がある泉鏡花です。浅野川沿いでは、ひがし茶屋街寄りの沿道を「秋聲のみち」、主計町茶屋街寄りの沿道を「鏡花のみち」と名付けています。



見過ごしがちな「徳田秋聲旧居跡」

秋聲のみちは浅野川大橋のひとつ上流の梅ノ橋のたもとにある徳田秋聲記念館から、浅野川大橋を経由してひとつ下流の中の橋まで続いています。

秋聲記念館を出るとしばらくは閑静な住宅街で、住宅街を過ぎたところにあるのが「徳田秋聲旧居跡」です。旧居跡の説明版は浅野川大橋の方を向いていますので、徳田秋聲記念館から歩かれる際は見落とさないように気を付けてください。

徳田秋聲旧居跡

秋聲のみちは住宅街を過ぎると東山河岸緑地と呼ばれる小さな公園に出ます。この緑地は「ひがし茶屋街」の休憩所のひとつで、トイレが併設されています。

川沿いの道には桜並木が続きます

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浅野川大橋は絶好の撮影スポット

秋聲のみちには綺麗な桜並木が整備されており、木々の間からは浅野川大橋のアンティークなアーチが顔をのぞかせています。

この橋は1922年(大正11年)に架けられた橋で、淡いエンジに白の縁取りがされたアーチは、古さの中に現代のクリエイティビティを刺激するデザインです。

秋聲のみちへは浅野川大橋から入ります

川沿いの沿道から桜並木越しに見える浅野川大橋は絶好の撮影スポットで、多くの人たちが木々の間からカメラを向けています。また、浅野川大橋の袂には、国の登録有形文化財の「浅野川大橋詰 火の見櫓」があります。

登録有形文化財の「火の見櫓」

梅の橋は渡りたくなる木橋

徳田秋聲記念館の前にある梅ノ橋は渡りたくなる雰囲気を持っている橋です。

木製の欄干が特徴で「秋聲のみち」と対岸の「鏡花のみち」を結んでいます。歩行者と自転車専用の橋ですので、車の往来を気にすることなく浅野川の風景を撮影することができます。

また、河原へと降りていくこともできますので、晴れた日には河原の遊歩道をゆっくりとお散歩されるのもいいでしょう。

ドラマ『99.9』のロケ地・梅ノ橋

秋声のみちの周辺スポット

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水芦光子さん原作『雪の喪章』

ひがし茶屋街と主計町茶屋街ゆかりの作家では徳田秋聲と泉鏡花が知られていますが、2つの茶屋街のご近所からは秋聲と鏡花以外にも作家を輩出しています。

東山河岸緑地のすぐ近くには、女流作家・水芦光子さんによる1959年(昭和34年)の小説『雪の喪章』の文学碑が置かれています。

この小説は昭和5年の金沢を舞台とし、金箔商に嫁いできた女性主人公をめぐる人間模様を描いた作品で、1967年(昭和42年)には若尾文子さんの主演で映画化されました。

水芦光子さんは秋聲と同じ金沢市東山の出身で、恋愛感情に揺れ動く繊細な女性の心理描写で人気を博した作家です。ウィキペディアによると、今も根強いファンの啓蒙活動が行われているとのことです。

艶っぽい環境が感性を磨くのかも

さらにもう一人。直木賞作家の唯川恵さんもこの近くのご出身です。

彼女が生まれ故郷の金沢を題材とした作品『夜明け前に会いたい』では、ひがし茶屋街で生まれ育った女性を主人公に、茶屋街とその周辺の雰囲気や、茶屋街で生計を立てている人たちの人間模様が描かれています。

ひがし茶屋街のある金沢市東山は、かつては旦那衆と芸妓さんとの色恋沙汰が子供の耳にも漏れ聞こえてきたエリアです。このような艶っぽい環境が子供の感性を磨いていくのかもしれませんね。

水芦光子さんの小説『雪の喪章』の記念碑

秋聲のみちの周辺スポット

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金沢で主要な観光名所は1日で回れます。なぜなら、人気スポットが東京ディズニーランドと同じくらいのエリアに集っているからです。とりあえず見た!という感じでよろしければ、1日あれば充分です。

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金沢では、1周約4.3kmの百万石通りが観光エリアです。金沢城公園~兼六園~21世紀美術館は隣接し、ひがし茶屋街と主計町は隣町です。近江町市場や長町武家屋敷跡へもご近所へ行くような感覚です。

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バス移動では北陸鉄道バスの「1日フリー乗車券」をお買い求めください。料金は800円です。路線バスの210円区間と金沢周遊バスを購入日に何度でも利用できます。ほとんどの観光名所がカバーできます。

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金沢駅は観光名所が集まる中心部から少し離れています。1泊の場合は駅チカの方が安心できるかと思いますが、2泊以上の場合は香林坊、片町、武蔵ヶ辻などの繁華街に宿泊する方が圧倒的に便利です。

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金沢観光ガイド 南 武志

観光客の方が「ひがし茶屋街」の最寄りのバス停に並ばれているのを見て、兼六園も近江町市場も歩いて10分なのに…と思ったことが、このサイトをはじめたキッカケでした。 金沢の街は歩いて回れます。自分だけの観光プランで城下町・金沢を満喫してください。

2016年5月20日