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Beauty Doll

金沢は美しい街と言われるようになりました

21世紀を迎えて以降、金沢は目覚ましい発展を遂げました。

ひがし、にし、主計町の3つの茶屋街が整備され、2004年には金沢21世紀美術館がオープンしました。また、全国ではじめて旧町名が復活した主計町を契機として、次々に風情のある町名が復活していきました。

旧町名が復活した柿木畠と、金沢で一番の繁華街である香林坊の裏通りを流れる鞍月用水の蓋が開かれたことで、金沢の中心部に用水のせせらぎが戻りました。

そして、2005年には金沢駅に「もてなしドーム」と「鼓門」がお披露目され、アメリカの旅行雑誌から世界で最も美しい駅のひとつという評価を受けました。

かつては旧いだけだった金沢の街を美しく彩ったのが、前市長の山出保氏です。1990年から2010年まで5期20年にわたって市政を担った山出氏は、金沢を美しい街へと変えていきました。

市民の憩いの場・金沢21世紀美術館

山出氏自身が最も印象に残る仕事に挙げた金沢21世紀美術館

おじいさんから美しい衣服を与えられたけど

私は金沢が旧いだけの街だった頃に東京に出て、美しく変貌した後に金沢に戻ってきました。

もちろん、美しい観光地に生まれ変わったこと自体は素晴らしいのですが、元来ひねくれ者の私は、今の金沢にネガティブな思いを抱いています。

今の金沢は、美しく着飾ってはいるけれど、笑うことも、話すことも、歌うことも、踊ることもできない孫娘のようです。

59歳で市長になり、79歳まで市長の職にあった山出氏は “おじいさん” の世代です。

おじいさんは可愛い孫娘のために美しい衣服をいっぱい買い与えました。しかし、孫娘は最高級のドレスをまとって舞踏会に出たにもかかわらず、ただ立っているだけ。私には今の金沢はそのように見えます。

ひとつ致命的とも言えるのが、孫娘本人は、自分は注目されていると思い込んでいることです。

このことから自ら進んで話しかけることも、笑いかけることもしません。最初のうちは美しいドレスが注目を集めるかもしれませんが、笑うことすらできなければ、そのうち誰も気に掛けてくれなくなります。

金沢も同じことが言えます。金沢の持つ良いイメージだけではいつかは限界が来ます。

笑顔がなければ人は近寄ってこなくなります。逆に笑顔さえあれば、友人知人に金沢を紹介してもらうことも、その人自身が再び金沢を訪れてくれることもあるでしょう。

今の金沢は一つの分岐点です。

ひがし茶屋街は21世紀に入って観光地として整備されました

ひがし茶屋街は21世紀に入って観光地として整備されました

子供たちは笑うことができるのに

残念ながら、金沢を訪れた方には、この街で飲食店に入っても、飛びっきりの笑顔で迎えられることがなかったと思われているかもしれませんね。

金沢では、マクドナルドの店員でさえも笑顔のない人が大勢います。思わず「スマイル0円はなくなったの?」と言いたくなったことも何度もあります。

茶屋街のカフェに入った時には、「いらっしゃいませ」という声があまりにも暗いので「入ってもいいですか?」と聞いたこともあるくらいです。

少し前に兼六園に行った時に、桜ヶ岡口という料金所で、外国人のご夫婦と地元の中学生の子供たちがすれ違ったことがありました。桜ヶ岡口は狭い出入口のため、外国人のご夫婦が料金所の前で待って中学生を先に通してくれました。

その時に子供たちが「ハロー」「ハロー」と笑顔で声を掛けながら通り抜けていくと、外国人の奥様も思わずほほ笑んで「ハロー」と返していました。

子供たちはしっかりと笑うことができるのですが、この街の大人は笑うことができません。

金沢の立場から弁護するなら、この街の人たちは県外のことを知らないのです。自分たちの笑顔のない対応が、お客様に悪い印象を与えているという自覚がないのです。

それでも、以前に比べれば笑顔で対応されることも多くなりました。

ひとつ言えることは、職業としてその場所にいる人よりも、ボランティアとしてお手伝いをしている人の方が笑顔で対応しているということです。

ここまではネガティブに書いてきましたが、ここに来て、少しずつ金沢の人たちも笑うようになってきたなという印象はあります。

金沢の人たちに笑顔をもたらしてくれたのは、金沢を訪れる若い女性たちの笑顔です。

若い女性観光客の方たちは、金沢の街を和服姿で歩くというトレンドを定着させてくれました。ひがし茶屋街では外国人観光客からの撮影依頼を笑顔でokし、はしゃぎながらカメラに収まっています。

また、金沢の撮影スポットである兼六園の虹橋や金沢21世紀美術館の『レアンドロのプール』では、列を作って自分の順番を待ってくれています。そして、自分たちの順番が来ると大はしゃぎで思い思いのポーズをとっています。

彼女たちの笑顔に引っ張られるように、金沢の人たちにも笑顔が増えてきている印象があります。

鞍月用水が開渠化され小川のせせらぎが戻った柿木畠

鞍月用水が開渠化され小川のせせらぎが戻った柿木畠

観光名所から観光名所への距離と徒歩時間

金沢のこと知っておくといいかも