県立美術館広坂別館と天神橋が有形文化財に答申

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金沢の主要観光地に近い2つの建造物が対象に

7月16日付の北國新聞に、石川県立美術館の広坂別館と、浅野川に架かる天神橋が有形文化財に答申されたという記事が掲載されていました。

これは文化審議会(馬渕明子会長)が、29都道府県204件の建造物を登録有形文化財にするよう馳浩文部科学相に答申したもので、石川県内では金沢市、小松市、輪島市、中能登町の計11件が答申されました。

無事に登録されると、石川県内の登録有形文化財は249件に、全国では1万884件となります。

金沢市出羽町の石川県立美術館広坂別館は、1922年(大正11年)に旧陸軍第九師団長官舎として建設された洋館の建物です。国内に現存する数少ない師団長官舎の遺構のひとつで、石川県教育委員会によると、登録有形文化財に旧陸軍師団長官舎が選ばれるのは青森県弘前市長公舎に続いて2例目とのこと。

天神橋は、ひがし茶屋街主計町茶屋街にゆかりの浅野川に架かるアーチ橋で、1955年(昭和30年)に建設され、橋脚のないデザインが特徴です。紙面によると、アーチと卯辰山が美しい景観を生み出している点が評価されました。

泉鏡花の小説『義血侠血』の舞台となった天神橋

橋脚のないアーチが特長の天神橋

広坂別館に隣接する石川県文化財保存修復工房

今回、有形文化財に答申された広坂別館は無料見学できます。正面玄関を入って左手に行くと、廊下から展示室にかけて白と茶色のツートーンに彩られており、展示室には暖炉が備え付けられています。

また、2016年の春には広坂別館の隣に石川県文化財保存修復工房が完成しました。この工房は文字通り時の流れとともに劣化してきた文化財を修復する施設で、オープンを伝えた北國新聞の記事には、東京にある修復工房よりも設備が整っていると記されていました。

正面玄関を入って右手に行くと工房があり、実際に行われている修復作業をガラス越しに見学することができます。ただし、修復工房での写真撮影は禁止されています。

正面玄関を入って左手に行くと展示室、右手に行くと修復工房です

正面玄関を入って左手に行くと展示室、右手に行くと修復工房です

泉鏡花の『義血侠血』の舞台となった天神橋

天神橋は浅野川大橋から2つ上流の橋で、泉鏡花の小説『義血侠血』の舞台となったことでも知られています。

女水芸人である瀧の白糸が、夜中に天神橋を歩いていると、欄干に凭れて眠っている男性を目にします。近寄ってみると、その男性は瀧の白糸が旅先で一目惚れした「金様」でした。そして、橋の上でお互いの素性を教え合う中で、「金様」だと思い続けてきた男性の名前が「欣様」であることを知ります。

『義血侠血』は鏡花の名が世に知られる契機となった作品です。現在では、天神橋の近くには瀧の白糸像が設置されています。また、天神橋から3つ下流の中の橋までの道は「鏡花のみち」と呼ばれています。

広坂別館は兼六園とは坂道を挟んで向い側に位置し、天神橋のすぐ近くには、ひがし茶屋街と主計町茶屋街があります。金沢を代表する観光地を訪れる際には足を延ばしてみてはいかがでしょうか。

天神橋の近くには瀧の白糸像が設置されています

天神橋の近くには瀧の白糸像が設置されています

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