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金沢城公園の鼠多門に黒漆喰の破片を発見

2016年12月31日

2016年の大晦日の北國新聞一面は、金沢城公園の鼠多門跡(ねずみたもん)の発掘作業において、海鼠壁(なまこかべ)に用いられた黒い漆喰の破片が見つかったという記事でした。

海鼠壁は白の漆喰で仕上げられるのが通常で、黒く彩られた城郭は全国でも例がなく、明治時代の写真からも黒漆喰の仕様が裏付けられたとのことです。

これまでの想定よりも建物は黒みがかった色だったことが分かり、記事では、鼠多門の名称の由来は「外観がねずみ色だから」という説に落ち着きそうだと記されています。

また、2017年度から開始される復元工事を前に、金沢城の三御門(河北門、石川門、橋爪門)とは違った趣を持つ門の姿が明らかになったと伝えています。

金沢城の復元事業で「黒いお城」の可能性が

2016年度の鼠多門の調査では、櫓(やぐら)の間口22.54m、奥行き7.82mと、石川門とほぼ同じ規模であることが分かりました。そして、この櫓跡の周りから漆喰の破片15点が出土しました。

大きな破片は長さ15cm、幅6cm、厚み3cmの「かまぼこ状」の形で、櫓の海鼠壁に使われ剥がれ落ちた漆喰と判明とのことです。表面には炭を混ぜた黒い漆喰が2~5mmの厚さで塗り重ねられています。

金沢市立玉川図書館に残る明治初期の鼠多門の写真を石川県が改めて分析したところ、門の脇にある塀には、黒漆喰を用いたとみられる箇所が見つかりました。この箇所は庇のすぐ下だったため、風雨にさらされず、剥がれ落ちるのを逃れたとみられています。

石川県によると、土蔵などで海鼠壁に黒漆喰を用いる建築はありますが、城郭建築で類例はなく全国ではじめての事例となります。

河北門、石川門、橋爪門の金沢城三御門は、いずれも1759年(宝暦9年)の宝暦の大火で焼失後、再建されたのに対し、藩政前期に建てられた鼠多門は1884年(明治17年)に焼失するまで創建時の姿を保っていました。

このことから、黒漆喰の発見によって、藩政前期の金沢城が「黒い城」だった可能性も出てきました。石川県の担当者は「他の建物も鼠多門と同様、黒漆喰で仕上げられていたかもしれない」とコメントしています。

鼠多門の名称の由来については、古くから「建設時に周囲に多くのネズミがいた」という説と、「ねずみ色の外観をしていた」という説の2説がありましたが、今回の発見で「ねずみ色の外観」説が有力となりました。

黒漆喰の海鼠壁は、現在進められている鼠多門復元工事の実施計画に取り入れられます。

工事現場のフェンスには明治期の鼠多門の写真が

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金沢はおかげさまで平和な1年でした

北國新聞は石川県では大多数の家庭に配られている新聞です。その北國新聞が大晦日の一面に鼠多門を持ってきたということは、2016年の石川県は平和だったということになるのでしょう。

さて、このページでご紹介している鼠多門は、藩政期には金沢城の玉泉院丸から金谷出丸(現在の尾山神社)への通用門でした。

玉泉院丸と金谷出丸の間に木橋の「鼠多門橋」が架けられていましたが、廃藩置県の後に不用となり、1877年(明治10年)に朽ちて撤去されました。

金沢城公園の所有者である石川県では、2017年度から鼠多門の復元工事を開始の予定で、鼠多門橋も合わせて復元する方針です。

2001年の「菱櫓・五十間長屋・橋爪門続櫓」を皮切りに、金沢城公園では河北門、いもり堀、橋爪門二の門、玉泉院丸庭園の各施設が復元されました。金沢城の復元工事はこれからも続いていきます。

金沢城の復元工事については、史跡を忠実に復元していきますので年月がかかってしまうのは致し方のないことですが、ひとつだけ残念なことがあります。

それは、工事現場への立ち入りを禁じるフェンスが白一色で味気ないことから、玉泉院丸庭園や尾山神社裏門の並木道の景観が損なわれていることです。

フェンスに絵や写真を貼ればもう少し綺麗な景観になるのに、と思うのですが、いかがでしょうか。

尾山神社の東参道の前が鼠多門の工事現場です

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