金沢市が東京・目黒区と友好都市協定を締結

10月28日に大樋美術館のお茶室で締結式

9月1日付の北國新聞に、金沢市と東京都目黒区が、10月に友好都市協定の締結式を行うことが決まったという記事が掲載されていました。

締結式は10月28日に、茶道具の焼き物で知られる大樋美術館のお茶室で行なわれます。

記事では、山野金沢市長と青木目黒区長が、両都市を結びつける加賀藩前田家ゆかりの裏千家の流儀で「仲睦まじい夫婦のような末永い交流を誓う」と、やや大げさな表現で紹介されていました。

お茶室の締結式では、陶芸家の十一代大樋長左衛門氏が司婚者、茶道裏千家今日庵業躰の奈良宗久氏が茶人を担います。

両都市ともに裏千家にゆかりがあることから、茶婚式での締結式が行われることとなりました。

金沢は、5代加賀藩主・前田綱紀が、裏千家の流祖である千仙叟宗室を金沢に招いたことで、加賀藩に裏千家が広く普及しました。

両都市のご縁は、前田家16代当主の前田利為侯爵が1929年(昭和4年)に目黒区駒場に「旧前田家本邸」を建てたことに由来します。旧前田侯爵邸は重要文化財に指定され、現在は駒場公園として整備されています。

駒場公園内には、前田家所蔵の資料などを所蔵、研究する尊経閣文庫を管理する前田育徳会、2013年に鈴木大拙館と交流協定を結んだ日本民藝館があります。

2015年6月に目黒石川県人会が設立され、2016年10月に山野市長と青木区長が協定の覚書を結びました。

金沢市の友好都市協定は、首都圏では東京都板橋区に次いで2例目です。目黒区とは覚書の締結以降、イベントにお互いの招待枠を設けたり、区長に氷室の雪氷を贈ったりと交流を深めています。

北國新聞の取材に対して金沢市の担当者は「茶婚式というインパクトのある仕掛けで、絆をアピールし、両都市の発展につなげたい」とコメントしていました。

茶室「芳土庵」

茶道に興味のある方は大樋美術館がお奨めです

友好都市協定の締結式をお茶室で行うというのは、金沢市も粋なことを考えましたね。

つい先日、大樋美術館を訪れた際に、樹齢500年の「折鶴の松」を眺めながら抹茶を楽しむことができる、お座敷タイプのお茶室「芳土庵」が改装中だったのですが、10月28日の締結式に向けて改装されているのですね。

締結式の会場となる大樋美術館は、兼六園ひがし茶屋街のちょうど中間に位置するミュージアムで、歴代の大樋長左衛門作による茶盌(ちゃわん)が展示されています。

金沢に招かれた千仙叟宗室に同道した初代・長左衛門は、千仙叟宗室が京に戻った後も金沢に残り、郊外の大樋村に窯を興し大樋焼の礎を築きました。

大樋美術館は観覧料が700円、観覧と呈茶とのセットが1,500円で、呈茶のみをご希望の方は1,000円となっています。呈茶の茶盌は歴代の大樋長左衛門作の茶盌から選ぶことができます。

お茶室「芳土庵」の毛氈に腰を下ろして、中庭を眺めながら裏千家の抹茶と森八の和菓子をゆっくりと味わっていると、とても贅沢な時間を過ごしているという実感が沸いてきます。

トップに掲載した写真は「大樋ギャラリー」と名付けられたミュージアムショップで、無料で入ることができます。ギリシアのパルテノン神殿のような外観は、新国立競技場の設計者である隈研吾氏が担当しました。

さて、前述のとおり、金沢市では東京都板橋区とも友好都市協定を締結しています。

板橋区は、江戸時代に加賀前田家の下屋敷が置かれた土地で、区内には「加賀」という町名があります。また、区立金沢小学校・中学校や金沢橋をはじめ、加賀公園など「加賀」の付いた公園が5カ所もあります。

この他、東京23区での加賀藩ゆかりの区としては、何と言っても前田家の大名屋敷が置かれた文京区が挙げられます。

本郷にある東京大学の赤門は、13代加賀藩主・前田斉泰が、11代将軍・徳川家斉の娘さんを正室としてお迎えする際に建立された門です。また、都営三田線に白山という駅がありますが、白山は石川県にある日本三名山のひとつです。

大樋美術館

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