にし茶屋街で芸妓さんが地酒でおもてなし

春日神社奉納ふるまい酒で賑わう

2017年5月4日付の北國新聞に、にし茶屋街で芸妓さんが観光客らに地酒を振る舞ったという記事が掲載されていました。

この催しは「にし茶屋街を愛する会」が開いたもので、「春日神社奉納ふるまい酒」と題して、にし茶屋街の西茶屋資料館前で行われました。

記事によると、にし茶屋街に所属する芸妓さん7名が、石川県の地酒で市民や観光客をおもてなししたそうです。

催しでは増泉の春日神社に奉納された地酒が準備され、芸妓さんからお酒やつまみを受け取った観光客らは、記念撮影をするなどして楽しいひとときを過ごしました。

なお、5月末にお茶屋の「明月」からお披露目される新花(新人芸妓)の虎太郎さんも参加したとのことです。

紙面には、女性2人連れの観光客に、紙コップに入った地酒を振る舞う芸妓さんの写真が掲載されていました。

にし茶屋街は、平日には可哀想なくらい人通りが少ないのですが、写真を見ると、ひがし茶屋街かと思えるほど多くの人たちが訪れていました。

地酒が振る舞われた西茶屋資料館


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新花さんの源氏名の虎太郎に“にし”らしさ

今回、地酒をふるまう場所となった西茶屋資料館は、大正時代の三大ベストセラーのひとつ『地上』の作者である島田清次郎が幼少期を過ごした、お茶屋『吉米楼』があった場所です。

にし茶屋街では島田清次郎を記念して、西茶屋資料館の1階部分で島田清次郎の常設展示を行っています。また、2階部分では往時のお座敷を再現しています。

さて、にし茶屋街は、ひがし・にし・主計町の3つの茶屋街の中で最も多い芸妓さんを抱える茶屋街で、4軒のお茶屋に18名の芸妓さんが所属しています。

5月末に「明月」からデビューする新花さんの虎太郎さんが19人目の芸妓さんとなるわけですが、県外の方は“虎太郎”という源氏名に驚かれたかもしれませんね。

作家の村松友視さんのエッセー『金沢の不思議』によると、おやっと思える源氏名は、進取の気性を持つ“にし”ではよく見られることのようです。

同著では、大正時代の末期に室生犀星が友人の芥川龍之介を金沢に招き、にし茶屋街から近い『つば甚』で芸妓さんを呼んで宴席を催した際に、芥川が気に入った芸妓さんの源氏名が「しゃっぽ」だったと紹介されています。

この時、芥川は「せっかくの美しい芸妓が、なぜ帽子を意味するフランス語である“しゃっぽ”などという情緒のない名を付けたのか」と愕然としたそうです。

ちなみに、現在のにし茶屋街でも「ゆめ吉」や「ぽん太」という男性のような源氏名の芸妓さんがいます。

金沢のメディアでは、新花さんのお披露目は必ず記事になりますので、今月末の虎太郎さんお披露目の記事を目にするのが楽しみです。

現役のお茶屋のひとつ「明月」

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