金沢市の宿泊税導入は殿様の発想ではないのか

2019年4月から金沢の全ての宿泊施設で徴収

2月24日付の北國新聞の一面トップは、金沢市が2019年4月から宿泊税を導入するという記事でした。新聞だけではなく、NHKと民放4局も宿泊税導入のニュースを大きく伝えていました。

金沢市が導入する宿泊税は、市内のホテル、旅館、簡易宿所、民泊への宿泊者に課せられるもので、金沢のすべての宿泊施設が対象となります。

税額は、宿泊料金が2万円未満の場合は一律200円、2万円以上の場合は一律500円で、金沢市では年間で7億2,000万円の税収を見込んでいます。

宿泊税はヨーロッパで広く導入されている税です。イタリアで50都市以上、ドイツで10都市以上が導入している他、パリ、バルセロナ、リスボン、ブリュッセル、チューリッヒなどの有名な観光都市で導入されています。

日本で宿泊税が導入されているのは東京都と大阪市です。2018年10月から京都市が導入予定で、金沢は全国で4番目の導入都市となります。なお、北海道と福岡県でも導入が検討されています。

ホテル日航金沢とANAクラウンプラザホテル金沢

増加する観光客を「悪」と捉えるのは筋違い

金沢市の宿泊税の導入については市内の宿泊業者の中でも賛否両論があるようですが、否定的な経営者においても、観光振興のために使ってくれるのであれば仕方がないと一定の理解は示しているようです。

確かに訪れる人が多いほど施設は痛んできます。これは金沢に限らず全国の人気観光地に言えることです。金沢21世紀美術館では、来館者数の増加で建物の周囲に敷かれていた芝生が剥げてしまいました。

観光で訪れる方が、金沢に期待している美しい景観や街並みを維持するためには、宿泊税の導入が必要だということであれば理解できます。

しかし、今回の宿泊税導入の根底には、金沢に住む自分たちが上で、観光客を下に見ているような雰囲気を感じるところに私は疑問を抱いています。

北國新聞は社説で、「北陸新幹線開業後の実情を考えると必要性が高い処置である。観光客が急増した市内では、混雑や騒音が市民生活を脅かしており、負の影響を抑えるための費用を宿泊客に担ってもらうのは筋が通る」と述べています。

また、社説では宿泊税を導入することになった契機として「観光客の急増で街が荒れていたからである」と記しています。そして、「金沢の主役は観光客ではなく住民である…」とも述べています。

そのような考え方は間違っているのではないでしょうか。

観光客が街を荒らすと考えるのなら、なぜ金沢市長が海外の旅行博などに出掛けて行って、観光客の誘致活動をするのですか。呼ばなければ良いじゃないですか。

こちらからお招きしておいて「街を荒らす」とは、よく言えたものだと思います。

東横イン金沢

他の地域の方には理解できないかもしれませんが、金沢には買う側よりも売る側の方が偉いという風土があります。そして、買う側はお店に対して売っていただいたことに感謝するのです。

私は街に出るとよくカフェに入るのですが、「いらっしゃいませ」も言えない店がよくあります。また、こちらから何かを質問すると急に不機嫌になる店員も結構います。

普通はお店がお客さんに気を遣うものですよね。それなのに、客である私の方がお店に気を遣うという体験を何度もしました。

私も、金沢で生まれ育って東京に出ることなく金沢で生活し続けていたならば、金沢の非常識を当然のことのように受け入れていたかもしれませんが、東京で30年暮らした立場で言うと、金沢のお店は実にひどいものです。

観光客に「街を荒らすな」と言うのなら、金沢の店員たちも客に不快感を与えるなと言いたいですね。

私は宿泊税を導入すること自体には反対しません。金沢は財源が限られた地方都市ですから、観光で訪れる方にご満足いただくためには、観光客の方にも費用負担を協力していただくことも必要でしょう。

しかし、観光で訪れたあなたたちが街を荒らしたのだから、費用を出すのは当然だというような表現だけはやめませんか。

私は当サイトで何度も述べてきましたが、金沢を訪れる観光客の方はとてもお行儀がいいですよ。あの中国人でさえも、多くの人は公衆マナーを守ってくれています。

そろそろ売る方が偉いという殿様商売のメンタリティを変えませんか。そうしないと、宿泊税の導入が金沢の終わりの始まりとなってしまいます。

金沢東急ホテル

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