徳田秋聲記念館でオリジナル文庫の新刊

オリジナル文庫の第10巻は「新世帯」

1月19日付の北國新聞に、徳田秋聲記念館で、秋聲の絶版作品を収録したオリジナル文庫の新刊を発行するという記事が掲載されていました。

今回発行されるのは「新世帯(あらじょたい)」で、オリジナル文庫シリーズの10冊目となります。「新世帯」は、秋聲が自然主義文学の方向を確立した作品とされ、夫婦の新生活の現実がありのままに表現されています。

また、「新世帯」の他にも「足袋の底」「犠牲者」「彼女と少年」「不安のなかに」の中短編全5編が収められています。

表紙には彫金師の竹俣勇壱さんが制作したスプーンや、料理家の渡辺有子さんによる一皿を捉えた写真が使われている他、帯は輪島市の塗師・赤城明登さんが担当しました。

なお、「新世帯」の発売開始日は1月20日(金)、価格は860円(税込み)。500部を発行の予定で、徳田秋聲記念館のみで発売されます。

オリジナル文庫の作品は現代表記に改編

徳田秋聲記念館は、浅野川に架かる梅ノ橋の袂に建設された記念館で、ひがし茶屋街からも徒歩3分ほどのところに位置しています。

ちなみに、ひがし茶屋街から徳田秋聲記念館への途中には、秋聲が幼少期を過ごした旧居跡の看板が立っています。

金沢の三文豪の一人に数えられる徳田秋聲ですが、実は金沢の人たちの間でも、秋聲作品を読んだことがあるという人はほとんどいません。なぜなら、ほとんどの作品が絶版になっているからです。

そこで、秋聲記念館では「徳田秋聲記念館オリジナル文庫」と題して、『黴』『仮装人物』『縮図』などの名作を復刊しています。

記念館のオリジナル編集により、旧仮名遣いを現代表記に改めていることが大きな特徴で、作中に記されている男と女の微妙な心の機微は、21世紀の日本人にも十分に理解できるものです。

稀代の恋愛小説家として、川端康成氏から「日本の小説は、源氏にはじまって西鶴に飛び、西鶴から秋聲に飛ぶ。」とまで評された徳田秋聲。

彼の作品を現代表記で読むと、徳田秋聲がセンセーショナルな作家として一時代を築いていたことが伺えます。

本多の森の予定地。写真奥が石川県立美術館

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