徳田秋聲記念館で「ひがし芸妓」とお座敷遊び

ひがし茶屋街の5人の芸妓さんが舞を披露

1月29日付の北國新聞に、ひがし茶屋街から近い徳田秋聲記念館で、ひがし茶屋街の芸妓さんによる艶やかな舞が披露されたという記事が掲載されていました。

このイベントは、金沢の三文豪の一人に数えられる徳田秋聲が、ひがし茶屋街から徒歩3分ほどの旧家で幼少期を過ごし、上京した後も、帰省の折にひがし茶屋街でのお座敷遊びに興じたことにちなんで催されたものです。

催しでは、ひがし茶屋街のお茶屋に所属する5人の芸妓が出演し、「宝船」と「さわぎ」で舞や三味線の音色を披露しました。

また、お座敷太鼓の体験会も行われ、来場者が2人ずつ芸妓さんと一緒に太鼓を叩き、賑やかな音を響かせました。

紙面には写真も掲載されており、女性の2人連れの来館者が、芸妓さんからお座敷太鼓の手ほどきを受けている様子が紹介されていました。

梅ノ橋の袂に位置する徳田秋聲記念館

ひがし茶屋街は秋聲ゆかりの花街

金沢の三文豪と称される徳田秋聲、泉鏡花、室生犀星は、いずれも金沢の三茶屋街にゆかりのあることが共通点です。

幼少期をひがし茶屋街近くの浅野川沿いで過ごした徳田秋聲、主計町茶屋街に隣接する下新町で生を受けた泉鏡花、にし茶屋街からほど近い雨宝院で育てられた室生犀星。

三文豪のもう一つの共通点として、男と女の恋愛感情を艶やかに表現した作風が挙げられますが、芸妓さんと旦那衆との色恋を間近で見聞きできる環境で育ったことが、大きな要因となったことでしょう。

さて、徳田秋聲の茶屋街通いについては、井上雪さんの著書『廓のおんな』でも触れられています。この著は、かつて「東の廓」の名妓として活躍した鈴見さんへのインタビューで構成されているルポタージュです。

『廓のおんな』の中で、鈴見さんは徳田秋聲のことに触れ「小説家だと教えられたけど、いつも退屈そうな顔をして、何が面白くて廓に来られたのか分からなかった」と述べています。

また、秋聲は、座敷の入口に手をついて挨拶するだけで牡丹の花が咲いたような芸妓よりも、幽霊がそこに座っているのではないかと思うほどの “しんきくさい” 芸妓がお好みだったと記されています。

稀代の恋愛小説家・徳田秋聲の一面を知る上で面白いエピソードですね。

なお、井上雪さんの『廓のおんな』は、2016年11月に新潮文庫から再版されました。税込みで594円です。全盛期のひがし茶屋街の情景に興味のある方は、ぜひ読んでみてください。

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