何事もスローな-金沢タイム-にイライラしないこと

金沢旅行の予備知識#7

私は30年間暮らした東京から帰ってきて感じたことのひとつが、金沢ではゆっくりと時間が過ぎていくということでした。金沢タイムと呼んでも良いかもしれません。

そのことを強く感じるのがファストフード店です。例えばドトールコーヒーに入った時に、レジに5人並んでいたとしましょう。金沢では自分の時間が来るまでに東京の倍くらいの時間がかかります。

東京では、特にビジネス街ですと、お客さんが注文する品はブレンドコーヒーかアイスコーヒーのどちらかですよね。自分の順番が来る前にコーヒー代金を手にしている人も見かけます。そして、流れ作業のようにお客様がさばかれていきます。

レジの店員さんも、目の前のお客様に「ありがとうございます」と言いながら、顔は次のお客様を向いています。目の前のお客さんの方でも、そのような店員さんの態度にクレームをつける人はいません。

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メニューを見るのは順番が来てから

金沢では、お客さんは自分の順番が来てはじめてメニューを見ます。私などは、並んでいる間に注文を決めておけばいいのにと思ってしまいますが、金沢の人は、自分の順番になってからメニューを見てじっくりと決めるのです。

そして、「ミラノサンドAとミラノサンドC。それからアイス宇治抹茶ラテとロイヤルミルクティー」というように注文する品が一人ひとり違います。

このことから、お店の方でも一つひとつ違ったメニューを作っていきますので、ひとりのお客様への対応時間が。店員さんも目の前のお客様がレジから離れるまで次のお客様を見ようとしません。

イライラするのは県外から来た人

石川県外からお越しになった方は、金沢のファストフード店での対応の遅さにイライラするかと思います。もしかすると、コンビニでの会計の遅さにもストレスを感じるかもしれませんね。

私は、今でもなかなか順番が進まないとジリジリしてしまいますが、私の前後に並んでいる人は、それほどストレスを感じているようにも見えません。これが普通なのだと思っているのです。

金沢では時間がゆっくりと過ぎていきます。

お客様は１日１組です
金沢旅行での観光ガイドを承ります

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21美のチケット売り場も金沢タイム

金沢で待ちくたびれると言えば、金沢21世紀美術館のチケット売り場もイライラさせられます。行楽シーズンの週末になると、21美のチケット売り場は長蛇の列になるのですが、列がなかなか前に進みません。窓口の顧客対応が丁寧すぎるのです。

大多数の人が1番人気の『スイミング・プール』に入れるコレクション展のチケットを求めて並んでいるにもかかわらず、窓口の担当者は「チケットにはコレクション展と特別展がありまして…」というところから説明するのです。

おそらく、21美ではチケットを売った後に「聞いていない」というクレームが出ないように、これとこれは必ず説明するようにというマニュアルがあるのだと思います。そして、窓口の担当者はマニュアルを忠実に守っているのでしょう。

最初に「スイミング・プールを予約されているお客様ですか？」と確認すれば、もっと早く列が捌けると思うのですが、なかなか改善されないところが金沢らしいと言えば金沢らしいところです。これも「金沢タイム」ですかね。

いつまでも青にならない信号

街中でも金沢タイムに直面することがあります。歩行者用の信号がなかなか青にならないことです。金沢は幸いにして戦災を逃れたことから、藩政期から残る細く曲がりくねった道は戦後の自動車社会に全く対応できませんでした。

渋滞を解消する良い方法は、自動車の信号を絶えず青にしておくことですよね。赤信号で止まることで渋滞ができるわけですから、1台でも多くの車が通過できるように車道の青の時間を長くすればいいわけです。

金沢を訪れた人たちの中には、歩行者用信号が青になっている時間が明らかに短いと気付かれる方もいらっしゃることでしょう。少しでも多くの車を通すために歩行者用の「青」の時間が削られているのです。

行程はオーダーメイドです
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金沢タイムの良いところを探すと

何事にもゆっくりと時間が流れる金沢。県外からのお客様にはイライラさせていることと思いますが、いわゆる「金沢タイム」が良い方向に出ている業界もあります。それが着物レンタル業界です。

金沢の着物レンタル店は着付けが丁寧だと言われています。中には、1人のお客さんにそんなに時間をかけていたら儲からないですよ、と言いたくなるほど丁寧な着付けをするお店もあります。

前のお客さんの着付けが終わるのを待っている立場からすると「早くしてよ」と言いたくもなりますが、その代わり、自分にも丁寧に着付けてくれるわけですから、特に女性のお客様にとっては悪いことでもないかと思います。

丁寧なサービスなら地元資本のお店

近年は、京都や浅草の着物レンタル店が金沢にも進出してきています。京都や浅草のお店はできる限り料金を安くして、手早く着付けて1人でも多くお客さんを回して利益を上げるビジネスモデルです。

金沢で着物をレンタルしたいとお考えの方は、金沢資本のお店なのか、県外資本のお店なのかを調べた上で、自分のニーズに合ったレンタル店を選ぶと良いでしょう。

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