ひがし・にし・主計町に佇むかつての検番

金沢のおたっき~ポイント#7

21世紀を迎えてから金沢を代表する観光地へと飛躍していったのが、ひがし、にし、主計町の3つの茶屋街です。今では、きもの姿の若い女性や海外からの観光客で賑わっています。

歴史を辿ると「ひがし」と「にし」の茶屋街が加賀藩主から公許されたのは1820年(文政3年)のことで、川沿いに点在していた遊里を1カ所にまとめ、市民エリアと遊里との境界に塀を巡らし「廓(くるわ)」としました。

このことから、地元では20年ほど前まで「東の廓」「西の廓」と呼ばれていました。かつては「北の廓」も存在していましたが、昭和40年代に都市開発の流れの中で姿を消しました。

次の人に教えたい金沢 (クチコミ)

主計町だけは方角なしです

主計町については、東の廓に入りきらなくなったお茶屋が、浅野川大橋の対角線上の川沿いに立ち並ぶようになって形成された茶屋街です。主計町は塀で囲まれることがなかったことから方角ではなく町名で呼ばれています。

昭和初期までの茶屋街は、金沢の旦那衆にとっての最先端の遊びの場でした。

にし茶屋街

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運が良ければ三味線や鼓の音が聞こえます

それぞれの茶屋街には検番という事務所が置かれました。検番とは明治時代に芸妓さんの風紀取り締まりを目的として設置された組織です。

石川県出身の作家・井上雪さんの著書『廓のおんな』によると、明治時代から昭和初期の「東の廓」では、芸妓さんが外出する時には許可を得ることが義務付けられ、検番から用紙をもらって警察署に届け出たそうです。

今の茶屋街では事務所の役割も大きく変わりました。

現在は、かつてのお茶屋の建物を業態変更する際の窓口となっている他、芸妓さんの稽古場として使用されています。運の良い時には、茶屋街の事務所の前を通ると2階の稽古場から鼓や三味線の音が漏れ聞こえてきます。

ひがし茶屋街

検番は芸妓さんの外出をチェックする組織だったこともあり、茶屋街の一番端に位置しています。芸の世界にご興味のある方でしたら、3つの茶屋街にあるかつての検番をひとつずつ巡ってみたいと思われるかもしれませんね。

お花見の時期には芸妓さんの名前が入ったぼんぼりが並びます。お稽古場と合わせてご覧になると、より風情を感じます。

主計町茶屋街

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茶屋街の事務所にもそれぞれの特徴が

3つの茶屋街に残るかつての検番事務所には、それぞれの個性が感じられます。

東料亭組合

ひがし茶屋街のメインストリートである二番丁の脇にあります。

3つの茶屋街の中で最も高い格式を誇った「ひがし茶屋街」だけあって、事務所の外観には威厳が漂っています。ただし、他の2つの茶屋街の事務所に比べてデザイン的には少し見劣ります。

毎日の賑わいで事務所の外観にまで手が回らなかったのかもしれませんね。

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主計町事務所

主計町茶屋街の浅野川沿いの表通りから裏通りに入り「暗がり坂」へと向かうT字路に位置しています。

1階に木虫籠(きむすこ)が施され、2階の窓が張り出している純和風の茶屋建築の建物で、照葉さくらや暗がり坂の石段とマッチして昭和の恋愛小説のような風情を醸し出しています。

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西検番事務所

「にし茶屋街」の石碑が建つ入口から一番奥にある建物です。

1922年(大正11年)に建てられたブルーの洋風の建物で、木造の茶屋建築の後にこの事務所を見るとモダンに感じます。金沢の茶屋文化の王道を行く「ひがし」に対抗する「にし」の気概を垣間見ることができます。

なお、西検番事務所は2003年(平成15年)に国の有形文化財に登録されました。

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金沢では趣味と嗜好に合わせて

金沢の宝探しは「指定保存建造物」のプレート

金沢には築100年以上の旧い建造物が多く残っており、保存状態の良い建物が「金沢市指定保存建造物」となっています。街中でふと見かける金沢らしい撮影スポットです。

街角でふと見かける文学碑も金沢の風景です

文学がお好きな方は、お好きな作家の生家跡や文学碑を目にすると感激しますよね。金沢では浅野川と犀川の周辺にゆかりの作家の文学碑が集まっています。

21美の街に楽しみを加える個性的なオブジェ

城下町・金沢は、現代アートで国内有数の人気ミュージアムとなった金沢21世紀美術館の街でもあります。意外かもしれませんが、街中には個性的なオブジェが点在しています。

ファンの方なら絶対に寄りたいテレビのロケ地

近年はドラマやバラエティ番組のロケ地を訪れることも、金沢観光のお楽しみになりました。ロケ地の多くが市内の中心部の観光エリアで撮影されていますので移動も楽です。

金沢の主要なライブ会場は観光名所もすぐ近く

ライブと金沢観光を組み合わせるのも楽しみ方のひとつです。金沢にライブを見に行くのだけれど観光もできるのかな?と心配をされている方へのお答えは、簡潔にイエスです。

金沢は全国に先駆けて旧町名が復活した街

金沢は全国に先駆けて旧町名が復活した市です。旧町名が復活した町には「旧」の文字を消した標柱が置かれています。移動中に見られるちょっとしたアクセサリーです。

ひがし・にし・主計町に佇むかつての検番

金沢の三茶屋街として知られる、ひがし、にし、主計町の3つの茶屋街には、かつての栄華をしのばせる検番事務所があります。それぞれに茶屋街の個性が見られます。

金沢は藩政期から受け継がれる用水の街

金沢の街中では水の流れをよく目にします。中心部の観光エリアを流れているのが辰巳用水、鞍月用水、大野庄用水。兼六園の池の水は辰巳用水から取水されています。

歴史が好きな方は気になる「加賀八家」屋敷跡

金沢の街を歩いていると、加賀藩の歴史にまつわる様々な記念碑や説明ボードを目にします。その中でも “おたっき~ポイント” と言えるのが「加賀八家」の屋敷跡です。


主要な観光名所は8つ+金沢駅

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金沢がイメージできるページです

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金沢で主要な観光名所は1日で回れます。なぜなら、人気スポットが東京ディズニーランドと同じくらいのエリアに集っているからです。とりあえず見た!という感じでよろしければ、1日あれば充分です。

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金沢では、1周約4.3kmの百万石通りが観光エリアです。金沢城公園~兼六園~21世紀美術館は隣接し、ひがし茶屋街と主計町は隣町です。近江町市場や長町武家屋敷跡へもご近所へ行くような感覚です。

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バス移動では北陸鉄道バスの「1日フリー乗車券」をお買い求めください。料金は600円です。路線バスの200円区間と金沢周遊バスを購入日に何度でも利用できます。ほとんどの観光名所がカバーできます。

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金沢駅は観光名所が集まる中心部から少し離れています。1泊の場合は駅チカの方が安心できるかと思いますが、2泊以上の場合は香林坊、片町、武蔵ヶ辻などの繁華街に宿泊する方が圧倒的に便利です。

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2016年5月22日