Japanese Garden
外国人観光客の間で人気上昇中の日本庭園
2015年3月の北陸新幹線開業を契機として金沢では観光客が増えています。
少し前までは、北海道新幹線が開通すれば一気に流れが函館へ行ってしまうという憶測もあったのですが、おかげさまで金沢へ観光で訪れる人は減っていないようです。
特に海外からの観光客、特に欧米系の白人の方が飛躍的に増えているように感じます。欧米から日本を訪れる方は、精神的なものや神秘的なものに興味を引かれるようですが、金沢でも日本人の精神性を体感できる施設の人気が高まっています。
中でも「水鏡の庭」が無の世界へといざなう鈴木大拙館には、多くの外国人観光客の姿が見られます。
同様に、私から見て来場者数が増えていると感じるのが日本庭園です。日本三名園のひとつである兼六園はもちろんのこと、かつての加賀藩士の旧家に残る小規模な日本庭園や、無料で眺めることができる庭園にも興味を持ってくれています。

西田家庭園玉泉園
日本庭園には手入れが行き届いた松の木があり、自然の雰囲気を醸し出す池があり、水辺には灯籠が置かれ、季節の花々が彩を添えています。日本的な曲線美を駆使した左右非対称の調和が、海外から訪れる人たちの心に響くのかもしれません。
外国人の方の中には庭園を目の前にして立ち止まっている人が目につきます。
日本人の方は庭園を歩きながら、カメラやスマホのシャッターを押すために立ち止まることはあるのですが、外国人の方はじっくりと見てくれています。中には縁側に腰を下ろして庭園を眺めながらまどろんでいる人も見かけます。
興味深いのは、庭園に見入っている人の言葉を聞くと英語があまり聞こえてこないことです。聞こえてくるのはフランス語やイタリア語などのラテン系の言葉です。
へぇーっ、と思いながらもよくよく考えてみると、日本人もアメリカやイギリスといった英語圏の景色よりも、フランスやイタリアの風景に共感を覚える人が多いですよね。
日本人の美的感覚とラテン系の美的感覚には共通するものがあるのかもしれませんね。

野村家庭園-ミシュランの二つ星を獲得したこともある日本庭園
庭園鑑賞のおともに茶室に腰を下ろして抹茶を
金沢では旧加賀藩士の旧家と庭園がいくつか一般開放されています。
現在、観光地となっている旧家・庭園は寺島蔵人邸、野村家庭園、西田家庭園玉泉園などになりますが、いずれも中級武士として藩に貢献した家系です。
寺島蔵人邸は、ひがし茶屋街と金沢城公園のちょうど中間に位置しています。ひがし茶屋街から浅野大橋を渡り大通りを真っすぐに行くと、右手に「森八」という和菓子屋さんが見えてきますが、その和菓子屋さんの裏手になります。
野村家庭園は長町武家屋敷跡の「長町三の橋」の袂にあります。また、西田家庭園は兼六園下交差点から兼六坂方向に行ったところに位置しています。
この中で寺島蔵人邸と野村家庭園の屋敷では、襖によって部屋が仕切られているという日本建築ならではの作りとなっており、襖が開け放たれてとても開放的な雰囲気です。そして、床の間には掛け軸が掛かり、縁側に敷かれた板廊下には鴬張りが施されています。

寺島蔵人邸-金沢城公園に近い閑静な住宅街に位置しています
金沢には、有料の施設だけではなく無料で眺めることができる庭園もあります。その代表的なものは、鈴木大拙館と隣接する松風閣庭園、金沢市立中村記念美術館の耕雲庵、金沢城公園の玉泉院丸庭園などです。
これらの中で松風閣庭園と耕雲庵は隣接していますので、鈴木大拙館と合わせて見学されるといいでしょう。また、玉泉院丸庭園については、起伏の多い金沢城内を回って歩き疲れたかなと感じた時に立ち寄られるのもお薦めです。
庭園鑑賞とセットになるものとして抹茶が挙げられますが、上記の庭園の中では、松風閣庭園以外の施設で庭園を眺めながら抹茶を楽しむことができます。

松風閣庭園-兼六園のモデルとなった庭園です
旧家庭園の写真を見比べたい方へ
金沢の旧家庭園が3分でわかる画像集
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<金沢の主な旧家・庭園>
寺島蔵人邸 | 野村家庭園 | 西田家庭園玉泉園 | 松風閣庭園 | 辻家庭園
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