金沢城公園-加賀百万石の城跡は街中のハイキングコース

金沢城公園の五十間長屋

金沢の観光名所#2

金沢城公園は地元の人たちには古くて新しい観光名所です。藩政期に加賀藩主・前田家の居城だった金沢城は、明治時代から先の戦争までは帝国陸軍が、戦後は金沢大学が所有していたことから、市民がお城に入れるようになったのは2001年のことです。

公園という名のとおり、21世紀の金沢城のシンボルとなった「菱櫓・五十間長屋・橋爪門続櫓」以外は入城無料です。歴史に忠実に復元していることから空地が多いのですが、復元された施設や石垣から加賀百万石の栄華を感じ取っていただければと思います。

五十間長屋
左から橋爪門続櫓・五十間長屋・菱櫓

金沢城公園が3分でわかる画像集



石川門がメインの入城口です

金沢城公園への入城口で最も利用者数が多いのが兼六園と直結する石川門です。金沢城の三御門のひとつで国の重要文化財に指定されています。今では正門のような賑わいですが、藩政期には兼六園へと通じる搦手門(裏門)と位置付けられていました。

ちなみに、石川門は1995年(平成7年)まで金沢大学の校門でした。

石川門
石川門はかつて金沢大学の校門でした

金沢城公園の見どころ#3

2001年に復元された五十間長屋

石川門を入ると三の丸広場に出ます。広場に長大な姿を現わしているのが「菱櫓・五十間長屋・橋爪門続櫓」です。この建物にお殿様が暮らしていたわけではなく、お殿様が暮らす「二の丸御殿」の防御の砦として建てられました。

五十間とは現代のサイズに直すと約90mで、両脇の櫓を含めると100mほどになります。横に長い建物ですので、カメラに収まりにくいのが難点です(笑)。ただ、さまざまな角度からベストアングルを探すという楽しみもあります。

橋爪門
橋爪門と五十間長屋

金沢城公園の見どころ#2

お殿様が暮らしたのは二の丸御殿

もっと金沢城を堪能したいという方は、橋爪門から二の丸広場へ出てください。

まず、五十間長屋の内部を見学したい方は二の丸広場に入口があります。元々は武器庫でしたので建物の中はガランとしていますが、伝統的な建築様式にご興味のある方でしたら見学する価値は十分にあります。

二の丸は加賀藩主・前田家のお殿様が暮らしたエリアで、藩政期にはこの場所に「二の丸御殿」がありました。二の丸広場には往時の御殿を写した貴重な写真が展示されています。

五十間長屋の内部
五十間長屋は建築に興味がある方にお薦め

金沢城は一向宗のお寺でした

金沢城は、元々は一向宗(現在の浄土真宗)のお寺で「金沢御堂」と呼ばれていました。1400年代後半から1500年代にかけて全国で起こった一向一揆が最も成功した加賀では、1488年~1580年の約90年に亘って一向宗が治める社会が存在しました。

1580年に一向宗の拠点・金沢御堂を攻略したのが柴田勝家で、勝家の甥の佐久間盛政が初代の金沢城主になります。その3年後、賤ケ岳の戦いで勝家が秀吉に敗れ、佐久間盛政もこの世を去り、2代目の城主として前田利家が入城したのです。

ここがお寺であったことを示すスポットが極楽橋です。お寺だった頃は、信者が念仏を唱えながら極楽橋を渡ったと伝えられています。現在は、橋の向こうに重要文化財の三十間長屋があります。

極楽橋
極楽橋と三十間長屋

金沢城公園の見どころ#1

金沢城は「石垣の博物館」

加賀百万石の拠点である金沢城は「石垣の博物館」と呼ばれるほど、色々な種類の石垣が残されています。代表的な積み方は、自然石積み、粗加工石積み、切石積みの3種類で、石垣から金沢城の歴史を知ることができます。

金沢城の石垣で興味深いのは、防御のための石垣とともに、見せるための石垣があることです。中でも玉泉院丸庭園の「色紙短冊積み石垣」は見栄えを追求した石垣で、職人の街・金沢のシンボル的な存在となっています。

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お時間のある方は本丸園地へ

広大な敷地で起伏があり、奥に行くほど迷路のようになっていく金沢城は、どんどん奥へ足を踏み入れたくなる場所です。「もう少し奥へ行ってみたいけど、時間がないし…」というように、どこまで散策するかを決めにくいのが悩ましいところです。

お時間に余裕のある方やお城に興味のある方には、まだまだ見どころがあります。金沢城には天守閣がありません。前田利家の時代には五層建ての立派な天守閣があったらしいのですが、冬の落雷で焼失してしまいました。

その昔、天守閣が存在したスポットが本丸園地です。本丸園地へは、二の丸広場の極楽橋から三十間長屋を過ぎて左手に散策路への入口があります。かつての本丸跡地は“散策路”と呼ぶのが相応しい雑木林となっています。

本丸園地
かつて天守閣があった本丸は雑木林に

金沢城公園の見どころ#5

休憩したい方は鶴の丸休憩館へ

本丸園地は、基本的にはハイキングコースのような山道ですが、戌亥櫓、丑寅櫓、辰巳櫓の3つの櫓跡が残されており、絶好の眺望スポットとなっています。また、本丸園地から降りてくると鶴の丸で、重要文化財の鶴丸倉庫が佇んでいます。

また、鶴丸倉庫の先には、鶴の丸休憩館という休憩スポットが用意されていますので、ちょっとひと休みされるのもいいでしょう。

鶴の丸休憩館
鶴の丸休憩館

玉泉院丸庭園の抹茶はお薦めです

金沢城のもうひとつの見どころが玉泉院丸庭園です。かつては石川県立体育館だった場所で、2015年3月の北陸新幹線の開業に合わせて復元されました。

二の丸広場の極楽橋を渡らずに通り過ぎた先に、庭園へと降りていく回遊路があります。

池泉回遊式の庭園美とともに、色紙短冊積み石垣と呼ばれる大きな石垣も見どころです。特に石垣マニアを自認される方でしたら、ぜひ見ておきたいスポットです。また、お茶室・玉泉庵で、抹茶と和菓子を楽しまれるのもお奨めです。

玉泉院丸庭園
玉泉院丸庭園
お茶室・玉泉庵
玉泉庵はカフェ感覚で利用できるお茶室です

鼠多門と鼠多門橋

2020年7月に、明治維新後に取り壊された鼠多門(ねずみたもん)が復元され、玉泉院丸庭園と尾山神社を結ぶ鼠多門橋が金沢観光の回遊ルートに加わりました。また、夜のライトアップは新たなデートスポットとなりました。

鼠多門橋
鼠多門と鼠多門橋

金沢城公園の見どころ#7

金沢は都市型テーマパーク!

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金沢城は別名「石垣の博物館」

金沢城はお城ファンの間では「石垣の博物館」と称されています。時代ごとに色々な積み方の石垣が見られ、自然石積み (野面積み)、粗加工石積み (打ち込み接ぎ)、切石積み (切り込み接ぎ)の3つが代表的な積み方です。

外観から入る街・金沢らしく、金沢城の石垣には防御のための石垣だけではなく、見せるための石垣も多く見られます。中でも、前述の玉泉院丸庭園にそびえる色紙短冊積み石垣は、金沢城の石垣の中でも最高の見どころです。

石垣がお好きな方は、ゆっくりと城内を散策してください。

色紙短冊積み石垣
色紙短冊積み石垣は最も見栄えのする石垣

金沢城公園の利用案内

入園料
無料(五十間長屋だけは有料です)
開園時間
3/1~10/15  7:00~18:00
10/16~2月末日  8:00~17:00
早朝無料開放
3/1~3/31  5:00~6:45
4/1~8/31  4:00~6:45
9/1~10/15  5:00~6:45
10/16~10/31  5:00~7:45
11/1~2月末日  6:00~7:45
夜間ライトアップ
毎日/日没~21:00
五十間長屋への入館料
大人(18歳以上)320円、小人(6歳~18歳未満)100円。65歳以上の方は運転免許証や健康保険証などの公的な証明書があれば無料。最終入館時間は16:00です。
※「五十間長屋+兼六園」セット利用券が500円で販売されています。
金沢城公園ホームページ

金沢城公園への行き方

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主要な観光名所は8つ+金沢駅

金沢旅行の予備知識 #2
金沢の強みは「城下町なのにお城が主役ではない」



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金沢がイメージできるページです

1

金沢で主要な観光名所は1日で回れます。なぜなら、人気スポットが東京ディズニーランドと同じくらいのエリアに集っているからです。とりあえず見た!という感じでよろしければ、1日あれば充分です。

2

金沢では、1周約4.3kmの百万石通りが観光エリアです。金沢城公園~兼六園~21世紀美術館は隣接し、ひがし茶屋街と主計町は隣町です。近江町市場や長町武家屋敷跡へもご近所へ行くような感覚です。

3

バス移動では北陸鉄道バスの「1日フリー乗車券」をお買い求めください。料金は800円です。路線バスの210円区間と金沢周遊バスを購入日に何度でも利用できます。ほとんどの観光名所がカバーできます。

4

金沢駅は観光名所が集まる中心部から少し離れています。1泊の場合は駅チカの方が安心できるかと思いますが、2泊以上の場合は香林坊、片町、武蔵ヶ辻などの繁華街に宿泊する方が圧倒的に便利です。

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金沢観光ガイド 南 武志

観光客の方が「ひがし茶屋街」の最寄りのバス停に並ばれているのを見て、兼六園も近江町市場も歩いて10分なのに…と思ったことが、このサイトをはじめたキッカケでした。 金沢の街は歩いて回れます。自分だけの観光プランで城下町・金沢を満喫してください。

2016年5月14日