Objet

現代アートの題材は「やかん」や「食パン」

はじめて金沢を訪れる方が “金沢” と聞いて思い浮かべるのは、木造建築や土塀などの古い街並みではないかと思います。

実は金沢駅を降りて最初に目にする光景は金沢駅通りのマンションストリートです。そして、マンションが立ち並ぶ通りの左側には、個性的なデザインのオブジェが屋外展示されています。

思い描いてきた金沢のイメージとのギャップに、「えっ???」という感じで歩を進める方もいらっしゃるかもしれませんね。

加賀百万石の城下町である金沢は、現代アートで日本でも有数の人気美術館となった金沢21世紀美術館の街でもあります。

展示されているのは国際コンペの入選作品

金沢21世紀美術館がオープンした2004年に、金沢市では「金沢・まちなか彫刻作品・国際コンペティション2004」と題した国際コンペを行ない、最優秀賞1点と優秀賞3点の計4作品を “まちなか” に屋外展示しました。

また、2006年にも国際コンペが開催され、最優秀賞1点と優秀賞2点の計3作品が屋外展示されました。

その先も展示作品を増やしていくのかなと思いましたが、この国際コンペは2006年に開催されたのが最後で現在は行われていません。

最初から2回限りの予定だったのか、予算の関係で継続開催が困難になったのか、市民から景観を壊すという意見があったのかは分かりませんが、世界的なアーティストへの登竜門となり得る可能性があったコンペだけに、勿体ないなと思います。

金沢市では、伝統的建造物を保護し、歴史的な景観を守るための条例を制定しています。また、歴史的な建造物の管理や修景を行なう際には、金沢市が最大で費用の90%を補助しています。

ただ、歴史的な建物や景観を守っていくだけでは、古いだけの街になってしまいます。古いだけの街であれば1回訪れれば十分です。

現在、金沢駅通り香林坊交差点で見られる個性的なオブジェは、新しい時代の金沢を感じさせてくれるものです。もし観光客の方から「金沢って変なものがいっぱいあった」と言われるなら、それは最高の誉め言葉と捉えるべきでしょう。

何とか「金沢・まちなか彫刻作品・国際コンペティション」を復活させてほしいものです。

香林坊交差点にもアッと驚くオブジェが

金沢の街角にあるオブジェ

金沢駅

金沢・まちなか彫刻作品・国際コンペティション2006 最優秀賞
「やかん体、転倒する。」三枝一将氏作

金沢の街中に屋外展示されているオブジェの中で、金沢駅で目にするのがこの作品です。やかんが転がっているデザインで心をほぐして、金沢観光をはじめるのもお奨めです。


「微宇音・微宙オン・微界音」米林雄一氏作

金沢駅のもてなしドームから石川県立音楽堂へと向かう途中に設置されています。宇宙を連想させるデザインが県立音楽堂の外観とマッチしています。


金沢駅通り

金沢・まちなか彫刻作品・国際コンペティション2004 優秀賞
「Corpus Minor ♯1」ヤンネ・クリスティアン・ヴィルックネン氏作

大きな金属の球体を前にすると「何なの!これ?」という会話が出るかもしれませんね。年月とともに付着し始めたサビも作品を際立たせています。


金沢・まちなか彫刻作品・国際コンペティション2004 優秀賞
「The Sundial」バルトゥオミィエイ・ストゥージク氏作

晴れた日には、後方に見える東別院と青空のコントラストがとても綺麗です。ちなみに“Sundial”とは日時計の意味です。


金沢・まちなか彫刻作品・国際コンペティション2004 優秀賞
「FUGA(風雅)」阿部 守氏作

金沢駅通りが近江町市場に近づいたあたりに、大きな黒石が置かれているオブジェがあります。オブジェに腰かけて金沢の地図を広げるのもいいでしょう。


武蔵ヶ辻周辺

金沢・まちなか彫刻作品・国際コンペティション2006 優秀賞
「BREAKFAST」岡村光哲氏作

武蔵交差点の角には、食パンにナイフが食い込んでいるオブジェがあります。お隣のベルギーチョコレートのお店とともに食欲をそそります。


武蔵スタジオ通りの案内板

繁華街の武蔵商店街が制作した案内看板です。景観とマッチしているかどうかは別にして、街角のアクセントとして純粋に面白いと思います。


博労町交差点の煙突

近江町市場の市姫神社口から2分ほどの博労町交差点には煙突が立っています。かつては実際に使われていた煙突も、今では街角オブジェのようです。


香林坊交差点

金沢・まちなか彫刻作品・国際コンペティション2004 最優秀賞
「走れ!」郡 順治氏作

金沢の人たちも「何や、あれは!」と驚いたのが人間の脚をモチーフした作品です。金沢で一番の交通の要所である香林坊交差点に設置されています。


「まちしるべ」大森達郎氏作

オブジェというよりも彫刻といった感じの作品で、金沢の街並みが表現されています。地図に金沢21世紀美術館が入っていないところにも時代を感じます。


金沢市役所

金沢・まちなか彫刻作品・国際コンペティション2006 優秀賞
「WISDOM」アシュラフ・ゲイファー氏作

金沢市役所の花時計の近くに展示されています。5人の顔と6つの目という斬新かつ奇抜なアイデアの作品で、横から見ると拳のようにも見えます。

関連記事

金沢駅通り-21世紀の金沢を表現するオブジェ | 百万石通り(香林坊交差点)

観光名所から観光名所への距離と徒歩時間

金沢の街角の「おたっき~ポイント」