金沢の美術館・記念館
加賀百万石の城下町・金沢は、地方都市にしては美術館や記念館などのミュージアムが多い街だと思います。全国的に知られているのは金沢21世紀美術館ですが、鈴木大拙館のように知名度が高まってきた記念館も多くあります。
美術館や記念館は、興味のない方にとっては通り過ぎるだけの施設です。その一方で、興味のある方にとっては知的好奇心を満足させてくれる場所となります。趣味と好奇心の街・金沢にとってミュージアムは貴重なアクセサリーです。
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文学・建築・工芸など多彩なジャンルです
文学ファンの方は、金沢の三文豪と言われる徳田秋聲、泉鏡花、室生犀星のそれぞれの記念館や、五木寛之文庫がある金沢文芸館を訪れるといいでしょう。
中でも、主計町茶屋街のすぐ裏手にある泉鏡花記念館は鏡花の生家跡地に整備された記念館で、日本建築の本館の前庭には鏡花親子の像と休憩用の木製ベンチが置かれています。
泉鏡花の作風は、愛情で結ばれる男と女が、立ちふさがる現実に思い悩み非業の死を遂げる「悲恋小説」です。主計町茶屋街へと至る「暗がり坂」と「あかり坂」の周囲を歩いていると、鏡花の作風の背景が何となくわかります。
興味のあるジャンルに絞って
文学以外にも、美術関連では現代アートの金沢21世紀美術館と、正統派の石川県立美術館を見比べるのも面白いですし、工芸がお好きな方は国立工芸館、生活工芸ミュージアム、安江金箔工芸館などでじっくりと鑑賞してください。
また、長町武家屋敷跡には前田土佐守家資料館や金沢市老舗記念館といった、金沢の武家社会や伝統文化を紹介するミュージアムがありますし、泉鏡花記念館のご近所の金沢蓄音器館は、音楽ファンなら訪れて損はないと思います。
無料ゾーンで「金沢」を感じる
展示品にはそれほど興味があるわけではないけれど、どういうところなのか雰囲気だけでも感じたいという方は、無料ゾーンをご覧になるだけでも金沢の文化を感じていただけるかと思います。
いしかわ赤レンガミュージアムでは、レンガ造りの建物の一部が無料開放されていますし、仏教の“無の境地”を演出する鈴木大拙館では、無料ゾーンからも幻想的な「水鏡の庭」を見ることができます。
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共通鑑賞券がお得です
金沢市内にある美術館や記念館の多くは有料の施設で、入館料は平均すると大人で300円~400円ほどです。美術、伝統工芸、文学、歴史に興味のある方にとっては、極めて妥当な入館料ではないかと思います。
石川県と金沢市では、お得な2種類の共通鑑賞券を発売しています。共通鑑賞券の良いところは、とりあえず入ってみて、面白くなければすぐに出てきても惜しくないことです。それから、何度でも入館できるのも利点です。
文化の森おでかけパス
石川県では、金沢城公園と兼六園の周辺にある16の文化施設の共通鑑賞券「文化の森おでかけパス」を発売しています。2020年の鼠多門橋の復元によって実現した「加賀百万石回遊ルート」を散策しながらご利用ください。
兼六園と、金沢城公園の五十間長屋が含まれているのは嬉しいですよね。また、2日間有効ですので、金沢観光においてはとても使い勝手の良いパスポートです。
料金
共通鑑賞券のみ 1,000円
期限
1施設目の利用日から2日間有効
購入方法
◆オンラインで購入
※購入サイトへ (外部リンク)
◆コンビニで購入
セブンイレブン・ファミリーマート・ローソン・ミニストップ
◆観光案内所で購入
金沢駅観光案内所、金沢中央観光案内所 (尾山神社前)
対象施設(16施設)
金沢で一番の繁華街・香林坊から時計回りで「加賀百万石回遊ルート」を散策すると、以下の順でのお立ち寄りとなります。
前田土佐守家資料館、金沢市老舗記念館、武家屋敷跡 野村家、金沢城公園・五十間長屋、兼六園、いしかわ生活ミュージアム、金沢くらしの博物館、石川県立美術館、国立工芸館、石川県立歴史博物館、金沢市立中村記念美術館、鈴木大拙館、金沢ふるさと偉人館、金沢21世紀美術館、金沢能楽美術館、石川四高記念文化交流館
なお、以下の施設では割引料金で入場できます。
金沢市文化施設 共通鑑賞券
金沢文化振興財団では、金沢市が運営する以下の17施設の共通鑑賞券を発売しています。1DAYパスポートが520円とリーズナブルな料金です。それぞれのミュージアムの入場券売り場でお買い求めできます。
料金
1DAYパスポート 520円
3日間パスポート 830円
1年間パスポート 2,090円
※各ミュージアムの入場券売り場で発売
対象施設(17施設)
兼六園・金沢城公園・21美エリア
鈴木大拙館、金沢市立中村記念美術館、金沢ふるさと偉人館、金沢能楽美術館、金沢くらしの博物館
※文化の森おでかけパスと重複します。
ひがし茶屋街・主計町茶屋街エリア
金沢市立安江金箔工芸館、徳田秋聲記念館、泉鏡花記念館、金沢蓄音器館、金沢文芸館-五木寛之文庫-、寺島蔵人邸跡
長町武家屋敷跡エリア
前田土佐守家資料館、金沢市老舗記念館
※文化の森おでかけパスと重複します。
にし茶屋街・忍者寺エリア
室生犀星記念館、谷口吉郎・吉生記念 金沢建築館
湯涌温泉
金沢湯涌江戸村、金沢湯涌夢二館
ひとつにすればいいのに
文化施設の共通鑑賞券については、とても良いサービスだと思います。しかしながら、石川県が発売するパスポートと、金沢市が発売するパスポートの2種類があるのは、はじめて訪れる方には分かりにくいと思います。
7つのミュージアムが重複しているのも、購入する立場からするともったいないですよね。2つまとめたパスポートができれば最高の観光アイテムになると思うのですが…。とても良いアイデアなのに詰めが甘いのは県民性です(笑)。
金沢は都市型テーマパーク!
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知りたいことがあったら学芸員に
美術館や記念館などのミュージアムは知的好奇心を満足させてくれる施設ですが、展示室の説明文を読んでも不明点が解決しないこともあるかと思います。説明文を読んで新たな不明点が出てくることもあるでしょう。
分からないままでも良いんだけど、やっぱり気になるよな…という時は、お気軽に学芸員に聞いてみてください。受付で知りたい事柄を伝えると、多くの場合は「少々お待ちください」と言って事務所から学芸員を連れてきてくれます。
それぞれのミュージアムの学芸員は、企画展を立案するなど、そのカテゴリーに関するスペシャリストです。その道のスペシャリストなら来館者から質問されるのが嬉しいはずです。きっと知的好奇心を満足させてくれることでしょう。
ミュージアムの企画展一覧
<兼六園・金沢城公園エリア> |
金沢21世紀美術館 (月曜休) ・特別展「Lines(ラインズ)-意識を流れに合わせる」(6/22~10/14) ・コレクション展2「都市漂流」(10/12~1/19) |
国立工芸館 (月曜休) ・企画展「心象工芸展」(9/6~12/1) |
石川県立美術館 ・コレクション展など |
生活工芸ミュージアム (第3木曜休) ・企画展「装う工芸」「あれも九谷 これも九谷 色々九谷」(8/23~10/14) ・常設展 |
石川県立歴史博物館 ・常設展 |
加賀本多博物館 ・秋季特別展「前田綱紀と加賀本多家」(9/6~12/3) ・常設展 |
石川四高記念文化交流館 ・能登半島地震の影響で臨時休館中 |
鈴木大拙館 (月曜休) ・企画展「ともなる人-岡村美穂子の生き方-」(10/4~1/19) |
中村記念美術館 (月曜休) ・新館開館35周年記念特別展「近代数寄者の審美眼 ~中村栄俊翁の時代~」(10/5~12/1) |
金沢ふるさと偉人館 (月曜休) ・企画展「福祉は金沢 (ここ) から始まった!-陽風園と善隣館-」(9/14~11/24) ・常設展 |
金沢能楽美術館 (月曜休) ・特別展「能楽師大鼓方・飯嶋六之佐家」(9/6~10/28) |
金沢くらしの博物館 (月曜休) ・特別展「金沢の女学生」(8/31~11/24) ・常設展 |
<ひがし茶屋街・主計町茶屋街エリア> |
安江金箔工芸館 (火曜休) ・特別展「日本の金工・石川の金工」(10/5~12/1) ・常設展 |
徳田秋声記念館 (火曜休) ・高浜虚子生誕150年記念企画展「虚子と秋聲」(8/3~11/4) ・常設展 |
泉鏡花記念館 (火曜休) ・開館25周年記念「泉鏡花記念館名品展-四半世紀の軌跡-」(10/2~11/4、11/7~12/8) |
金沢蓄音器館 (火曜休) ・常設展 |
金沢文芸館‐五木寛之文庫- (火曜休) ・常設展 |
大樋美術館 ・常設展 |
<長町武家屋敷跡エリア> |
前田土佐守家資料館 (月曜休) ・企画展「古典の香り」(10/5~12/15) |
金沢市老舗記念館 (月曜休) ・企画展「金澤老舗百年展 六の巻」(7/30~11/24) ・常設展 |
<にし茶屋街・忍者寺エリア> |
室生犀星記念館 (火曜休) ・企画展 犬のあわれ、猫のあわれ ・・・あるいは「宇宙の一部」 (7/13~11/10) ・常設展 |
谷口吉郎・吉生記念 金沢建築館 (月曜休) ・開館5周年記念特別展 谷口吉郎の「金沢診断」-伝統と創造のまちづくり- (6/23~12/1) ・常設展 |
※休館日が祝日の場合は開館し、翌平日が休館となります。また、通常の休館日以外にも「展示替え期間」と「年末年始」は休館となります。
※多くのミュージアムでは、企画展とともに常設展示も行っています。
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金沢のミュージアムを地図で確認
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観光名所の周辺は文化エリア
美術館・記念館 -20選-
・金沢の美術館・記念館(まとめ)
兼六園・金沢城周辺のミュージアム
・国立工芸館が金沢の本多の森にオープン
・石川県立美術館-21美の街に佇む正統派の美術館
・生活工芸ミュージアム-石川県の伝統産業の見本市
・赤レンガミュージアム-本多の森を彩る重要文化財
・石川四高記念文化交流館の赤レンガは市民の誇り
・鈴木大拙館-水鏡の庭は独り占めしたくなる空間
・中村記念美術館-茶道を嗜む方にお薦めの美術館
・金沢ふるさと偉人館-ここは中原中也ゆかりの場所
・金沢能楽美術館-能装束や能面の試装体験が人気
・金沢くらしの博物館-旧制中学の校舎は重要文化財
ひがし・主計町周辺のミュージアム
・安江金箔工芸館-箔打ち機から美術品まで金箔一色
・徳田秋声記念館-稀代の恋愛小説家が甦る場所
・泉鏡花記念館-浪漫と幻想の鏡花ワールドは純和風
・金沢蓄音器館-聴き比べ実演は音楽ファンにお薦め
・金沢文芸館-レトロな文芸サロンと五木寛之文庫
・大樋美術館-350年の歴史を継ぐ大樋焼の殿堂
長町武家屋敷跡周辺のミュージアム
・前田土佐守家資料館-良好に残された藩政期の書状
・老舗記念館-金沢市民が懐かしさを感じる外観
にし茶屋街周辺のミュージアム
・室生犀星記念館-文豪の人柄を感じる遺品と肉筆
・金沢建築館-国内でも珍しい建築専門ミュージアム
神社仏閣 -4選-
旧家庭園 -5選-
寺島蔵人邸 | 武家屋敷跡 野村家 | 西田家庭園玉泉園 | 松風閣庭園 | 辻家庭園
主要な観光名所は8つ+金沢駅
金沢駅 | 兼六園 | 金沢城公園 | ひがし茶屋街 | にし茶屋街 | 主計町茶屋街 | 長町武家屋敷跡 | 金沢21世紀美術館 | 近江町市場
KANAZAWA Topics
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ご旅行前に知りたい情報は?
金沢がイメージできるページです
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金沢の主要な観光名所は1日で回れます
金沢で主要な観光名所は1日で回れます。なぜなら、人気スポットが東京ディズニーランドと同じくらいのエリアに集っているからです。とりあえず見た!という感じでよろしければ、1日あれば充分です。
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金沢観光マップ-地図を見てルートを決めたい方へ
金沢では、1周約4.3kmの百万石通りが観光エリアです。金沢城公園~兼六園~21世紀美術館は隣接し、ひがし茶屋街と主計町は隣町です。近江町市場や長町武家屋敷跡へもご近所へ行くような感覚です。
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金沢の観光エリアのバス運賃は210円
バス移動では北陸鉄道バスの「1日フリー乗車券」をお買い求めください。料金は800円です。路線バスの210円区間と金沢周遊バスを購入日に何度でも利用できます。ほとんどの観光名所がカバーできます。
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金沢のホテル/1泊なら駅周辺、2泊以上は繁華街
金沢駅は観光名所が集まる中心部から少し離れています。1泊の場合は駅チカの方が安心できるかと思いますが、2泊以上の場合は香林坊、片町、武蔵ヶ辻などの繁華街に宿泊する方が圧倒的に便利です。
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