主計町茶屋街の見どころ#1
緩やかに蛇行しながら流れる姿から “女川” と呼ばれる浅野川沿いには2つの茶屋街があります。ひとつは金沢を代表する観光地・ひがし茶屋街で、もうひとつは「ひがし」から浅野川大橋を渡って対角線上に位置する主計町茶屋街です。
主計町(かずえまち)は、藩政期に加賀藩士の富田主計(とだ かずえ)の屋敷があったことにちなんで名付けられた街で、観光地というよりも現役の茶屋街といった雰囲気を醸し出しています。
この街にはじめて足を踏み入れた人は、ひがし茶屋街に比べて遥かに人通りが少ないことに驚かれるかもしれませんね。
北陸新幹線の開業前に比べると主計町を歩く人が増えたのですが、それでも、ひがし茶屋街は真っすぐに歩くこともできないほど大勢の人が訪れているのに対して、主計町はチラホラという感じの人通りです。
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狭い路地を一瞬で通り抜ける人影
昼間の主計町は絶好の撮影スポットです。旧い木造建築の玄関には格子戸があり、窓の外には細い格子状の「きむすこ(木虫籠)」が付けられています。言われてみると、確かに木の虫かごという呼び名がピッタリきます。
浅野川沿いの表通りから裏通りへと入る路地は人がやっとすれ違えるほどの狭さで、時折、裏通りを歩く人がさっと通り抜けていきます。まるでCMのワンシーンのような光景です。
一度、東京のテレビ局がロケをしている現場に出くわしたことがあります。金沢出身の俳優・篠井英介さんがリポーターを務める番組でしたが、人通りが少ないこともあって、裏通りでの撮影が順調に進んでいるようでした。
ひがし茶屋街での撮影でしたら、大渋滞になってブーイングが飛び交ったことでしょう。
主計町茶屋街の見どころ#4
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昼間は眠りについています
部外者から見ると気の毒に思えてくる主計町ですが、この街で生計を立てている人は、訪れる人が少ないことを全く気にしていないように思えます。最初から「ひがし」と張り合っていないのです。
主計町で太陽が出ている時間帯に営業しているお店は、ランチ営業をしている料理店と、かつての料亭の建物で営業しているカフェが数件ある程度で、大多数のお店は昼間の時間帯はお店を閉めています。
そして、陽が暮れかかってきた頃にようやく目を覚まします。
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2階のお座敷でひと休み
昼間の時間帯は眠りについている主計町ですが、営業しているカフェやお食事処の2階の客席からは最高の眺めが堪能できます。女川と呼ばれ、蛇行しながらゆっくりと流れる浅野川と、風情あふれる浅野川大橋と中の橋。
人込みから離れて少しゆっくりと休みたいなと思われる方には、主計町のカフェがお奨めです。
主計町のカフェとお食事処
主計町茶屋街でお昼の時間帯に営業しているお店をご紹介します。
時折、お店が閉まっていることがありますので、あらかじめご承知おきください。実は、金沢では不定休というお店が多いのです。何とも商売っ気のない話しですが、これも金沢の文化なのでしょう。
カフェ まゆ月 くらがり坂
住所:金沢市主計町3-19
TEL:076-210-6022
時間:カフェ 11:00~16:00/バー 19:30~24:30
カフェ&バー 彩賀(さいか)
住所:金沢市主計町2-11
TEL:076-255-6802
時間:カフェ 12:00~17:00/バー 20:00~24:00
日本料理 いち凛(いちりん)
住所:金沢市主計町2-6
TEL:076-208-3703
時間:火 17:00~23:00/水~日・祝 11:30~14:30 17:00~23:00(L.O 22:30)
カフェ 土家(つちや)
住所:金沢市主計町2-3
TEL:080-3748-4702
時間:10:00頃~16:00頃
金沢は都市型テーマパーク!
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夜は「ひがし」より活気がある主計町
主計町は夜の帳が下りるとともに目覚める街です。東京で言うと六本木ということになるでしょうか。
陽が暮れて街灯に明かりが灯る時刻になると、芸妓さんを抱えるお茶屋をはじめ、鍋料理のお店や和風バーの行灯(あんどん)に明かりがつき、2階の客室の窓から明かりが漏れ始めます。
煌びやかなネオンではありませんが、橙色の柔らかな街灯とお店から漏れ出てくる灯りには、遊びの上級者しか玄関の格子戸を開けてはならないような、男の度量を見極められてしまうような厳しさを感じます。
夜の主計町では、バーについては一見さんokで観光客の方も気軽に入ることができます。もちろん女性の方も入店できます。夕食後に軽く一杯飲んでホテルに戻りたいなという方は、主計町までタクシーを飛ばすのもいいでしょう。
主計町のお茶屋は4軒
主計町では今も4軒のお茶屋が営業しています。浅野川沿いの表通りにある「仲乃家」「えんや」「まゆ月」「み笑」。主計町を散策しながら現役のお茶屋を探すのも粋な楽しみ方と言えます。
時間がゆっくりと過ぎていきます
主計町には、ひがし茶屋街のような金箔のお店や加賀友禅のお店はありません。また、観光地の賑やかさはなく、着物姿の女性を囲んで即席のフォトセッションが行われることもありません。
そのことから人通りはとても少ないのですが、主計町を歩いていると、お金儲けにギスギスしない心の余裕を感じます。
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