金沢市立安江金箔工芸館
金沢の美術館・記念館 vol.10
(ひがし茶屋街・主計町茶屋街エリア)
金沢市立安江金箔工芸館は「ひがし茶屋街」のすぐ近くに位置し、浅野川大橋から大通り沿いを2~3分ほど行ったところにあります。周辺では一番大きな建物ですので気付かずに通り過ぎてしまうことはないと思います。
建物の外観は町家の蔵をイメージしてデザインされています。
濃いグレーの外壁にゴールドの縦ラインが入り、工芸館の名前に金箔が施されているなど、落ち着いた雰囲気の中にさりげなく金箔の華やかさをアピールする外観です。
1階の受付を過ぎると、2階の展示室から3階の研修室へと階段が一直線に続きとても開放的です。天井を見上げると金箔が貼られたドームがあり、館内の照明が金箔に反射し厳かな雰囲気を演出しています。

金箔の貼られた案内板を過ぎて展示室に入ると、まず、製造工程の説明パネルと1万分の1ミリまで金を延ばしていく箔打ち機が展示されています。
その先に設けられているのが金箔を使用した美術工芸作品のコーナーです。
テレビでよく目にする金屏風をはじめ、重箱や硯箱などの漆の上に金で絵模様を描く加賀蒔絵(まきえ)、銅や鉄などの金属に金を施す加賀象嵌(ぞうがん)など、金沢の工芸技術に金箔が加わった作品を見ることができます。
さらに金箔を用いた能装束、陶器、ガラス、仏壇などが展示されています。ゴールドは装飾品ということもあって来館者の大多数が女性やカップルです。

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全国の金箔生産量の99%を担う金沢
金沢は古くから金箔の生産が盛んでした。
歴史を紐解くと、加賀藩の初代藩主である前田利家が、現在の佐賀県にあたる肥前名護屋の陣中から、金沢に向け金箔と銀箔を打ち立てるように命じたことがはじまりとされています。
その後は、江戸時代から明治、大正、昭和初期にかけて、幕府の政策や国内の経済状況によって何度か壊滅的な打撃を受けながらも、今日まで伝統的な技術を受け継いできました。
今では金箔の国内生産の99.9%を金沢が担っています。

安江金箔工芸館は、金箔職人の安江孝明氏が「金箔職人の誇りと証」を後世に伝えるべく開設したミュージアムです。
1985年(昭和60年)には、安江氏が所有する美術工芸品、製箔道具、箔打ち機などが金沢市に寄贈され、金沢市立安江金箔工芸館となりました。
日本の社会では、1980年代後半のバブル期を経て「地域貢献」や「利益還元」の意識が醸成されてきました。そして、美術品収集家が、自らのコレクションを地元の自治体に寄贈する例が全国で見られるようになりました。
そのような例は、金沢市では安江氏以外にも数多く見られます。
実業家で茶人の故中村栄俊氏からは近世絵画、古九谷、加賀蒔絵などのコレクションが寄贈され金沢市立中村記念美術館となりました。
金沢で一番のレコード店・山蓄の創業者の故八日市屋浩志氏からは、蓄音器やSPレコード盤などが寄贈され金沢蓄音器館が開館しました。
また、老舗の薬屋さんの中屋から、1878年(明治11年)に建築された木造の旧店舗が金沢市に寄付され金沢市老舗記念館となり、寺島家から金沢市に藩政期の木造家屋が寄付され寺島蔵人邸となりました。

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ひがし茶屋街の観光と合わせて
浅野川大橋と安江金箔工芸館との間に位置するのが「ひがし茶屋街」です。ひがし茶屋街で金箔のアクセサリーを買いたいなと思われている方は、安江金箔工芸館にも足を運ばれるといいでしょう。
ひがし茶屋街には金箔工芸品店がいくつもありますが、安江金箔工芸館で金箔の製造工程や箔打ち機をご覧になった後でお店に入ると、さらに品定めが楽しくなるかもしれませんね。
安江金箔工芸館からひがし茶屋街のメインストリートへは徒歩3分ほどの距離ですので、最初にひがし茶屋街を一回りしてから金箔工芸館を見学して、その後に茶屋街に戻って金箔のお店に入るのもいいかもしれません。

金沢市立安江金箔工芸館の入館料は、一般が310円、65歳以上が210円で高校生以下は無料です。開館時間は午前9時30分から午後5時(入館は午後4時30分)までで、年末年始と展示替えの期間は休館となります。
なお、写真撮影については1階フロアで館内の雰囲気を撮影するのはokですが、2階の展示室での撮影は禁止されています。

やすえきんぱくこうげいかん
住所:金沢市東山1-3-10
TEL:076-251-8950
料金:一般 310円、65歳以上 210円、高校生以下 無料
時間:午前9時30分から午後5時(入館は4時30分まで)
休館:展示替え期間、年末年始
撮影:展示室の撮影NG
金沢市立安江金箔工芸館ホームページ
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