五木寛之氏の小説に主計町がたびたび出てきます

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作家の五木寛之氏ゆかりの街

主計町茶屋街の見どころ vol.4

浅野川沿いに続く主計町茶屋街は、作家の五木寛之氏の小説にたびたび出てくる街です。鍋料理のお店「太郎」をはじめ、多くのお店が実名で執筆されています。

五木氏が主計町を舞台とした小説のひとつに、1971年(昭和46年)に発表された『浅の川暮色』があります。

この作品は新聞社の記者と若い芸妓との恋物語です。東京の大手新聞社に新卒で入社した森口守が最初の赴任先として金沢支局に配属され、そこで芸妓見習いの柴野みつと出会います。

2人の仲は、主計町の鍋料理屋「次郎」の女将による陰ながらの手助けによって深い仲へと発展しますが、森口が東京本社に戻るのを契機として、結果的に森口がみつを捨てる形で終止符が打たれました。

この小説に出てくる鍋料理のお店の「次郎」は、「太郎」というお店がモデルになっており、小説の中で若い二人を支える女将も実在の女将をモデルとしています。

現在、「太郎」のお店の前には小説『浅の川暮色』の記念碑が置かれています。※このページのトップ写真です。

小説『浅の川暮色』の舞台となった鍋料理の「太郎」

主計町茶屋街が3分でわかる画像集




五木寛之氏の略歴

五木寛之氏は1932年(昭和7年)に福岡県で生まれました。高校卒業後に上京し、作詞家・放送作家として活躍した他、レコード会社の専属作詞家として数々の楽曲を送り出しました。

1965年に金沢出身の女性と結婚します。この女性の父親は、当時の石川1区選出の衆議院議員で後の金沢市長となった岡良一氏でした。

岡氏が金沢市長になった当時の私は小学生でしたが、革新系の市長として絶大な支持を得ていた記憶があります。

泉鏡花文学賞は岡氏の在任中の1973年(昭和48年)に制定され、五木寛之氏は第1回から現在まで選考委員を務めています。

さて、結婚後の五木氏はマスメディアの世界から距離を置き、夫人の故郷の金沢で暮らし始めます。ご本人のエッセーによると、今では寺院群として金沢の観光地のひとつとなった小立野(こだつの)に居を構えたそうです。

金沢の地で小説の執筆活動を開始し、1967年(昭和42年)に『蒼ざめた馬を見よ』で第56回直木賞を受賞。

その後も『青春の門』『四季・奈津子』『親鸞』をはじめとする数々のベストセラー作を発表するなど、日本を代表する作家のひとりとして現在も活躍されています。

五木寛之氏がご贔屓にする主計町は着物が似合います

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五木寛之氏が命名した名無し坂

五木氏が2008年に発表した『金沢あかり坂』も主計町を舞台とした小説です。

この作品は主計町の近くで生まれた主人公の凛が、恋人との別れを契機に芸妓の世界に入るというストーリーで、その中に主計町には2つの坂があるというくだりがあります。

ひとつは主計町の中心へと通じる『暗がり坂』で、もう一つの坂は細い路地の奥にある名無し坂です。

凛は子供の頃に、父親から「名無し坂でカマイタチにやられた」という話しを聞いたことから、30歳を過ぎる時期までその名無し坂を歩くことはありませんでした。

五木氏は地元の人たちから、この名無し坂に名前を付けてほしいと依頼されていました。そこで命名した名前が『あかり坂』で、小説の中で白髪の老詩人が『あかり坂』と名付けるシーンが出てきます。

あかり坂と名付けられたこの坂の下には、五木寛之氏のメッセージとともに石碑が置かれています。

あかり坂は五木寛之さんが命名した階段坂

主計町茶屋街の見どころ vol.3
あかり坂は五木寛之氏が命名した石段の坂


この小説には『一葉(ひとは)』という実在のお茶屋が、主人公の凛がお世話になるお茶屋として出てくる他、『仲乃家』『まゆ月』『えんや』などの現役のお茶屋の名前も実名で出てきます。

また、凛の母親が主計町の『木津屋旅館』で働いていたという設定になっています。

あかり坂から一番近いお茶屋の『まゆ月』では、2015年11月に新花さん(新人芸妓)がお披露目されましたが、小説と同じ “凛” という源氏名でデビューしました。

主計町を歩かれることがありましたら、小説に出てくるお店を探しながら歩かれるのもお奨めです。

<『金沢あかり坂』に実名で登場するお店>

小説の主人公・凛がお披露目された『一葉』
まゆ月
仲乃家
えんや
小説の主人公の母親が働いていた木津屋旅館

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Kazuemachi Chayagai
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