Kanazawa-Phonograph-Museum
(Museum vol.13

アンティークな館内はまさに寛ぎの空間

金沢は地方都市の中でも美術館、博物館、記念館などの、いわゆるミュージアムと呼ばれる施設の多い街です。犀川と浅野川の間に位置する中心街を歩いていると、様々なカテゴリーの記念館を見かけます。

大規模な美術館や博物館もあれば、地元の偉人を記念して設立された記念館もあれば、金沢の歴史や伝統を紹介する資料館もあります。

その中でも、金沢蓄音器館は主な展示物が蓄音器のみというユニークなミュージアムです。

場所は主計町茶屋街の裏手で、百万石通りの橋場交差点の近くに位置しています。訪れる人にインパクトを与える外観が特徴で、レンガに包まれたアンティークな雰囲気と、建物の角を大胆にカットした個性的なデザインが絶妙なフュージョンを醸し出しています。

館内にはアンティークな内装が施されています

館内にはアンティークな内装が施されています

建物内はアンティークな雰囲気で統一されており、展示室ではエジソンが発明した蝋管式の蓄音器をはじめ、明治、大正、昭和の時代に、メロディーによって人々の心に安らぎをもたらしてきた魔法の機械が数多く展示されています。

また、年代物のSP版のジャケットをはじめ、蓄音器に関する資料や説明パネルが展示されている他、蓄音器が音楽再生機の主流だった時代に、この再生機を手に入れることができた上流家庭のリビングをイメージしたセットが置かれています。

蓄音器の時代には上流階級のリビングが鑑賞の場でした

蓄音器の時代には上流階級のリビングが鑑賞の場でした

人の温もりを感じる蓄音器の実演

金沢蓄音器館のセールスポイントは、2階の展示室で毎日3回行われている蓄音器の聴き比べ実演です。

エジソンが開発した蝋管式モデルからはじまって、それぞれの時代の代表的な蓄音器をひとつずつ聴き比べていきます。

実演会では再生機から流れてくるメロディーとともに、説明役の男性のトークが場を盛り上げてくれます。実演会は30分ほど続きますが、トークが面白いので途中で席を立つ人はほとんどいません。

そして、実演会の終わりには「観光客の方で今日の夕食をどこで食べようかしらと思っている方は、どうぞご相談ください。安いお寿司屋さんでもご紹介しますよ」という挨拶で締めくくられます。

ずらりと並んだ蓄音器を聴き比べていきます

ずらりと並んだ蓄音器を聴き比べていきます

この記念館では人の温もりを感じることができます。3階の展示室にも説明役の男性がスタンバイしており、自然な雰囲気で話しかけてくれます。

静寂な雰囲気の記念館が多い中で、金沢蓄音器館には絶えず人と人が触れ合う声が聞こえ、アットホームな雰囲気が漂っています。

1階にはサロンが設けられています。蓄音器とともに1927年のアメリカ製のピアノが置かれていますが、このピアノは名ピアニストの演奏を再現する自動再演ピアノです。

自動再演は毎週日曜日に3回行われています。サロンの椅子に腰かけて少し休憩されるのもお勧めです。

1階のサロンには飲み物の自動販売機が設置されています

1階のサロンには飲み物の自動販売機が設置されています

寄贈者の「山蓄」は金沢市民のノスタルジー

金沢蓄音器館は、「山蓄」というレコード店の創業者の故八日市屋浩志氏が収集してきた、蓄音器540台、SPレコード約2万枚の「山蓄コレクション」を金沢市が譲り受け、2001年(平成13年)に開場した記念館です。

2009年に営業を終えた山蓄は、かつては金沢で最も有名なレコード店として知られ、長年にわたって金沢の音楽シーンを牽引してきたお店でした。

私の中学・高校の頃までは、現在の香林坊・東急スクエアの場所に山蓄本店があり、「YAMACHIKU」の濃紺の商品袋を小脇に抱えて繁華街を歩くことが、金沢の若者にとってのステータスでした。

首都圏の方には、銀座の山野楽器のような存在と言えば理解してもらえるかと思います。金沢の50代以上の人たちにとって、山蓄は青春の思い出のひとつです。

さて、金沢蓄音器館の入館料は一般が300円、65歳以上が200円で高校生以下は無料です。開館時間は午前10時から午後5時30分(入館は午後5時)までで、年末年始と展示替えの期間は休館となります。

蓄音器実演は午前11時、午後2時、午後4時の3回で毎日行われています。

また、自動再演ピアノ実演は日曜日のみの実施で午前10時30分、午後1時30分、午後3時30分の3回行われます。また、ミュージアムショップでは、オリジナルグッズや音楽関連グッズが販売されています。

なお、写真撮影については、蓄音器への接写については禁止されていますが、場内の雰囲気については撮影okとなっています。

レコードジャケットの数々

レコードジャケットの数々

金沢蓄音器館ホームページ


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観光名所から観光名所への距離と徒歩時間


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金沢蓄音器館の裏手が泉鏡花記念館でその先が主計町茶屋街です

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