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Kenrokuen*3
(Hisagoike)

滝の音が瓢池の場所を教えてくれます

兼六園には大きな池が2つあります。ひとつは “ことじ灯籠” で知られる霞ヶ池で、もう一つは傾斜地のエリアにある瓢池(ひさごいけ)です。

瓢池は兼六園にある7つの料金所の中で正門とされる蓮池門口を入って、すぐ左前方に位置しています。

霞ヶ池に比べれば一回り小さいものの、傾斜地に残る豊かな自然に佇む風景からは、神秘的な奥ゆかしさが漂ってきます。6つの景勝を兼ねる兼六園においては、幽邃(ゆうすい)の池と言うことができるでしょう。

浮島から見た日暮橋(右)と汐見橋

絶景スポットへは汐見橋という木橋を渡ることになりますが、汐見橋を渡ると目の前に愁いを帯びた水辺が広がっています。傾斜地に造られた池ということで、池の背後には小立野台地の木々が鬱蒼と生い茂り水面に映し出されています。

小立野台地の山肌が西側を向いていることから、夕刻が近づくにつれて緑の木々に陽光が降り注ぐようになります。

瓢池でまず目につくのは翠滝(みどりだき)と呼ばれる、高さ6.6m、幅1.6mの人工の滝です。

滝を落ちていく水は小立野通りの辰巳用水から取り入れられた水で、辰巳用水から兼六園内に入り、曲水となって千歳台エリアをめぐり、霞ヶ池を経由してきた水が勢いよく瓢池へと注ぎ込まれています。

翠滝の特徴は水の落下地点に滝つぼではなく石が置かれていることです。石の上で弾かれる水の音はとても大きく、瓢池が見えないところでも滝の音が響いてきます。

翠滝と海石塔(右)は瓢池の名物です

瓢池には、もうひとつ日暮橋(ひぐらしばし)という石橋が架かっており、浮島に渡れるようになっています。浮島には海石塔と呼ばれる高さ4.1mの六重の塔が設置されている他、撮影用のベンチが置かれています。この浮島は瓢池の中でも最高の撮影スポットです。

なお、浮島に置かれている海石塔については、3代藩主・前田利常が、金沢城の玉泉院丸庭園に造った13層の石塔の一部を瓢池に移したという説と、加藤清正が朝鮮出兵の際に持ち帰った塔を豊臣秀吉に献上し、秀吉から前田利家に贈られたという説があります。

浮島には記念撮影用のベンチが

浮島には記念撮影用のベンチが

兼六園は瓢池の周辺から作庭されていきました

歴代の加賀藩主によって、兼六園は少しずつ手を加えられながら現在の姿となりました。

そして、14人の藩主の中でも、1600年代に現在の地に庭園の礎を築いた5代藩主・前田綱紀と、1800年代に霞ヶ池を拡張した13代藩主・前田斉泰の2人の藩主が、兼六園の作庭に大きな役割を果たしました。

兼六園は金沢城公園から百間堀を渡ったところに位置しています。

現在の百間堀は水が抜かれお堀通りという道路になっていますが、平地に位置する百間堀からは小立野台地に向かって傾斜地が続きます。そして、綱紀が作庭した当時の敷地は傾斜地のみで、小立野台地に広々とした庭園が作庭されたのは1800年代のことです。

1822年に兼六園と命名されるまでは、傾斜地の庭園は蓮池庭(れんちてい)と呼ばれていました。

蓮池門を入って左前方が瓢池です

このあたりに蓮の花が咲いていたことにちなんで名付けられたもので、現在の兼六園でも、かつての蓮池庭のエリアには木々が鬱蒼と生い茂り、滝の音が響き、奥ゆかしさと静寂を漂わせています。

地元の北國新聞社から発行されている兼六園の解説書によると、蓮池庭は小立野台地からの攻撃に対する防御エリアとしての意味合いがあったそうです。

確かに傾斜地に鬱蒼とした森林があり、平坦な部分に池があれば、敵の前進を少しでも阻むことができます。

真弓坂から見渡す瓢池

真弓坂から見渡す瓢池

芥川龍之介が宿泊した三芳庵

瓢池には兼六園で最古の茶室である夕顔亭があります。夕顔というのは瓢箪の旧い名称で、茶室内に瓢箪の透かし彫りがあることから名付けられました。現在は、この茶室は使用されていませんが、茶室の前には名工の作による手水鉢が置かれています。

夕顔亭

また、瓢池のほとりには三芳庵(みよしあん)という茶店があります。三芳庵には本館と水亭があり、水亭は瓢池に浮かんでいるように見えます。

かつて芥川龍之介が友人の室生犀星に招かれて金沢を訪れた際に、犀星が用意した宿が三芳庵でした。芥川龍之介が友人にあてた手紙の中に三芳庵に宿を取ったという記述があります。兼六園が終日無料開放されていた時代には、園内で宿泊することもできました。

芥川龍之介が泊まったとされる三芳庵の別荘は老朽化により取り壊されていますが、文学がお好きな方でしたら、池を間近に眺め、滝の音や鳥のさえずりに耳を澄ませ、抹茶と和菓子を楽しみながら文豪を偲ぶのもいいでしょう。

三芳庵の水亭

三芳庵の水亭

兼六園への行き方

兼六園観光協会ホームページ


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「夕顔亭」に隣接している池が瓢池です

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