Utatsu-Yama
(Suburbs vol.3

卯辰山はお散歩感覚で気軽に登れます

卯辰山は「ひがし茶屋街」の裏手に位置する山で、古くから金沢の人たちに親しまれてきたレジャースポットです。

標高141mで小学生が遠足で登れるほどの高さです。専門的な登山の装備も必要なく、ひがし茶屋街を歩いた服装で、ちょっとしたハイキング気分で、さらに言うならお散歩気分で気軽に山道に入っていくことができます。

東京・高尾山の標高599m、神戸・六甲山の標高931mと比較すると、登山というよりも小高い丘に登るといった感じです。また、日本一の高層ビル「あべのハルカス」が地上300mですから、その半分以下の高さということになります。

道の途中には、金沢の街並みを見下せるスポットが随所に出てきますので、観光で訪れる方は、行けるところまで行ってみるのもお奨めです。

卯辰山へはいくつかの登り口がありますが、観光で訪れる方は、ひがし茶屋街の三番丁の先に鎮座する宇多須神社の境内を通り抜けたところからのルートと、浅野川沿いの天神橋を渡った先の上り坂からのルートの2カ所があります。

金沢で暮らす人たちの多くは、天神橋から山肌をクネクネと蛇行しながら登っていくのですが、観光で訪れる方は、宇多須神社から卯辰山に入られる方が分かりやすいかもしれません。

宇多須神社から登る方は卯辰山工芸工房が目標

宇多須神社から卯辰山へと入っていく方には、「とりあえず、ここまで登ってみようか」というポイントがあります。それが卯辰山工芸工房です。

卯辰山工芸工房は、陶芸(九谷焼)、漆芸(金沢漆器)、染(加賀友禅)、金工(加賀象嵌)、ガラス工芸の5分野で活躍する工芸作家を養成する機関です。

プロの工芸作家を目指す若者たちの作業風景をガラス窓越しに眺めることができますので、工芸に興味のある方にお薦めのスポットです。なお、卯辰山工芸工房は火曜日が休館日です。

卯辰山工芸工房

卯辰山は、富士山のように山頂に向かってそびえる山ではなく、頂上付近まで来ると尾根が横に長く伸びている山です。卯辰山にも山頂を示す表示があるようですが、地元の人たちはどこが山頂かということは気にせずに歩を進めていきます。

工芸工房まで登って来るとほぼ卯辰山の山頂です。まだまだ余力があるという方は、花木園、月見台、横空台などに立ち寄りながら、望湖台から徳田秋声文学碑を目指すといいでしょう。

望湖台の眺望スポットからは日本海が一望できます。※このページのトップの写真です。

徳田秋聲文学碑はこの先にあります

相撲場と見晴らし台は卯辰山の象徴

健脚家を自認されている方でしたら、徳田秋声文学碑から卯辰山相撲場まで足を延ばされるのもお奨めです。

卯辰山相撲場は、101回の歴史を数える高校相撲金沢大会の会場となる相撲場で、相撲に励む高校生にとっては甲子園にあたる場所です。歴代の個人戦優勝者の中には、元大関の出島武春、現役の人気力士の一人である遠藤聖大の名前が見られます。

卯辰山相撲場

高校相撲金沢大会は、夏の甲子園の第1回大会と同じ年に始まりました。

太平洋戦争で甲子園が1942年から45年の4回中止となったのに対して、相撲は1944年と45年の2回しか中止にならなかったことから、回数では甲子園よりも2回多く日本の高校スポーツで最多となっています。

また、卯辰山相撲場で一番の高台から土俵を見下す位置に「殉難おとめの像」が設置されており、像の下には、建立された1962年(昭和37年)当時の人気女流作家であった、金沢市東山出身の水芦光子さんによる哀悼の詩が記されています。

殉難おとめの像

卯辰山相撲場からは天神橋を目指して下って行くのがいいでしょう。その途中にあるのが見晴らし台です。

見晴らし台は、1993年(平成5年)まで、金沢ヘルスセンターという一大娯楽施設があった場所です。大人向けに大宴会場と大浴場があり、子供向けには動物園と水族館と遊園地がありました。

子供向けの施設は、大都会にある動物園や遊園地に比べて遥かに小規模でしたが、金沢の子供たちは車で卯辰山を上って行くとウキウキしたものです。

見晴らし台。ここには一大娯楽施設がありました

さて、卯辰山の麓には、山乃尾、松魚亭といった老舗料亭や、地元ではステーキで有名な六角堂本店などがあります。ディナーの予約をされている方は、夕食前に卯辰山を少しお散歩してみるのもいいかもしれませんね。

卯辰山の山麓はちょっとしたグルメエリア

また、天神橋から歩いて登られる場合は、山道に入ってすぐのところに「帰厚坂」(きこうざか)と名付けられた近道がありますので、利用されるのもお奨めです。

帰厚坂

金沢の郊外の観光スポット