Yuwaku Onsen
(Suburbs vol.2

金沢の奥座敷は加賀藩御用達の「湯治ゆ」

古くから “金沢の奥座敷” と呼ばれてきた湯涌温泉は、藩政期には加賀藩主・前田家の「湯治ゆ」として栄えました。

バス停を降りると、車がやっとすれ違える程度の道幅のメインストリートが走り、通りの両脇には温泉旅館やお食事処が点在しています。湯涌温泉では現在も9件の宿が営業しています。

かつての日本の温泉街は、訳ありカップルの密会の場でした。また、ストリップ劇場や性風俗店が目についたものでした。湯涌温泉も例外ではなく、“金沢の奥座敷” という呼び名には “秘め事” というニュアンスが込められていました。

白鷺の足湯

現在の湯涌温泉はとても健全な温泉街です。湯涌温泉に足を延ばすことがありましたら、総湯として一般開放されている『白鷺の湯』で、旅の疲れを癒してはいかがでしょうか。

温泉の起源については、西暦718年頃、農夫が身体を癒す白鷺(しらさぎ)を見て、温泉が湧き出るのを発見したという説があります。湯涌温泉では、開湯1300年を大々的にPRしています。

白鷺の湯の営業時間は午前7時から午後10時までで、入場料は中学生以上が380円、小学生が130円、6歳未満の子供が50円です。なお、第三木曜日が休業日となっています。

メインストリートの奥にある総湯『白鷺の湯』

湯涌温泉は画家・竹久夢二ゆかりの地

湯涌温泉は、大正時代の画家・竹久夢二ゆかりの地です。

大正ロマンの代名詞とも言える美人画のモデルとなった妻のたまきさんは、金沢の出身でした。また、夢二が最愛の女性・彦乃さんと幸せな時を過ごしたのが湯涌温泉でした。そして、湯涌に画室を建てたいとの夢を抱いていました。

湯涌温泉では、2000年4月に「金沢湯涌夢二館」をオープンさせ、竹久夢二の功績を後世に伝えています。

夢二館の開館時間は午前9時から午後5時30分(入館は午後5時まで)で、料金は一般が300円、65歳以上が200円、高校生以下は無料です。年中無休ですが展示替えの期間は休館となります。

金沢湯涌夢二館

また、夢二館から徒歩7分ほどのところには「金沢湯涌江戸村」があります。

江戸時代の武士と農民の住居が移設されている江戸村は、開園時間が午前9時から午後5時30分(入園は午後5時まで)で、料金は一般が300円、65歳以上が200円、高校生以下は無料です。

なお、休館日は毎週火曜日(火曜日が休日の場合はその翌平日)です。

金沢湯涌江戸村

近年の湯涌温泉はアニメファン聖地巡礼の地

私のようなオジサンからは想像もつかなかったことですが、今の湯涌温泉はアニメファンの聖地となっています。そのアニメとは、2011年にテレビで放送された『花咲くいろは』です。

東京の女子高生・松前緒花が、湯乃鷺温泉にある母親の実家の旅館に、アルバイトの仲居として住み込むことになった物語です。

この “湯乃鷺温泉” は湯涌温泉がモデルとなっており、作中には現実の景色とそっくりとの場面が散りばめられていることから、『花咲くいろは』の聖地巡礼の地として、アニメファンの若い人たちが訪れるようになってきました。

このカットもアニメに出てきます

湯涌温泉では『花咲くいろは』とのタイアップに積極的で、物語の中に出てくる「ぼんぼり祭り」を現実のお祭りとすべく、アニメが放送された2011年から毎年10月に「湯涌ぼんぼり祭り」を開催しています。

観光協会では「いろは館」を併設していますが、温泉街から徒歩で10分ほど離れていますので注意してください。

ぼんぼり祭りのゴール地点『玉泉湖』

湯涌温泉はバス路線の終点です

湯涌温泉へはバスを利用することになります。

金沢駅から乗車の場合は、東口ターミナルの「7番のりば」から湯涌温泉行きのバスが出ています。金沢駅が始発で湯涌温泉が終点ですので、観光で訪れる方には一番わかりやすいかと思います。

ちなみに、金沢駅から湯涌温泉までは50分少々の乗車時間です。

「武蔵ヶ辻・近江町市場」からですと、近江町市場の市姫神社口の向かい側にある “金沢はこまち” 前の停留所から乗ってください。

また、ひがし茶屋街の最寄りの「橋場町」から乗車の場合は、橋場交差点を過ぎて金城楼の手前のバス停を、「兼六園下・金沢城」からでしたら、石川県観光物産館の向かい側のバス停を利用してください。

市街地から湯涌温泉へのバスの本数は1時間に1本です。

湯涌温泉へのバスは、途中の「袋」という停留所を過ぎると乗客の希望する地点で降りることができます。「いろは館」に行かれる方は、運転手さんに「いろは館で降ります」と伝えておくと、いろは館の前で降ろしてもらえます。

湯涌温泉観光協会の『いろは館』

金沢の郊外の観光スポット