Kanazawa Citizen’s Art Center
(Suburbs vol.4

金沢駅から徒歩15分の赤煉瓦と緑のオアシス

金沢観光の途中には、「人の少ないところで少しゆっくりしたいな」とか、「無料で休憩できるところはないのかな」と思われる方もいらっしゃることでしょう。

そのような方にはお薦めの休憩施設があります。それが犀川沿いの広大な敷地に整備されている金沢市民芸術村です。

金沢市民芸術村は、大和紡績という金沢でも有数の規模を誇った紡績会社の跡地に整備された施設で、大和紡績が操業を停止した後の1993年12月に金沢市が敷地を買い取りました

当初は公園として整備を進めていましたが、取り壊し工事を視察した当時の金沢市長が、赤煉瓦の建物の魅力をなんとか後世に残したいと考え、改めて有効活用策を検討したところ、音楽や演劇などの練習場とするアイデアが出たものです。

そして、1996年に「金沢市民芸術村」としてオープンしました。

紡績工場跡地が芸術の拠点に

JRの線路沿いに続くアンティークな赤煉瓦の建物が芸術村の施設で、建物の前には水辺が設けられています。晴れた日には水辺に赤煉瓦の建物が写り込んで最高の撮影ポイントです。

赤煉瓦の建物に沿って歩いていくと、「PIT2」や「PIT4」と番号が振られた鉄の扉が見られます。「PIT」は1から5まであり、それぞれマルチ工房、ドラマ工房、ミュージック工房、アート工房として音楽や演劇などの練習場となっています。

「PIT5」アート工房

ピットの中心に位置する「PIT3」は、外壁が朱色に塗られたオープンスペースです。開け放たれた入口から中に入ると客席が設けられており、練習で疲れた人たちや散歩で訪れた人たちが客席に腰かけて談笑している姿が見られます。

時間を気にせずに佇んでいる様子は、時がゆっくりと流れていく金沢らしい “ほのぼの” とした光景です。

金沢市民芸術村には有名な何かがあるわけではありませんが、金沢で芸術に親しんでいる人たちの息吹きを感じてもらえればと思います。

「PIT3」オープンスペース

週末の緑の芝生は市民の憩いの場です

紡績工場の多くの部分は大和町広場と名付けられた緑地になっています。広大な敷地には「憩いの広場」と「芝生広場」が設けられ、週末には多くの親子連れで賑わっています。

広場では、パフォーミングスクエアと名付けられた大規模な練習室が新設された他、古い農家を移築した「里山の家」は市民の交流の場となっています。

大和町広場。正面の建物がパフォーミングスクエア

少し歩き疲れたかなという方は、カフェ&レストランの「れんが亭」で一休みされるのもお奨めです。

金沢の観光名所のカフェではホットコーヒー=500円が普通になっていますが、れんが亭ではコーヒーが400円です。また、ランチタイムやディナータイムもありますので、お食事タイムを過ごされるのもいいでしょう。

カフェ&レストラン「れんが亭」

さて、金沢市民芸術村は金沢駅とは直線の一本道で繋がっています。鼓門の反対側の西口を出て左手に行き、アパホテル脇の線路沿いの細い道を1kmほど行くと到着します。時間にして15分ほどの所要時間です。

長町武家屋敷跡からですと中央通りを1km少々、15分ほどの距離です。少し遠回りになりますが、爽快な気分になりたい方は、信号の少ない犀川沿いの歩道を歩かれるのもお奨めです。

また、他の観光名所では、にし茶屋街からも20分少々で到着します。にし茶屋街と芸術村との間には室生犀星記念館があります。

赤煉瓦と水辺のコントラスト

金沢の風情ある建物を守る金沢職人大学校

金沢市民芸術村には金沢職人大学校が併設されています。

工芸王国を自認している金沢では、伝統技術を後世に残していくための教育機関が設けられています。その代表的な機関が、卯辰山工芸工房と金沢職人大学校です。

卯辰山工芸工房が陶芸、漆芸、染、金工、ガラスなどの工芸作家を養成しているのに対して、金沢職人大学校は、市内に残る伝統的建造物の修復や、現代風の建物を昔の外観へと戻す修景を行なう職人を育成している学校です。

石工科、瓦科、左官科、造園科、大工科、畳科、建具科、板金科、表具科の9つの学科に、定員50名という少数精鋭で3年間の訓練を受けます。

学費は無料で、それぞれの業種で基本的技能を習得している人の中から、各業種組合の推薦を受けた人だけが入学することができます。

金沢職人大学校では長町武家屋敷跡に「長町研修塾」を設けており、その施設の修景を職人大学校に学ぶ職人さんが担当しました。

金沢職人大学校

金沢の郊外の観光スポット