百間堀-金沢城と兼六園の境界にあたる緑の散歩道

金沢のお散歩コース#1

カメラが趣味という方にぜひお薦めしたい散歩道が百間堀です。一般的な観光ルートから外れていることで人通りが少ないことから、ゆっくりと、じっくりとインスタ映えスポットを探しながら撮影を楽しむことができます。

百間堀という名前からも分かるとおり、この道はかつて金沢城のお堀でした。

藩政期の金沢城には4つのお堀がありました。唯一埋め立てられなかった大手堀、彫刻が置かれ無料の屋外美術館のような白鳥路、2010年に復元されたいもり堀。そして、1911年に埋め立てられた百間堀は市内有数の幹線道路として名を残しています。

かつてのお堀は幹線道路に



約500mの緑の散歩道

百間堀は金沢城公園と兼六園の間を通っている道で、兼六園の真弓坂口に近い広坂北交差点と、兼六園の桂坂口に近い兼六園下交差点を結んでいます。ちなみに、真弓坂口は金沢21世紀美術館の斜め前にある入口です。

約500mの緑の散歩道には緩やかな勾配があることから、予備知識なしで歩かれる方は、ここがお堀だったとは気付かないかもしれませんね。

百間堀は緑の散歩道

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百間堀のシンボルは石川門と石川橋

このページでは、21美・真弓坂口方面から兼六園下方面に向かってご案内しましょう。

進行方向の左手には金沢城の城壁が続きます。いもり堀から百間堀に入る地点は、金沢城で最も標高の高い辰巳櫓跡の石垣にあたります。そして、歩道には桜並木が整備され、真夏の暑い日には日差しを遮ってくれます。

緩やかな上り坂を進むと、左手に石川門が見えてきます。私は個人的に、百間堀から見上げる石川門が一番好きです。特に晴れた日には、白門と称される石川門の白壁と青空のコントラストが絶好の被写体となります。

石川門と青空のコントラストは最高の景観

さらに歩いて行くと前方にコンクリート造りの橋が見えてきます。その橋が石川橋です。

加賀藩主の前田の殿様が金沢城から兼六園へと向かう際に渡った橋で、藩政期には石川橋で水がせき止められていました。ちなみに、現在の石川門は正門のような賑わいですが、かつては金沢城の搦手門(裏門)でした。

百間堀が埋め立てられたのは1911年(明治44年)のことです。金沢の街に自動車が走りはじめ、人力車の台数も増えてきたことで、市内の南北を結ぶ道路が必要になったのです。

石川橋の下が貫通したのは明治44年

百間堀は桜の名所

金沢では街の中心に金沢城と兼六園があり、市内の南側と北側を行き来する際には、グルリと遠回りをしなければなりませんでした。金沢城と兼六園の間にある百間堀を道路にすれば交通が格段に向上すると考えたのは、当然のことだったでしょう。

道路とすることで、水をせき止めていた土橋に代わって、橋の下をくりぬいた、当時はモダンな鉄筋コンクリート造りの橋が新たに建設されました。

その後、築80年以上が経過し耐久性に不安が出てきたことから、1995年(平成7年)に明治時代のデザインを踏襲した新しい橋に架け替えられ現在に至っています。

余談ですが、現在の百間堀は金沢でも有数の桜の名所です。金沢は松の木が主役のようなところがあり、弘前城や上野公園のような一面ピンク色という桜の名所はないのですが、百間堀の桜はなかなかの見ごたえです。

桜の季節にお越しになる方は、ぜひ百間堀を歩いてみてください。

百間堀は金沢で有数のお花見スポットです

百間堀の周辺スポット

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百間堀の終わりは前田利家像

石川橋をくぐり兼六園下交差点の手前まで来たところで百間堀が終わります。そして、百間堀から左手に行くと白鳥路と呼ばれる緑の遊歩道へと入って行きます。

百間堀から白鳥路に入るところには前田利家像が置かれています。金沢の人でも、そんなところに利家の像があったかな?という人が結構いるほど、目立たないところにひっそりと立っています。

前田利家公像

21美方面から歩くのがお奨めです

百間堀は21美方面から兼六園下に向かって歩く方がお奨めです。理由は以下の2つです。

まず、百間堀のメインである石川門と石川橋が兼六園下交差点の近くに位置していることから、最初は遠くに見える石川門と石川橋が歩を進めるにつれて大きくなってきます。このことから、加賀百万石の面影をより満喫できるかと思います。

また、この道は南北に走る道で、兼六園下が北側、21美が南側に位置しています。晴天の日に北から南の方角を見ると、南側の空が太陽の関係で白っぽく見えます。逆に南から北へは、澄み切った青空に向かって歩くことになります。

もうひとつ。私が県外の方をご案内するとすれば、おそらく進行方向の左側を歩くと思います。どうぞ参考にしてください。

人通りが少なく絶好の散歩道です

百間堀の周辺スポット

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バス移動では北陸鉄道バスの「1日フリー乗車券」をお買い求めください。料金は800円です。路線バスの210円区間と金沢周遊バスを購入日に何度でも利用できます。ほとんどの観光名所がカバーできます。

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金沢駅は観光名所が集まる中心部から少し離れています。1泊の場合は駅チカの方が安心できるかと思いますが、2泊以上の場合は香林坊、片町、武蔵ヶ辻などの繁華街に宿泊する方が圧倒的に便利です。

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金沢観光ガイド 南 武志

観光客の方が「ひがし茶屋街」の最寄りのバス停に並ばれているのを見て、兼六園も近江町市場も歩いて10分なのに…と思ったことが、このサイトをはじめたキッカケでした。 金沢の街は歩いて回れます。自分だけの観光プランで城下町・金沢を満喫してください。

2020年5月9日