金沢のお散歩コース#11
金沢は地方都市にしては美術館や記念館が多い街です。中でも、兼六園に隣接する「本多の森」と呼ばれる緑のオアシスは金沢の文化エリアで、石川県立美術館、国立工芸館、いしかわ赤レンガミュージアムが並んでいます。
そして、高台に位置する本多の森から平地に下ると、金沢21世紀美術館をはじめ、金沢能楽美術館、金沢ふるさと偉人館、金沢市立中村記念美術館、鈴木大拙館があります。
加賀百万石の城下町の風情を楽しまれた後は、金沢の現代文化に触れてみるのもお薦めです。
藩政期に武士が通った石段坂
上記のミュージアムの中の、石川県立美術館、金沢市立中村記念美術館、鈴木大拙館の間の距離を、大通りに沿ってグーグルマップで測定すると、県立美術館と中村記念美術館は約600m、中村記念美術館と鈴木大拙館は約500mです。
これらの3つのミュージアムは、「美術の小径・緑の小径」と名付けられた緑の散策路で結ばれています。
そして、この散策路を利用すると県立美術館と中村記念美術館は100m少々、中村記念美術館と鈴木大拙館は170mほどと大幅に短縮されます。金沢の中心街にある自然の散策路は、人通りも少なく絶好のお散歩コースです。

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県立美術館~中村記念美術館は「美術の小径」
小立野台地の先端にある県立美術館と、平地にある中村記念美術館を結ぶ散策路が「美術の小径」です。
県立美術館の1階にある、パティシエの辻口博啓氏プロデュースの人気カフェ『ル ミュゼ ドゥ アッシュKANAZAWA』の裏手から、平地に向かって石段坂が始まります。
階段の横には辰巳用水から引かれた水が滝のような急流になって流れ、緑の木々に囲まれた閑静な環境の中に、流れ落ちる水の音が響いています。
この急流の下には、「本多公園マイクロ水力発電設備」と名付けられた小さな水力発電所があります。これは金沢市内を流れる用水の水を自然再生エネルギーへと転用しようという試みで設置されているものです。

水力発電設備を過ぎるとなだらかな傾斜となり本多公園に出ます。本多公園には中村記念美術館をはじめ旧中村邸や茶室・耕雲庵が置かれています。なお、美術の小径は水力発電設備のところで「歴史の小径」に枝分かれしています。

石段坂になっている「美術の小径」については、体力的には上るよりも下る方が楽なのですが、上って行く方が石段の先に何があるのだろうという期待感を感じます。
美術の小径は、目的地によっては近道になる場合があります。特に、にし茶屋街や寺町寺院群へ行かれる方にとっては、かなり時間が短縮される近道です。

美術の小径の周辺スポット
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中村記念美術館と鈴木大拙館を結ぶ「緑の小径」
中村記念美術館から鈴木大拙館へ行かれる方は「緑の小径」を利用されるといいでしょう。
美術館に隣接する庭園から茶室・耕雲庵へ向かう途中に緑の小径の案内が出ており、「鈴木大拙館への連絡路」と記されていますので、迷うことはないと思います。
耕雲庵の脇の通路を進んでいくと、金沢の中心地とは思えないほどの自然が残されています。緑地に設けられた遊歩道というよりも、林に設けられた散策路といった方がピッタリきます。

緑の小径は、中村記念美術館の近くでは木製の通路が整備されているのですが、鈴木大拙館に近づくにつれて、足元の道が少しずつ自然の状態となり歩きにくくなっていることに気付かれることでしょう。
また、本当にこの道を行っていいのだろうかと不安に思われるかもしれません。
そして、雑木林に入って行くのかなと思ったあたりでグレーの壁が顔をのぞかせます。そこが鈴木大拙館の裏口です。
鈴木大拙館は不必要な装飾をできる限り排除し、“無” に近い状態を演出している記念館です。そのようなコンセプトからか、緑の小径から平地にある敷地に到達するまでには、足元の不安定な急坂を下りていくことになります。

グレーの壁の脇から敷地に入ると、壁の隙間から鈴木大拙館のシンボルとなっている「水鏡の庭」が現れます。水鏡の庭は無料で見ることができますので、お時間のない方は、水鏡の庭だけをカメラに収めて次の目的地に向かわれるのもいいでしょう。
また、水鏡の庭の先には松風閣庭園への連絡口があります。松風閣は兼六園作庭のお手本となった庭園ですので、少しだけ寄り道するのもお奨めです。

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美術の小径の周辺スポット
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