金沢のお散歩コース#5
私の故郷・金沢は、気の向くままに歩いていると興味深いスポットに出会える街です。金沢城公園の黒門からすぐ近くにある黒門前緑地もそのひとつです。
1995年(平成7年)まで金沢地方検察庁の検事正官舎だった建物を金沢市が譲り受け、近代和風建築の旧官舎と土塀を保存しています。
敷地内には、金沢市出身で、アドレナリンやタカジアスターゼで知られる世界的科学者・高峰譲吉博士の旧家屋を移築し、公園として一般開放しています。
石川県外ではほとんど知られていませんが、高峰譲吉は金沢の小学生が授業で教わる郷土の偉人の一人です。黒門前緑地に移築されたのは書斎と茶室に利用された離れにあたる部分で、お部屋の中も撮影することができます。
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ちょっとしたお立ち寄りスポット
旧検事正官舎も無料で入場できます。
床の間のある和室からは日本庭園を眺めることができます。洋館の部分は事務室となっており、室内に置かれているアンティークなソファや家具から、検事正という役職が地元の名士であることが伺えます。
黒門前緑地は観光パンフレットにも掲載されていない小さな緑地ですが、黒門から退城する方が必ず目にする場所にあることから、「とりあえず入ってみようか」という感じで多くの人が敷地内に入って行きます。
旧いものを保存していこうという金沢の文化を感じていただける緑地です。
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金沢城には白門と黒門があります
金沢城公園の門の中で、兼六園と直結している石川門には「白門」という通称が付いています。そして、江戸時代に西丁口門と呼ばれていた門が、明治以降に「黒門」と言われるようになりました。
金沢城には色のついた門が2つありますが、実は加賀藩ゆかりの門の中に色のついた門がもう一つあります。
それは東京大学の赤門です。東大がある東京都文京区は加賀藩の上屋敷が置かれていたエリアで、赤門は13代加賀藩主の前田斉泰が、11代将軍・徳川家斉の第21女の溶姫を迎える際に建造されたものです。
黒門前緑地の周辺スポット
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ここは前田利家公の四女・豪姫の住居遺址
黒門前緑地のあたりには、初代藩主・前田利家の四女である豪姫が暮らしていたと言われています。
「豪姫住居遺址」と記されている案内板には、豪姫がこの場所で暮らしていたと断言はしておらず「この辺りで居住したと文献は伝えている」と記すに留まっています。
時代に翻弄された豪姫
NHKの大河ドラマ『利家とまつ』を契機として、利家の妻の「おまつの方」や娘の「豪姫」にもスポットが当たるようになりましたが、ここで豪姫について簡単にご紹介しましょう。
前田利家と羽柴秀吉(後の豊臣秀吉)は、若い頃からご近所さんとして家族ぐるみの付き合いがありました。
秀吉夫妻に子供がなく、秀吉から次に生まれてくる子供を欲しいと頼まれていた利家とまつは、次に誕生した四女を秀吉とねね夫婦の養女としました。ねねは豪姫を実の子のように可愛がったと伝えられています。
豪姫は養女であることを知らされずに成長し、岡山城主・宇喜多秀家に嫁ぎます。
おまつの方を看取った豪姫
私が以前に読んだ、おまつの方が登場する小説には、婚礼で正座をして見つめていたおまつの方を、豪姫が冷ややかに見下ろしながら通り過ぎていったと記されていました。
その後、関ケ原の戦いで豊臣方が敗れ夫の秀家が流罪となります。夫と別離した豪姫に対して、育ての親であるねねが、本当の母親がおまつの方であることをと申し伝えたことで、豪姫は金沢で暮らすこととなりました。
おまつの方にとっては、豪姫は生まれてすぐに養女に出した子でしたが、最期は豪姫に看取られながらこの世を去りました。金沢ゆかりの人物が、次に大河ドラマの主人公となることがあるとすれば、私はその人物は豪姫だと思っています。
利用案内
黒門前緑地
くろもんまえりょくち
整備年 2001年(平成13年)
開館時間 午前9時~午後5時 ※入館無料
休館日 12月29日~1月3日
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黒門前緑地の周辺スポット
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素顔の金沢がある市民エリア
お散歩コース -19選-
金沢城のお堀は美しいお散歩コース
・百間堀-金沢城と兼六園の境界にあたる緑の散歩道
・白鳥路-金沢城に隣接する並木道は屋外美術館
・大手堀-江戸時代の金沢城の景観を残す桜並木
・いもり堀-金沢城公園で復元された第2のお堀
・黒門前緑地-通り抜けるミニ緑地は豪姫の住居跡
兼六園と21美の周辺は緑のオアシス
・いしかわ四高記念公園-赤レンガの校舎と木々の緑
・しいのき迎賓館-旧県庁の趣きを残す憩いの場
・アメリカ楓通り-金沢城公園と21美を結ぶ並木道
・広坂-中心街から緑のオアシスへの誘導路
・本多の森-緑のオアシスは森の都の文化エリア
・時が止まる散歩道「美術の小径」と「緑の小径」
文学にゆかりの散歩みち
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繁華街 -4選-
郊外のスポット -4選-
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主要な観光名所は8つ+金沢駅
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