2019年9月27日付の北國新聞に、誰でも自由に弾ける「まちかど思い出ピアノ」が、片町きらら広場に約1年ぶりに設置されたという記事が掲載されていました。金沢市が設置している「思い出ピアノ」につきましては、当サイトでも何度かご紹介してきました。
私のツイッターのアカウントにも、ピアノを趣味とされている方から設置場所の問い合わせが来るなど、関心を持たれている方が多いなという実感があり、アイデアとしては成功のようです。
思い出ピアノは市内の小中学校で長年使われてきたピアノが再利用されており、今回は金沢市立北鳴中学校で、1988年(昭和63年)から今年の7月まで使用されていたピアノが設置されました。
昭和から平成を経たピアノが、令和が始まった年に設置されるのもロマンチックですよね。
残念だった深夜のピアノ破壊事件
片町きららの初代のピアノは2017年10月に設置され、金沢の現代カルチャーのシンボルの1つとなりかかっていた昨年8月、ピアノの破壊事件が起こりました。
夜中に酔っぱらった男子大学生が、ピアノを弾こうとしたもののピアノの扉が開かないことに腹を立て、鍵盤の扉を破壊してしまったのです。
防犯カメラの映像から大学生が特定され、本人側から修理費用の全額を弁償するとの申し入れがありましたが、改めてピアノを調べた際に、ピアノ線が切れかかっていることが分かりました。
そして、このまま使い続けると、ピアノ線が切れて大けがをする危険性があること、さらに、ピアノ線の取り換えるには数十万円の費用がかかることから、やむを得ず撤去されました。
当時の地元紙には、金沢市の担当者の「一時的に撤去するだけ」というコメントが掲載されていましたが、その言葉どおり復活して良かったです。
片町きらら前の思い出ピアノは、午前10時から午後8時まで利用できます。また、前回のピアノが破壊されたことを受けて「防犯カメラ作動中」の文字が分かりやすくなりました。
なお、ピアノに装飾された金沢美術工芸大学の学生によるデザインでは、初代のピアノのデザインが踏襲されています。
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金沢の人たちも恥ずかしがらずに
2017年10月に、金沢駅と片町に設置された「思い出ピアノ」ですが、私の感覚では、金沢駅の地下にあるピアノの方が利用されているようです。
一方の「片町きらら広場」では、ピアノを弾く人をあまり見かけません。やはり恥ずかしいのかもしれませんね。人気スポットでピアノを弾くという、金沢人にとっては冒険とも言えるシチュエーションが、あたり前のこととなって欲しいものです。
別にクラシックを弾かなければいけないということはありません。歌謡曲でも、童謡でも良いじゃないですか。また、上手に弾かなければいけないということもありませんし、1曲まるまる弾かなければいけないということもありません。
私としては、できればクラシックだけではなく、ミュージカルナンバーや、J-POPなどの歌える楽曲が演奏されるようになれば良いなと思っています。
そして、ピアノを中心に通りすがりの人たちが集まり、見ず知らずの人同士が、ピアノに合わせて一緒に歌うようになり、即席のミニコンサートが随時見られるようになれば最高ですね。
片町きららの思い出ピアノが、街中に創出された、ひと時の出会いの場になってくれることを願っています。
さて、思い出ピアノが再設置された「片町きらら」は、金沢で一番のグルメタウンで、かつ金沢で唯一のナイトタウンでもある片町の中心に位置しています。
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