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ひがし茶屋街に新花・以とさん。東京都出身23歳

2023年1月26日

2023年1月25日付の北國新聞に、ひがし茶屋街で新人芸妓がデビューするという記事が掲載されていました。

今回、ひがし茶屋街のお茶屋・八の福 (はのふく)から新花としてお披露目されるのは、東京都目黒区出身の大藏奈々さん (23歳)です。源氏名は「以と (いと)」で、2月7日に金沢芸妓としてデビューします。



芸妓に興味を持ったのは中学時代

金沢おどりの舞台に憧れているという以とさんは「愛される芸妓になりたい」と日々修行に励んでいます。以とさんは中学の頃、ドキュメンタリー番組で見た京都の花街の特集に興味を抱き、全国に花街が残っていることを知りました。

知人を通じて金沢の「八の福」を紹介され、女将の福太郎さんの勧めで一昨年の金沢おどりを鑑賞し、粋な舞台に心を奪われたそうです。

八の福はひがしのメインストリートに

稽古にいそしむ日々

大学卒業後に金沢に移り住み、昨年9月に修業を開始。日本舞踊、長唄、茶道を稽古にいそしんでいます。昨年の金沢おどりは稽古から見学し、芸に打ち込む芸妓衆の姿を間近に見て、尊敬と憧れの気持ちが強くなりました。

以とさんは、北國新聞の取材に対し「初めてのことばかりで緊張の連続だが、長く続けていきたい」と語っていました。また、女将の福太郎さんは「お稽古事が好きでまじめに取り組んでいる。明るく素直に成長してほしい」と期待を込めていました。

金沢おどりの会場は石川県立音楽堂

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お茶屋には大卒の先輩も

芸妓として所属する八の福には、以とさんと同じく大学卒の芸妓さんがいます。金沢大学卒業の佳丸 (よしまる)さんです。6年ほど前の北國新聞で、佳丸さんが地元の大学生に自身の体験を語ったという記事を目にしたことがあります。

当時の記事によると、なかなか内定がもらえなかった大学4年生の就職活動時に、アルバイト先の酒販店の店主の勧めで芸妓を志したとのこと。大学卒の以とさんにとっては心強い先輩かもしれませんね。

ちなみに、ひがしのお隣の主計町茶屋街には金沢美術工芸大学卒業の桃太郎さんがいます。佳丸さんも桃太郎さんもコロナ禍を乗り越えて頑張っています。

佳丸さんは金沢大学から芸妓の世界へ

東京よりも不便でも頑張って

今回お披露目される以とさんは東京のご出身です。東京にも、新橋や赤坂や向島といった花街があって、以とさんが中学時代に憧れた京都には7つの茶屋街があります。その中で金沢を選んでくれたことに感謝です。

私は以とさんとは逆に、金沢で生まれ育って東京に出ていきました。地方都市から大都会・東京に出ていく者は、私もそうでしたが、大都会の息吹に気分が高揚し、日本の流行の最先端にいることに喜びを感じます。

日本一の大都会から地方都市の金沢に移住すると、山手線や地下鉄もなく、ファストフードやブランドショップが少ないなど不便なことも多いかと思いますが、ぜひ頑張ってもらいたいものです。

この景観が以とさんの職場になります

金沢は都市型テーマパーク!

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コロナ収束とともに新花ラッシュ

新型コロナが収束に向かう中、金沢の花柳界では再び新花ラッシュとなりそうな気配です。昨年の7月に主計町茶屋街の「まゆ月」から寿珠さんが、11月にひがし茶屋街の「八しげ」から美紅さんがお座敷にデビューしました。

これまでにも当サイトで書いてきましたが、残念ながら、新幹線の開業以降のお披露目された新花さんの多くが短い年月で芸妓を辞めてしまいました。一大決心をして故郷から金沢へ移住したはずなのに、企業で言う早期退職が続いています。

芸妓という職業への夢や憧れと、お座敷での接客という現実の狭間で、多くの若い女性が茶屋街を離れていったのかもしれません。

金沢おどりの華やかさと現実の狭間に

金沢芸妓の公式サイトに顔写真を

金沢市では「金沢芸妓」の公式ホームページを開設しています。HPには、金沢が誇る三茶屋街のお茶屋と、所属する芸妓さんの名前と顔写真が掲載されているのですが、前述の寿珠さんと美紅さんについては、現在も顔写真が掲載されていません。

一日も早く、既にお披露目されている2人の顔写真を掲載すべきです。本来なら、お披露目日に合わせて顔写真と名前を掲載するのが筋でしょう。以とさんの顔写真も、お披露目日の2月7日に合わせて準備しておくべきです。

金沢芸妓公式ホームページ

芸を売る上町なら商慣行を変えられるはず

江戸時代から昭和初期にかけて、金沢の茶屋街は芸を売る上町と身体を売る下町に分けられていました。ひがし、にし、主計町の三茶屋街は芸を売る上町でした。

芸を売ることが金沢芸妓の本質なのであれば、古くから続く茶屋街の商慣行も変えられるのではないでしょうか。今こそ、一見さんお断りの営業方針を改め、地元のOLさんや旅行客が気軽にお座敷を楽しめる環境を創出すべきだと私は考えます。

金沢観光のツートップの一角・ひがし茶屋街

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主要な観光名所は8つ+金沢駅

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金沢で主要な観光名所は1日で回れます。なぜなら、人気スポットが東京ディズニーランドと同じくらいのエリアに集っているからです。とりあえず見た!という感じでよろしければ、1日あれば充分です。

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金沢では、1周約4.3kmの百万石通りが観光エリアです。金沢城公園~兼六園~21世紀美術館は隣接し、ひがし茶屋街と主計町は隣町です。近江町市場や長町武家屋敷跡へもご近所へ行くような感覚です。

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バス移動では北陸鉄道バスの「1日フリー乗車券」をお買い求めください。料金は800円です。路線バスの210円区間と金沢周遊バスを購入日に何度でも利用できます。ほとんどの観光名所がカバーできます。

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金沢駅は観光名所が集まる中心部から少し離れています。1泊の場合は駅チカの方が安心できるかと思いますが、2泊以上の場合は香林坊、片町、武蔵ヶ辻などの繁華街に宿泊する方が圧倒的に便利です。

こちらは金沢観光サイトです
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金沢観光ガイド 南 武志

観光客の方が「ひがし茶屋街」の最寄りのバス停に並ばれているのを見て、兼六園も近江町市場も歩いて10分なのに…と思ったことが、このサイトをはじめたキッカケでした。 金沢の街は歩いて回れます。自分だけの観光プランで城下町・金沢を満喫してください。

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