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Higashi-Chayagai*2
(Shima)

ひがし茶屋街は最高の格式を誇る茶屋街でした

兼六園とともに金沢を代表する観光名所となった「ひがし茶屋街」は、かつては財力のある名士と呼ばれる人だけが入ることの許された花街でした。

ひがし茶屋街が加賀藩から公許されたのは1820年(文政3年)のことです。芸妓とのお座敷遊びの場として浅野川流域に点在していたお茶屋が1カ所に集められ、その周囲に塀を巡らして廓(くるわ)とし『東の廓』と呼ばれるようになりました。

『東の廓』は一番丁、二番丁、三番丁に町割りされ直線道路が敷かれました。

城下町の金沢では袋小路をはじめとする曲がりくねった道が多く、直線道路がほとんどなかったことを考えると、『東の廓』が藩政期のある時期に新たに作られた街であったことが伺えます。

茶屋街が公許されたことを契機として、金沢の花街は芸妓が主体の上町と娼妓が主体の下町に区分けされましたが、『東の廓』は上町に位置付けられ最高の格式を誇ることになります。

21世紀の今日に、かつての『東の廓』が金沢で一、二を争う人気観光地となったことは、歴史の必然なのかもしれません。

床の間を背にして座るとこのような雰囲気です

ふすまの向こう側が芸妓さんのステージです

全国で2例だけの茶屋建築の重要文化財

ひがし茶屋街には、1820年の茶屋街の発足と同時に建てられた木造建築が数多く残っています。その中でもメインストリートの二番丁にある『志摩』は国の重要文化財に指定されています。茶屋建築での重要文化財は、京都・島原の「角屋」とともに全国で2例だけです。

この建物は今はお茶屋としての営業はしておらず、記念館のような位置付けで一般公開されています。

玄関を入り、靴を脱いで板の間に上がるとバッグなどの荷物をロッカーに預けます。これは往時の雰囲気を再現するための色々な小物が床の間などに置かれているためです。

ちなみに建物内での写真撮影は許可されていますが、1眼レフのような大きなカメラでの撮影は禁止されています。スマホかコンパクトカメラでしたらokです。

お茶屋ではお客様はすぐに2階に通されます

玄関を入るとすぐ目の前に階段があり、2階には旦那衆が芸妓さんとのお座敷遊びを楽しんだ客間が往時の雰囲気で残されています。

床の間には掛け軸や工芸品が置かれ、欄間には書跡の額縁が飾られている他、雪洞(ぼんぼり)、行燈(あんどん)、提灯(ちょうちん)などの和風の照明が華やかさを演出しています。

説明版によると、茶屋建築と町家建築との大きな違いは、茶屋建築では間仕切りの壁がなく障子と襖のみでお部屋を仕切っていることです。別の見方をすれば、障子と襖を取り外せば有力な後援者が催す大宴会にも対応できるわけです。

大規模な宴席では襖が取り払われました

お客が床の間を背にして座ると前方に襖があり、襖の向こうが芸妓さんの「ひかえの間」となります。そして、ぼんぼりに挟まれた襖が開くと芸妓さんの踊りと演奏が始まります。

「ひかえの間」には金屏風をバックに太鼓や鼓が置かれていますので、旦那衆になったつもりで、床の間を背にして畳の上に座ってみるのもいいでしょう。

この他にも、一人でこっそりと贔屓の芸妓さんに会いにくるお客用に、「はなれ」と呼ばれる小さな客間が用意されているのも興味深いところです。

縁側から眺める「はなれ」

縁側から眺める「はなれ」

お茶屋の裏側を見ることができる1階フロア

北陸新幹線の開業以降、金沢では欧米からの観光客が目立って増えています。志摩の館内を見学していると、大げさではなく、日本人よりも白人の観光客の方が多いのではないかと感じます。

1階へは裏階段から降りていくことになりますが、傾斜が急なことに驚かれることでしょう。『東の廓』の全盛期には、この急傾斜の階段を芸妓さんたちが昇り降りしていました。

志摩が建てられた1820年(文政3年)当時の日本人は、今よりも平均身長が遥かに低く、小柄な体型に合わせて設計されていることから、裏階段には「頭上注意 -Mind Your Head-」と大きく注意書きされています。

体格の大きな欧米からの方は、皆一様に、窮屈そうに恐る恐る降りていきます。

急傾斜の裏階段には「頭上注意」の貼り紙が

1階には食品を保存する石室や台所があります。お茶屋では大掛かりな料理は高級料亭からの仕出しとなり、台所では簡単な調理のみが行われていました。

台所では簡単な調理のみがなされていました

台所は1階の奥に

台所の先には寒村庵と名付けられたカフェが設けられています。抹茶と和菓子のセットで700円というのは少し高いかなと思いますが、カウンター席から中庭を眺めながらゆっくりと寛ぐことができます。

和菓子は「かいしき」と呼ばれる紙の上に置かれお盆に載せて運ばれてくるのですが、お盆から「かいしき」を持ち上げてお客様の前に置く仕草には、お茶屋ならではの趣きを感じます。

入館料は一般が500円、小中学生が300円です。開館時間は午前9時から午後6時までで年中無休です。建物内での写真撮影はokですが大きなカメラは禁止となっています。

抹茶と和菓子のセットが楽しめる茶室『寒村庵』

ひがし茶屋街への行き方

志摩ホームページ



ひがし茶屋街周辺にある「観光してみたいかも」スポット

徳田秋聲記念館 | 金沢市立安江金箔工芸館 | 主計町茶屋街 | 泉鏡花記念館 | 金沢蓄音器館 | 金沢文芸館


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