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Kanazawa-Noh-Museum
(Museum vol.8

金沢は能楽文化が受け継がれてきた街です

市内で一番の繁華街である香林坊兼六園を結ぶ百万石通り沿いに、金沢に伝わる伝統芸能の美術館があります。それが金沢能楽美術館です。

室町時代から続く、日本の伝統芸能のミュージアムとは思えないような現代的なガラス張りの外観が特徴で、金沢21世紀美術館に隣接していますのですぐに分かるかと思います。

金沢は江戸時代から能楽が盛んな街でした。その昔、屋根職人や植木職人が作業をしながら謡(うたい)を口ずさんでいたことから、「金沢では空から謡が降ってくる」と言われたほどでした。

残念ながら現代では一般市民が能楽に触れる機会はほとんどなくなりましたが、私が子供の頃は、会話の流れの中で謡を口にするお年寄りがいたものです。

私が中学生の時には、授業の一環として一学年全員で石川県立能楽堂へ団体鑑賞に行きました。学校の先生からは、演舞中はしゃべったり笑ったりしてはいけないときつく言われたことを憶えています。

さて、金沢における能楽文化は、初代加賀藩主の前田利家が能楽を保護したことがはじまりです。

金沢の能楽は加賀宝生と呼ばれていますが、これは能楽の5つの流派である金春流、金剛流、宝生流、観世流、喜多流の中で、5代藩主の前田綱紀が宝生流を採用したことから、加賀宝生と呼ばれるようになりました。

私はつい最近まで能と歌舞伎の違いが分かりませんでしたが、武士階級に支援されてきたのが能で、能に触れることのなかった庶民の間で広まったのが歌舞伎です。

このことは欧州の王室や上流階級でオペラが広まり、米国の市民生活にミュージカルが溶け込んでいったことと似ています。

演能は江戸時代には武士の嗜みのひとつでしたが、加賀藩主の前田家は庶民にも能楽を奨励したことから、市民の間でも能楽文化が根付いていきました。

能舞台をイメージした4本の柱

能舞台をイメージした4本の柱

伝統芸能を体感する能装束・能面の試装

金沢能楽美術館の1階のフロアは能舞台をイメージしてレイアウトされています。

館内の4本の柱を能舞台のシテ柱、目付柱、ワキ柱、笛柱に見立てて、それぞれの柱の意味を説明してある他、舞台奥の鏡板に見立てたスクリーンには舞台の模様が映し出されています。

また、能装束や能面を体験試装することができます。説明係の方がフレンドリーに試装を勧めてくれますので、多少でもお時間に余裕のある方は試装してみることをお勧めします。

お面を着けると視野がものすごく狭くなりますが、このことを体感すると、舞いを披露する上で舞台に立つ4本の柱の必要性を理解できることでしょう。

装束やお面の試装に関しては、日本人よりも外国人の方が興味を持って身に着けているように見えます。

外国人の奥様がお面を被ってゆっくりと歩く様子を、旦那さんがカメラで撮影している光景は微笑ましい限りです。説明係のカタコトの英語でも身振り手振りで意思が伝わっているのを見ると、文化に国境はないようです。

館内の説明文には英語も

館内の説明文には英語も

2階の展示室では、加賀宝生に伝わる能装束や能面が展示されている他、金沢の能楽文化の歴史をパネルで説明しています。

また、館内では3階へも上がることができます。金沢能楽美術館は「加賀宝生子ども塾」と「加賀素囃子子ども塾」の活動拠点となっており、3階の研修室が稽古場となっています。

稽古場に入ることはできませんが、伝統芸能が子供たちに受け継がれていく雰囲気を感じるのもいいでしょう。

このスペースでは能装束の試装ができます

このスペースでは能装束の試装ができます

金沢21世紀美術館との共通券もあります

金沢能楽美術館の観覧料は一般・大学生が300円、65歳以上が200円で高校生以下は無料です。隣接している金沢21世紀美術館との共通券も用意されています。

開館時間は午前10時から午後6時(入館は午後5時30分)までで、月曜日と年末年始が休館日となります(月曜日が祝日の場合は次の平日が休館日です)。

なお、写真撮影については2階の展示室と3階の研修室は撮影不可となっていますが、1階については撮影可能です。

金沢能楽美術館の隣には「金沢・クラフト広坂」という金沢の伝統工芸品を扱うお店があります。

「加賀てまり」「加賀繍(かがぬい)」「加賀水引細工」などの工芸品が販売されていますので、能楽美術館の後に立ち寄られるのもお勧めです。

スクリーンには能舞台が映し出されています

スクリーンには能舞台が映し出されています

金沢能楽美術館ホームページ


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