兼六園-topics-

金沢は豪雨で濁り水も、兼六園だけは透明な水です

2022年8月9日

8月4日(木)に金沢市では集中豪雨に見舞われました。幸い、中心部の観光エリアは大きな被害を免れたものの、7日(日)の時点では、市内を流れる河川や用水にはまだ濁り水が流れています。上流で土砂崩れが起こっているのかもしれませんね。

でも、兼六園の水辺だけは豪雨前と変わらず綺麗です。今日は、私も初めて知った兼六園の「名脇役」をご紹介しましょう。



城下町の用水には豪雨の濁り水

金沢市内には55本の用水が通っています。この中で中心部の観光エリアを流れているのは辰巳用水、鞍月用水、大野庄用水の3本です。

私が最初に濁り水に気付いたのは、ヨーロッパの雰囲気を漂わせるお洒落な商店街のせせらぎ通りを流れる鞍月用水です。そこで、鞍月用水を遡ってみました。せせらぎ通りから少し上流の柿木畠でも用水の水が濁っていました。

金沢21世紀美術館あたりで鞍月用水に合流する辰巳用水の分水も濁っており、さらに分水の上流に行くと、石川県立美術館と中村記念美術館を結ぶ「美術の小径」を流れ落ちる滝の水も濁っていました。

せせらぎ通りの鞍月用水
美術の小径を流れ落ちる滝も濁流です

辰巳用水の本流も黄土色

時間がありましたので、さらに上流の小立野通りにある辰巳用水の本流まで行ってみると、やはり濁った水が流れていました。

辰巳用水は、兼六園の小立野口のあたりで二手に分かれ、分流は兼六園へと流れ込んでいきます。そして、兼六園では曲水と呼ばれる小川を流れて霞ヶ池に注ぎ込まれ、霞ヶ池の下の瓢池を経由して再び市中へと出ていきます。

もしかして、兼六園の水も濁っているのかも?と思い、園内に入ってみました。

小立野通りを流れる辰巳用水の本流

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兼六園の水は透明さを保っています

兼六園へ入り、日本三名園に数えられる兼六園にも濁り水が流れていたら、金沢で一番の観光名所が台無しだと心配しながら花見橋に行ってみると、不思議なことに透明な水が流れていました。どこかで、泥水が透明な水に浄化されたわけです。

最初は、豪雨から3日が経っても濁流が収まらないほど今回の雨は凄かったんだと思いながら、街中の用水の流れを遡ったのですが、兼六園の水が綺麗なのを見て、別の興味が湧いてきました。どこで水が綺麗になっているのだろう?

兼六園の水は濁りなく綺麗です

山崎山の裏手にある沈砂池

辰巳用水の水が兼六園に入るあたりに行ってみました。園内マップでいうと山崎山と呼ばれる築山の裏手になります。そこで目にしたのは、濁り水と透明な水が同居している光景です。園外から流れ込んでくる濁流が、透明な水になって曲水へと出ていきました。

恥ずかしながら、私は兼六園の取水口に、濁った水を浄化する装置があることを知りませんでした。インターネットで調べてみると、これは「沈砂池 (ちんさち)」と呼ばれる装置なのだそうです。

装置と言っても大掛かりなものではなく、水を池に溜めることで、水に含まれている砂が自然と水底に沈み、透明になった水だけを園内に送り出しています。

沈砂池。濁り水が透明になって出ていきます

兼六園から市中へ出る水も綺麗

兼六園内の水は、瓢池から再び市中へと出ていきます。兼六園から出た水が最初に通るしいのき迎賓館の水路にも透明な水が流れていました。そして、いつもより多くのカラスが集まっていました。カラスも水が濁って困っていたのかもしれませんね。

気になるのは、沈砂池に溜まった土砂をどのように取り除くのかということですが、気にしないことにしましょう。

しいのき緑地の水路は透き通った水

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金城霊沢の湧き水も綺麗です

兼六園には、もう1か所、豪雨の影響を受けずに透明な水が見られるスポットがありました。それが、金沢の地名の由来となった金城霊沢 (きんじょうれいたく)です。

その昔、このあたりで砂金が採れたことから「金洗いの沢」と呼ばれ、それが縮まって金沢となりました。金城霊沢は13代藩主・前田斉泰が建てたモニュメントで、四季を問わず湧き水で満たされています。幸い、この湧き水も泥の影響を受けていません。

兼六園に隣接する金城霊沢

辰巳用水の濁り水を薄めます

湧き水は金城霊沢を出て辰巳用水の本流に注ぎ込まれます。一昨日に見た時には、濁った水に金城霊沢からの湧き水が合わさって、濁り具合が明らかに薄まっていました。

日本海側に位置する金沢は、冬は降雪で毎年悩まされますが、その一方で、夏に降雨災害を受けることは滅多ありません。また、金沢の夏も暑いとはいえ災害級の暑さになることもありません。今回の豪雨が十数年に一度のレアケースであることを願います。

金城霊沢の水が濁り水を薄めます

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金沢で主要な観光名所は1日で回れます。なぜなら、人気スポットが東京ディズニーランドと同じくらいのエリアに集っているからです。とりあえず見た!という感じでよろしければ、1日あれば充分です。

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金沢では、1周約4.3kmの百万石通りが観光エリアです。金沢城公園~兼六園~21世紀美術館は隣接し、ひがし茶屋街と主計町は隣町です。近江町市場や長町武家屋敷跡へもご近所へ行くような感覚です。

3

バス移動では北陸鉄道バスの「1日フリー乗車券」をお買い求めください。料金は800円です。路線バスの210円区間と金沢周遊バスを購入日に何度でも利用できます。ほとんどの観光名所がカバーできます。

4

金沢駅は観光名所が集まる中心部から少し離れています。1泊の場合は駅チカの方が安心できるかと思いますが、2泊以上の場合は香林坊、片町、武蔵ヶ辻などの繁華街に宿泊する方が圧倒的に便利です。

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金沢観光ガイド 南 武志

観光客の方が「ひがし茶屋街」の最寄りのバス停に並ばれているのを見て、兼六園も近江町市場も歩いて10分なのに…と思ったことが、このサイトをはじめたキッカケでした。 金沢の街は歩いて回れます。自分だけの観光プランで城下町・金沢を満喫してください。

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