金沢くらしの博物館
金沢の美術館・記念館 vol.9
(兼六園・金沢城公園・21美エリア)
人口46万人の城下町・金沢は、地方都市にしては美術館や記念館などのミュージアムが多い都市だと思います。金沢21世紀美術館に代表される大規模施設もあれば、金沢出身の偉人の記念館や金沢の歴史を紹介する博物館もあります。
市内にある多くのミュージアムの中で、金沢の人たちの “昔のくらし” を紹介しているミュージアムが「金沢くらしの博物館」です。
ここは旧制金沢第二中学校の旧校舎に整備された博物館で、1899年(明治32年)竣工の木造校舎を活用しています。建物の両翼と建物に設けられた3つの尖った屋根から、地元では「三尖塔校舎」と呼ばれ親しまれてきました。
その後、1978年(昭和53年)に金沢市民俗文化財展示館として開館。2007年(平成19年)に金沢くらしの博物館と改称し現在に至っています。
なお、三尖塔校舎は2017年に国の重要文化財に登録されました。

館内では、金沢の人たちの昔のくらしを「戦前のくらし」と「戦後のくらし」に分けて紹介しています。
「戦前のくらし」の展示室では、金沢仏壇が置かれた仏間と、紅殻(べんがら)に彩られた床の間が畳の上に再現されている他、市民から寄贈された生活用品や郷土玩具が展示されています。
また、展示室の壁には花嫁のれんが飾られています。

「戦後のくらし」の展示室では、昭和40年代頃の一般的な家庭の台所と居間が再現されており、畳の上にはテレビ、ちゃぶ台、茶箪笥、黒電話が置かれています。
余談ですが、金沢では “ちゃぶ台” のことを “飯台(はんだい)” と呼びます。

なお、2つの展示室の畳を敷かれたセットには上がることもでき、「靴を脱いでお上がり下さい」という説明書きが置かれています。

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金沢二中の卒業生には島田清次郎の名も
館内には旧制金沢二中についても紹介されており、主な卒業生の名前が紹介されています。その中には、大正時代の三大ベストセラーのひとつ『地上』の作者である島田清次郎の名前も見えます。
金沢二中は1948年(昭和23年)に廃校となりましたが、1963年(昭和38年)に金沢錦丘高校として引き継がれました。
ちなみに、直木賞作家の唯川恵さんと芥川賞作家の本谷有希子さんも金沢錦丘高校の卒業生です。この学校には有名作家を生み出す風土があるのかもしれませんね。

金沢くらしの博物館の入館料は、一般が310円、65歳以上が210円、高校生以下は無料です。開館時間は午前9時30分から午後5時(入館は午後4時30分まで)で、展示替えの期間と12月29日~1月3日は休館となります。
写真撮影は基本的にはokですが、説明パネルに「撮影禁止」のシールが張られている展示物については撮影不可となっています。
2016年10月にリニューアルオープンしたばかりということで、トイレがとても綺麗なことも特徴です。

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兼六園から徒歩5分の立地
金沢くらしの博物館は兼六園の小立野口から延びる小立野通りに面し、小立野口から徒歩5分少々のところに位置しています。
小立野通りは藩政期には加賀八家のひとつである奥村家の上屋敷があった場所です。アニメファンの方には、人気アニメの『花の慶次』に出てくる奥村助右衛門の屋敷と説明すればわかりやすいかもしれませんね。
兼六園からの道のりは旧奥村家の板塀からはじまります。
歩道と板塀の間には藩政期の初期に引かれた辰巳用水が流れ風情を醸し出しています。そして、板塀を過ぎて少し行くと左手に金沢くらしの博物館が見えてきます。
金沢くらしの博物館のある飛梅町(とびうめちょう)は、金沢市で旧町名が復活した14の町のひとつで、小立野通りには町名の石碑が建てられています。

かなざわくらしのはくぶつかん
住所:金沢市飛梅町3-31
TEL:076-222-5740
料金:一般 310円、65歳以上 210円、高校生以下 無料
時間:午前9時30分から午後5時(入館は4時30分まで)
休館:展示替え期間、年末年始
撮影:撮影禁止のシールのある展示物以外は展示室の撮影もOK
金沢くらしの博物館ホームページ
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