2025年12月5日付けの北國新聞に、今年、金沢港に入港したクルーズ船で金沢を訪れた方が、過去最多を記録したという記事が掲載されていました。
記事によると、2025年の金沢港へのクルーズ船の入港数は54本で、乗客数は79,815人に上ったとのこと。石川県では、寄港数が過去2番目に多く、乗客定員2,000人以上の大型船が全体の4割超となる23本を占めたことが要因と分析しています。
円安効果で欧米を中心としたインバウンドが増加し、クルーズ船での観光客における外国人の割合は5割を超えました。60本以上の入港が見込まれる来年も好調が期待できそうだとのことです。

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寄港数は過去2番目
北國新聞によると、これまでの最多は2019年の63,476人で大幅に更新しました。金沢港では2015年の北陸新幹線開業を契機にクルーズ船が増え、2019年まで右肩上がりで推移しました。
コロナ禍で寄港数が激減し、2020年はゼロに落ち込みましたが、その後は順調に回復。昨年は46本が寄港し61,035人が乗船しました。今年は2017年の55本に次ぎ過去2番目に多い54本が寄港しました。
3月から11月まで、外国の船会社を中心に大型船が訪れ、定員4,000人台は「MSCベリッシマ」など9本を数えました。乗客のうち、外国人は43,164人と全体の54%を占め、2015年以降では初めて5割を突破しました。

米国と豪州が大きな伸び
昨年の外国人比率が35%だったのに対し、円安を背景に今年は米国やオーストラリアの乗客が大きく伸びました。国別では、日本が36,651人で全体の46%を占め、米国=11,826人、オーストラリア=6,242人、韓国=4,211人、カナダ=3,862人と続きました。
ちなみに、中国本土の乗客は839人で全体の1%に留まり、香港からは1,845人が訪れました。
石川県によると、県では欧米の富裕層をターゲットに据えており、来年は乗客定員の少ないラグジュアリー船の比率が高まる見通しだそうです。
また、石川県は日本海側の寄港地としての定着を進めるべく、海外の見本市でのPRに力を入れる考えで、県港湾活用推進室の担当者は「乗客数を増やすだけではなく、石川県内に大きな経済波及効果を生み出したい」とコメントしていました。

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欧米の富裕層は“本当に良いもの”だけを買う
北陸新幹線の開業以降、色々なカテゴリーで新幹線効果が見られましたが、一見、新幹線とは関係ないように思えるクルーズ船においても新幹線効果が見られています。私は、これほどクルーズ船の入港数が増えるとは思いませんでした。
石川県が欧米の富裕層をターゲットとしていることに私も大賛成です。何しろ、欧米からクルーズ船で日本を訪れる方は基本的にはお金持ちです。100万円の工芸品でも高いとは思わないことでしょうから。
ただ、欧米の富裕層は本当に良いものしか買いません。本当に欲しいと思えば、どれほど高額なものでも購入することに躊躇はしませんが、日本人のように、中途半端に良いものをその場の雰囲気で買うことはありません。
私が感じた嬉しい驚きは、1本3万円から5万円もする和傘が欧米のお客様に売れているということでした。欧米の富裕層の心を開かせることができるかどうか、金沢のモノが良いのか良くないのか、職人の街・金沢の真価が試される時です。

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外国船では日本海側は不利
年間54本という金沢港へのクルーズ船の寄港数は、全国で見ると15位前後の数字です。私が確認できた2023年の実績では全国14位で、日本海側では最多の寄港数でした。
正直に申しますと、日本海側のちょうど中間に位置する金沢港は、ロケーション的にやはり不利です。
日本海側と太平洋側の境界にあたる博多港と函館港はトップ10に入っているのですが、そこから日本海側を巡るのか、太平洋側を巡るのかの二者択一なら、どうしても、広島港~神戸港・大阪港~富士山の見える清水港~横浜港・東京港を巡りますよね。
クルーズ船のセールスポイントは一筆書きで巡れることで、一度通った海路を戻るのは非効率ということを考えると、日本海側の都市がトップ10に入るのは難しいでしょうね。その意味では、現状の金沢港は大健闘といえます。

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