2025年12月19日付の北國新聞に、金沢を中心に藩政期から伝わる加賀料理が、正式に国の登録無形文化財になったという記事が掲載されていました。
文部科学省が18日の官報で、文化審議会の答申通り登録する旨を告示しました。石川県内での登録は初めてで、和食では「京料理」に次いで国内2例目となります。

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加賀料理は器も含めた総合芸術
加賀料理は代表的な料理に「治部煮 (じぶに)」や「鯛の唐蒸し」があります。記事によると、輪島塗、九谷焼などの伝統工芸品を器として使う特徴や、しつらえにまで心を尽くすもてなしの演出が「総合芸術」として評価されました。
文化審議会が10月に登録を答申し、このたびの正式登録となりました。なお、文化財の保護団体には加賀料理技術保存会 (大友佐俊会長) が認定されました。
石川県は2023年4月に食文化推進本部を設置し、登録への準備を進めてきました。登録を契機とした魅力のPRにも動き出しており、来年1月に記念フォーラムを開催するほか、旅行商品の造成や料理人育成に向けた講演会などを計画しています。

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加賀料理って?答えられません
私は石川県外からのお客様の観光ガイドをすることがありますが、お客様から「加賀料理ってどんなのですか?」と聞かれることがあります。恥ずかしながら、私は加賀料理はどんなものなのかを答えることができません。
おそらく、金沢市民の多くが加賀料理について説明できないのではないでしょうか。加賀料理には正式な定義はないとも言われています。要するに和食なのですが、派手というよりも、洗礼された盛り付けといった感じでしょうか。

観光客に知られてきた治部煮
近年は、観光客の方に治部煮というメニューが少しずつ知られるようになってきました。鴨肉もしくは鶏肉をメインに、すだれ麩と地元の野菜を煮込んだ料理で、出汁にトロミがついています。
ちなみに、料理名の由来について諸説あります。名前の由来がはっきりしないということから推測すると、元々は普通の家庭料理として食されていたようです。
ひとつ興味深いことがありまして、治部煮という料理は作る人によって味に大きな差が出ます。つまり、料理店で出される治部煮の中には、最高に美味しい治部煮もあれば、そんなに美味しくない治部煮も出てきます。
加賀料理の特長はやっぱり器かな
金沢の料亭では、他の都市では飾り物にするような高価なお皿にも平気で料理を盛ります。なぜなら、料理を盛ってこその“お皿”だからです。
同じ料理でも、器によって美味しそうに見える度合いが違ってきますよね。料理の色合いと、器の色合いがマッチすることで料理が完成するという考え方が、金沢は他の都市に比べて強いのかもしれません。

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京料理に次いで2例目
全国各地の料理で登録無形文化財になったのは加賀料理が2例目とのこと。北國新聞の記事にもあるとおり1例目は京料理です。
一点ものが大好きで、何事にも国内初という称号にこだわる金沢人としては、やっぱり京都が先か…という思いはありますが、致し方ないですかね。金沢は日本の歴史に登場して400年ですが、京都は1200年ですから。
似たような例をご紹介しますと、花街が国の重要伝統的建造物群保存地区 (重伝建) に指定されたのも、金沢のひがし茶屋街は京都の祇園に次いで2例目でした。

小京都は金沢では禁句です
観光で金沢を訪れる人の中には、金沢を「小京都」と称する方が見られます。特に女性のお客様が金沢を小京都と呼ぶことが多いようです。
兼六園やひがし茶屋街や長町武家屋敷跡を観光し、金沢の街並みを歩いた率直な感想として、誉め言葉として小京都という表現をしてくれているのは理解できるのですが、実は、金沢の人は小京都と言われることを嫌います。
とは言っても、京都をライバル視しているわけではありません。金沢は「金沢」だと思っているのです。

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