2018.4.6掲載
今年の金沢のお花見シーズンは、あっという間に訪れて、強風と雨であっけなく終わろうとしています。
先週の木曜日(3/29)の開花宣言の日には、地元のテレビニュースで「1週間ほどで満開となる見通しです」と報じられていましたので、本来ならば、今週末の7日と8日が見頃となるはずだったのに残念です。
当サイトの昨年の記事を見返してみると、4月10日に「兼六園の桜が満開」という記事を掲載していますので、1週間ほど早く桜の季節が終ってしまいました。
このページでは、犀川沿いから香林坊を経由して金沢21世紀美術館までのエリアの桜をご紹介します。
市民が集まるエリアにも桜が咲きました
全国のどこの街でも「桜の名所」と言えば川沿いですよね。金沢でも市内の2大河川である犀川と浅野川沿いには桜並木があります。
犀川沿いの桜の名所は、下菊橋~桜橋~犀川大橋~新橋のあたりです。中でも、桜橋の袂にあるW坂と、桜橋と犀川大橋を結ぶ「犀星のみち」は、文学がお好きな方にとっては訪れてみたいスポットではないでしょうか。
W坂は、寺町台地の断崖をジグザグと上っていく形状から、旧制金沢四高の学生たちによって名付けられた石段坂です。坂の途中の踊り場には、四高の卒業生である井上靖氏の「北の海」の文学碑が設置されています。
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犀星のみちは花見の名所の一つ
犀星の道は、金沢の三文豪の1人・室生犀星を記念して名付けられた遊歩道です。生前の犀星は犀川沿いを歩くことを、ことのほか好んでいたと伝えられています。
文豪ゆかりの道であることを意識しながら歩くと、レトロな雰囲気を漂わせる街灯や、茶屋街の格子戸をイメージさせる電話ボックスなどにも風情を感じます。
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香林坊と兼六園を結ぶ旧広坂通り
金沢市民の中で犀川の南側に暮らす人たち多くは、兼六園へ行く際には、犀川を渡って、香林坊交差点から旧広坂通りに入り、金沢21世紀美術館を通りすぎて、真弓坂口から兼六園へと入っていきます。
香林坊交差点と兼六園の真弓坂口を結ぶ旧広坂通り(百万石通り)は、多くの市民が子供の頃から親しんできた「ぼんぼり」の通りです。
大通りの中央分離帯に桜並木が続き、辰巳用水に沿ってぼんぼりが並んでいます。普段は足早に信号を渡る人たちも、桜が満開の時期だけは、中央分離帯で立止って桜並木を眺めています。
21美にも桜並木
兼六園の手前に位置する金沢21世紀美術館にも桜の木が植えられています。金沢市役所の脇の道から21美の敷地に入ると、市役所口のゲートの右側に1本の大きな桜の木が立っています。
どこにでもあるような普通の桜の木なのですが、女性が木に寄りかかってポーズを決めたり、子供たちが木の周りではしゃいでいると、普通の桜の木がアート作品のように思えてきます。
また、鈴木大拙館や金沢歌劇座の方向から本多通りを歩いて21美の敷地に入るところにも、桜並木が植えられています。
ご存じの方も多いかと思いますが、金沢21世紀美術館は円形の全面ガラス張りという外観が特徴です。その窓ガラスに満開の桜が映るのもアートっぽく見えます。
金沢には、どこまでも続く壮大な桜並木はないのですが、一つひとつの桜並木には、文学の香りや現代アートの香りが漂っています。
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