街の話題-topics- 金沢への提言

新幹線の大阪延伸は無理。最善策はサンダーバード復活

今、北陸地方では北陸新幹線の大阪延伸に関する動向が大きなニュースとなっています。

2016年に、一度は福井県の小浜市を経由して京都府の地下を南下する「小浜ルート」で決定したのですが、着工の遅れと費用の増大などによって、米原ルートに変更すべきとの声が石川県、富山県を中心に大きくなっています。

このページでは、北陸新幹線の延伸に関する私の考えを述べたいと思います。北陸以外にお住まいの方はそれほど興味がないかとは思いますが、どうぞお付き合いください。

3月に敦賀延伸を祝った金沢駅



永遠に大阪には繋がりません

今、金沢では米原ルートへの変更を求める声とともに大きくなっているのが、大阪と金沢を結ぶ特急サンダーバードと、名古屋と金沢を結ぶ特急しらさぎの復活です。私もサンダーバードとしらさぎが復活すればそれで良いと考えています。

北陸新幹線の敦賀延伸によって関西圏からのお客様が減っています。加賀温泉では関西からのお客様が4割減という声も聞きます。利便性が悪くなって料金が上がったのですから、無理して金沢に行かんでもええわ、という感じなのでしょう。

例えば5年後に大阪延伸というようなゴールが見えているのでしたら、それまでは苦しいけど頑張ろうと思えるのですが、北陸新幹線が大阪まで繋がることは永遠にないと思える現状では、せめて特急を復活させてという考えになるのです。

延伸のカウントダウンボードもこれが最後!?

平安京の地下に通せるわけがない

これまでの経緯を簡単にお話ししますと、新幹線が金沢まで繋がった頃から、地元メディアでは、大阪へは小浜ルート、湖西線ルート、米原ルートのどれがベストなのかというニュースが増えまして、結局、小浜ルートが採用されました。

小浜ルートとは、福井県の小浜から京都まで地下を通すというルートなのですが、まず、京都の人たちから地下水への影響を懸念して反対運動が起こりました。実際に、京都では市営地下鉄の工事によって地下水に影響があったらしいのです。

京都は世界的に知られる観光都市です。海外からの観光客は東京と京都には行きます。京都の住民の反対を押し切って地下工事を進めると、海外メディアでは否定的な論調で報道されるでしょうから、当然のように工事が停滞するでしょうね。

小浜ルートの決定から8年が経過しても着工の時期すら見えていません。ほとんど実現の見込みがないにもかかわらず、与党整備委員会は小浜ルートに固執し続けているのですから、北陸新幹線が敦賀から延びることはないでしょう。

石川県内で全線開業しただけでも御の字かも

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東海道新幹線とはシステムが違う

米原ルートは、2016年の時点では5,900億円と算定されていました。予算の上振れはあるものの、それでも1兆円を多少超える程度で済みそうなことから、石川県では、とりあえず米原まで繋げればという声が大きくなっています。

とは言うものの、米原まで繋がったとしても、そのまま東海道新幹線に乗り入れることはできません。なぜなら、北陸新幹線と東海道新幹線では運行管理システムが違うからです。ちなみに、北陸新幹線はJR東日本のシステムを導入しています。

東北新幹線と上越新幹線には雪に対応できるシステムが必要だったことから、JR東日本では、国鉄時代に開通した東海道・山陽新幹線とは違うシステムを構築しました。そして、同じく雪への対応が必須の北陸新幹線にも採用されました。

ただ、山陽新幹線と九州新幹線も運行管理システムが違うのですが、新大阪~鹿児島中央間を直通運転していますし、システムの違う東北新幹線と北海道新幹線も相互乗り入れをしていますので、技術的には可能なのだと思います。

JR各社の思惑が最後の障壁

仮に、技術的に2つの運行管理システムで相互乗り入れができるようになるとしても、もう1つ大きな問題があります。

それは、JR各社には新幹線の縄張りがあることです。ご存じの方も多いと思いますが、東海道新幹線はJR東海が運行しています。ちなみに、北陸新幹線は東京~上越妙高がJR東日本、上越妙高~敦賀がJR西日本です。

もし、北陸新幹線が米原から東海道新幹線の線路に乗り入れることになりますと、米原~新大阪分の運賃はJR東海の収入となってしまいますので、JR西日本としては、何が何でも新大阪まで自社の線路で運行させたいでしょう。

かと言って、米原~新大阪に新たにJR西日本の線路を敷くとなると、莫大な費用になってしまいます。従って、人口的にも経済的にも重要ではない北陸新幹線が大阪まで延伸されることは、あり得ないと考えるのが自然です。

延伸に合わせて開業したトレインパーク白山

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こちらは現地ガイドの金沢観光サイトです



サンダーバートとしらさぎの復活を

ここまで色々と述べてきましたが、今の状況なら、北陸新幹線は敦賀までで良いですよ。もう延伸しなくても良いです。大阪と金沢を結ぶ特急サンダーバードと、名古屋と金沢を結ぶ特急しらさぎが復活してくれればそれで良いです。

在来線の特急が復活すれば、金沢~敦賀間は新幹線と特急が並行して走ることになるわけですが、首都圏から加賀温泉や福井へ行く人は、金沢で乗り継ぐことなく、そのまま新幹線で1本で行けるのですから良いじゃないですか。

また、大阪から富山~長野に行く人は、敦賀で乗り換えても良いし、金沢で乗り換えても良いわけです。何よりも、冬の時期に大雪でサンダーバードとしらさぎが敦賀~金沢間で不通になった場合は、雪に強い新幹線に乗り換えれば解決します。

石川県の馳知事が、大阪~和倉温泉直通のサンダーバートの復活をJR西日本に要請し、JR西日本サイドからは前向きな回答がありました。ただし、現時点では、和倉温泉まで行くサンダーバードのみで、1日数本とのことです。

次は大々的に復活イベントを

サンダーバードとしらさぎについては、北陸新幹線の敦賀延伸の前日に金沢駅でサヨナライベントが行われました。

あそこまで大々的なお別れイベントをやった後に、やっぱり戻ってきましたというのも格好悪いのですが、その程度ならジョークで済みます。次は大々的に「お帰りサンダーバート・しらさぎ」のイベントをすれば良いのです。

以前はJR北陸線だったエリアが「IRいしかわ鉄道」と「ハビラインふくい」になっていますので、形式上は、JR西日本がIRとハビラインの線路と駅を間借りをする形になるのですが、少なくともIRは、利用料をくれとは言わないはずです。

北陸新幹線は大阪まで繋がることはありません。国もJR西日本も、北陸新幹線なんてどうでも良いのですから。これ以上延伸しなくても良いですから、とりあえず元に戻してもらえませんか。

北陸本線最後の日。市民の惜別メッセージが

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主要な観光名所は8つ+金沢駅

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金沢観光ガイド 南 武志

観光客の方が「ひがし茶屋街」の最寄りのバス停に並ばれているのを見て、兼六園も近江町市場も歩いて10分なのに…と思ったことが、このサイトをはじめたキッカケでした。 金沢の街は歩いて回れます。自分だけの観光プランで城下町・金沢を満喫してください。

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