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城下町・金沢はまもなく冬が終わります

2023年2月22日

ここの原稿を書いているのは2月22日(水)です。今週に入って20日(月)と21日(火)に雪化粧と呼ばれる程度の小さな積雪がありましたが、今日は春を感じさせるような快晴でした。金沢の冬は終わりを迎えようとしています。

今冬の金沢は「記録的な寒波がやってくる」「かなりの積雪が予想されます」といった予報が何度か出ましたが、寒波が過ぎ去ってみれば、気温に関しては何年かぶりの極寒に見舞われたものの、積雪に関しては普通の雪でした。

クリスマスイブには12月としては珍しいくらいの積雪があったものの、ひと冬のスパンで見れば災害級とまではいきませんでした。JPCZ(線状降雪帯)が金沢を直撃しなかったことが幸運でした。

年末の寒波では近江町市場も雪対応でした



1か月周期もなく平穏な冬の一日に

私が心配していたのは、今月の24日に最後の強烈寒波が来るのではないかということでした。と言いますのは、12月24日と1月24日に日本列島に強烈な寒波が襲来したことから、1か月周期で2月24日も危ないかなと思っていたのです。

天気予報を見ると、2月24日の金沢は雨の予報が出ているものの、幸いにして気温が10度を超えていますので、冬の金沢としては平穏な一日になりです。

10日間予報を見ても、25日(土)と26日(日)に雪が舞う時間帯がありそうですが、公共交通がストップするほどの積雪にはならないと思います。自然が相手ですから断言はできませんが、どうやら金沢では冬が終わりそうです。

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3月は冬仕舞いの1か月

3月の金沢は街全体で冬仕舞いが行われます。冬仕舞いの主なものは3つ。土塀に掛けられている「薦」外し、神社仏閣を覆っている「雪囲い」外し、松の枝を雪から守る「雪吊り」外しです。

まず、長町武家屋敷跡の土塀を雪から守るために掛けられている薦 (こも)は、3月11日(土)~12日(日)の週末に外されます。3/11に金沢を訪れる方は、薦が掛かった土塀と薦が外された土塀の両方を見ることができます。

長町の薦外しは春の始まりを告げる風物詩で、地元の新聞社とテレビ局が必ず報じる話題です。そして、薦外しの作業を見守っている観光客の方がインタビューを受けます。

長町武家屋敷跡

代表的な雪囲いは尾崎神社と忍者寺

長町の薦外しと同じ頃に行なわれるのが、神社の拝殿やお寺の本堂を覆っている雪囲いの撤去作業です。金沢の観光エリアにある神社仏閣の中では、徳川家康を祀った尾崎神社と、忍者寺 (妙立寺/みょうりゅうじ)の雪囲いが代表的です。

土塀の薦は冬の風情を感じる装飾ですが、神社仏閣の雪囲いについては建物の正面を覆い隠していることから、やはり無い方が威厳を感じます。

尾崎神社の雪囲い
やっぱり雪囲いが無い方が良いですね

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兼六園の雪吊り外しは唐崎松で終了

兼六園の冬の景観として知られる雪吊りは、3月上旬から順番に外されていき、一番の撮影スポットとなっている唐崎松(からさきのまつ)の雪吊りは3月21日の春分の日に外されます。松に関しては雪吊りがあった方が映えますね。

ちなみに、兼六園の雪吊りは11月1日に唐崎松から装着がはじまり、3月21日に唐崎松の雪吊りを外して終わります。実際には、金沢では11月と3月に雪が降ることは滅多にありませんが、少し長めに期間を取っています。

冬の金沢では、金沢駅の鼓門前をはじめ、緑地や民家の松にも雪吊りが施されています。金沢中の雪吊りが外される3月は、金沢の庭師さんは大忙しです。

兼六園の冬のシンボル・唐崎松

橋や坂道の筵も撤去されます

あまり知られていませんが、冬の金沢では、雪道で滑らないように橋や坂道に筵(むしろ)が敷かれます。筵とは藁を編んだ敷物で、筵の上を歩くと本当に滑りません。

観光客の方が目にする機会のある筵としては、兼六園の人気撮影スポットの虹橋、金沢城公園尾山神社を結ぶ鼠多門橋、本多の森から石浦神社へと下る広坂などが挙げられます。この筵も冬が終わると撤去されます。

金沢城公園の橋爪橋

3月下旬からお花見のぼんぼり

冬仕舞いが終わると花見の準備が始まります。お花見に欠かせない小道具といえば雪洞(ぼんぼり)です。そして、雪洞が似合うのが茶屋街です。ひがし、にし、主計町の三茶屋街では、3月20日頃からぼんぼりがお目見えします。

また、兼六園の茶店通りや紺屋坂、金沢市役所前の広坂通り(百万石通り)にも桜の開花に合わせて雪洞が飾られます。ぼんぼりが飾られると金沢は春を迎えます。

ひがし茶屋街の雪洞には芸妓さんの名前

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主要な観光名所は8つ+金沢駅

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金沢観光ガイド 南 武志

観光客の方が「ひがし茶屋街」の最寄りのバス停に並ばれているのを見て、兼六園も近江町市場も歩いて10分なのに…と思ったことが、このサイトをはじめたキッカケでした。 金沢の街は歩いて回れます。自分だけの観光プランで城下町・金沢を満喫してください。

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