2018年4月16日付の北國新聞に、金沢市が復元した西外惣構の防御施設「枡形」の完成式典が行われたという記事が掲載されていました。完成式典では、金沢市の関係者約30人が1600年代初頭の都市構造を伝える土居や堀、石垣の完成を祝いました。
西外惣構(にしそとそうがまえ)は、藩政期に初頭に整備された金沢城の外堀のひとつで、お堀沿いには「土居」と呼ばれる土塁が築かれ、城内へと入る道には枡形と呼ばれる防御施設が置かれていたそうです。
漁港と近江町市場を結ぶ金石街道沿いに
今回復元された升形(ますがた)は、金沢で遺構が確認できる唯一の升形で、現在の金石街道である宮腰往還(みやのこしおうかん)と、西外惣構が交わる交通、軍事の要衝に位置し、外敵の侵入を防いでいました。
金石街道沿いに登場した枡形は、約600㎡の敷地に高さ約5m、幅約11mの「土居」を復元した他、土居の周辺には深さ約1mの堀を整備し、遺構が残っていた石垣も欠損箇所を積み増して復元しました。なお、総事業費は約3億1千万円とのことです。
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金沢駅と近江町市場の間にあります
復元された枡形は、港町の金石(かないわ)から延びる金石街道が、金沢駅から近江町市場へと一直線に伸びる金沢駅通りと合流する手前に位置しています。
枡形自体は小さなものですが、江戸時代の金沢では、このような土塁がお堀沿いに延びていたのだということを後世に伝える意味では、貴重な復元だと思います。
少なくとも、この土塁が、武家社会の市街地と、加賀百万石の礎となった農地との境界線であったわけです。
現代的な街並みの一区画にさりげなく存在しているという雰囲気ですので、金沢の観光名所になるほどのものではありませんが、歴史にご興味のある方は、金沢駅~近江町市場を移動される際に立ち寄られるのもいいでしょう。
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