加賀百万石の城下町・金沢で、9月のシルバーウイークの恒例行事となっている「金沢おどり」が、9月19日(土)、20日(日)に石川県立音楽堂の邦楽ホールで開催されました。
金沢おどりは、ひがし、にし、主計町の三茶屋街の芸妓さんが一堂に会して披露されるステージで、金沢では、年に一度の「金沢おどり」を楽しみにしている人が大勢います。どちらかといえば女性の方が心待ちにしているようです。
2004年に第1回が開催され、今年で23回目を迎えました。ちなみに、2020年の第17回はコロナ禍で中止となりましたが、回数は中止の年も含めてそのまま数えています。

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今年の新花さんは4人
今年の金沢おどりには、ひがし茶屋街の和花さん (わか/八の福)、春葉さん (はるは/藤乃弥) と、主計町茶屋街の絹夕さん (きぬゆう/み笑)、光流 (ひかる/仲乃家)の新花4人が初出演しました。
新人芸妓の新花さんが初舞台を踏む年には、金沢おどりの主催者に名を連ねる北國新聞が取材をするのが慣例になっており、今年も、開幕前日の9月18日に4人の新花さんの記事が掲載されていました。

出番は少なくても緊張感
昨年12月にお披露目となった和花さんは、舞踊絵巻の「加能旅情」に出演。役が多彩に入れ替わる演出となり「緊張とともに楽しみ。稽古の成果を存分に発揮したい」と語っていました。
19日の素囃子「供奴」に小鼓で登場する内灘町出身の絹夕さんは「憧れの金沢おどりの舞台に立ててうれしい」と話します。並んで小鼓を打つ光流さんは「素囃子では初めての大舞台。頑張りたい」と意気込んでいたそうです。
今年の7月に芸妓となったばかりの春葉さんは、総おどり「金沢風雅」に加わります。「手ぬぐいを投げる長い花道に緊張しています。裏からお姐さんたちの舞台を見て学びたい」とコメントしていました。

新花さんに興味のある方へ
私のサイトでは、北國新聞に新花さんのお披露目の記事が出ると、その都度、当サイトでもご紹介しています。4人のお披露目時の記事にご興味のある方はどうぞご参照ください。
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金沢おどりの功績はリクルート
「金沢おどり」の最大の功績は、何と言っても石川県外から金沢に移住して芸妓になる女性が増えたことです。
北陸新幹線の開業以降に21名の芸妓さんがお披露目されたのですが、そのうちの16名が石川県外の女性です。今年の金沢おどりで初舞台を踏んだ4人の新花さんを見ても、石川県の出身者は絹夕さんのみで、あとの3名は石川県外のご出身です。
芸事の世界だけではなく、古くからの伝統を受け継ぐ業界が直面しているのは後継者不足ですよね。そのことを考えると、金沢の三茶屋街が流派を超えてひとつにまとまった「金沢おどり」は大成功だったと言えるでしょう。

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金沢の人は「廓」を隠していました
私は1981年に金沢の高校を卒業して東京の大学に進学し、東京で就職した後、2010年に故郷に帰ってきたのですが、高校時代の私は、金沢に芸妓さんが客をもてなす「廓」があることを知りませんでした。
今にして思うと、金沢の人たち、特に「東の廓」(今のひがし茶屋街) の周辺の人たちは、廓を隠していたのではないかと思えます。
30年前の金沢の観光ガイドブックには、ひがし茶屋街は全く載っていないか、載っていたとしても小さな扱いでした。かつての「東の廓」が「ひがし茶屋街」という金沢を代表する観光地になったのは21世紀に入ってからです。

続けることに意義がある
廓が観光スポットではなかった20世紀の金沢では、芸妓は卑しい職業であると認識されていたのでしょう。現実を見ると、今でも、金沢では芸妓さんやお茶屋に対してネガティブなイメージを持っている人が結構います。
とは言え、金沢の人たちの間での「芸妓」や「お茶屋」に対するイメージは、20世紀の頃よりも格段に改善されてきたのも事実です。
さて、今年の金沢おどりでひとつ気になったことは、10年以上に続けられてきた4日間開催が、今年は2日間に短縮されたことです。
金沢の三茶屋街は、今、ベテランの芸妓さんが第一線を退き、若い女将へと代替わりの時期を迎えていることもあって、4日間開催が難しかったのかもしれませんね。金沢おどりは続けることに意義があります。これからも続けてもらいたいものです。

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