金沢で9月下旬の「秋分の日」の風物詩として定着している『金沢おどり』が2年ぶりに開幕しました。会場は、金沢芸妓の準ホームとも言える石川県立音楽堂邦楽ホールで、9/23~9/26の4日間にわたって開催されます。
ひがし茶屋街、にし茶屋街、主計町茶屋街の三茶屋街の芸妓さんが総出演する金沢おどりは2004年9月に第1回が開催され、2021年の今年で第18回を数えます。ちなみに、2020年の第17回は新型コロナの影響で中止されました。
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三茶屋街にもコロナ禍が直撃
2021年9月24日付の北國新聞では、1面、社会面トップで金沢おどりを報じていました。記事には金沢の花街の現状が書かれていました。
「本格的な舞台は前回の金沢おどり以来。この日を迎えられて良かった」。ワクチン接種、PCR検査と感染対策を徹底して挑んだ初日。いつもは来客で賑やかな楽屋も、会話は控え、静けさに小鼓や三味線の音が響いていたとのこと。
北陸新幹線開業以来、金沢の顔として引っ張りだこになっていた芸妓たちを新型コロナが直撃し、お茶屋は何度となく休業を余儀なくされ、芸を鍛える場となってきたお座敷も数えるほどとなりました。
「コロナで大変なのは誰も一緒ですから」と芸妓の一人はコメントしていますが、収入がままならない中、髪を結い、着物やかつらを保ち、稽古を重ねる。芸を生業とする負担はじわじわと芸妓たちにのしかかっています。
そのような厳しい状況の中での初日でした。
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世間からの批判も辛かったはず
何はともあれ、芸妓さんたちの晴れ舞台が開催されたのは良かったですね。実は、金沢ではコロナ禍による景気の低迷をきっかけとして、芸妓さんに対する一般市民からの風当たりが強くなりました。
石川県と金沢市では、新型コロナの感染拡大によってお座敷が激減した芸妓さんに支援金が支払われたのですが、苦しいのは芸妓だけではないのに、なぜお高く留まっている芸妓だけを特別扱いするのか、と大反発が起きたのです。
私は、個人的には芸妓さんへの公的支援については賛成です。大学進学からの30年を東京で暮らした者として、東京の向島芸者や京都の舞妓はんのような文化が、故郷の金沢にもあることを誇らしく思っていたからです。
ただ、私が金沢の高校生だった頃は、ひがし茶屋街の前身の「東の廓」は市民生活とは切り離されていましたし、今も芸妓さんとは住む世界が違います。ずっと金沢で暮らしてきた人にとっては、花街は同情する世界ではないようです。
金沢は都市型テーマパーク!
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新人芸妓が2年越しの初舞台
9月22日付の北國新聞には、はじめて金沢おどりに出演する芸妓さんが紹介されていました。主計町茶屋街の千寿さんで、舞台では素囃子、お座敷太鼓、舞踊「七人猩々」「金沢風雅」に名を連ねています。
「金沢おどりの舞台に立つのが夢だった。ワクワクと、頑張ろうという気持ちでいっぱい」と憧れの先輩たちを追いかけます。
仙台市出身の千寿さんは金沢で芸妓を志し、2019年11月にお披露目されました。しかし、コロナ禍で心待ちにしていた昨年の金沢おどりは中止に。お座敷など客前で芸を披露する機会も少なかったとのこと。
それでも心の支えになってきたのが金沢おどりで、千寿さんは「お稽古を積む時間ができたと前向きにとらえて頑張ってきた」「支えていただいた皆様への感謝の気持ちを胸に精一杯励みたい」と語り、2年越しの思いを込めた大舞台へ表情を引き締めました。
芸妓数が減少する金沢の花街
金沢の三茶屋街の所属する芸妓さんは、新幹線の開業直後には、にし、ひがし、主計町の頭文字を取って「NHK48」になるかもと思えるほど増えたのですが、現在は、ひがし11名、にし16名、主計町9名の計36名です。
芸妓さんの人数が減っている要因のひとつは、高齢の芸妓さんが亡くなったり、花柳界から引退したことです。もう一つの要因は、県外から金沢芸妓を希望してお披露目された新人芸妓の多くが志半ばでやめてしまったことです。
今回の金沢おどりで初舞台を踏んだ千寿さんは仙台市のご出身です。北陸新幹線の開業にともなう金沢ブームによって、札幌、横浜、京都、鳥取、佐賀の若い女性たちが金沢で芸妓の道を歩み始めました。
金沢で骨を埋めようという覚悟は、地方から東京に出るのとはわけが違います。大きな願望と、相当の覚悟をもって金沢に移住したと思います。にもかかわらず、芸妓という職業を辞めていったのには余程の理由があるはずです。
私は、県外からの新花さんが定着しない要因については、金沢の花柳界では大きな問題として捉えなければならないと思っています。
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