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工芸を見て、触れて、楽しむ「KOGEIフェスタ!」

2024年10月10日

2024年10月12日~13日の2日間、しいのき迎賓館としいのき緑地で「KOGEIフェスタ !」が開催され、地元の新聞やテレビで紹介されていました。

「KOGEIフェスタ !」は金沢市、金沢クラフトビジネス創造機構、金沢創造都市推進委員会が主催するイベントで、毎年この時期に開催されています。工芸の街・金沢ならではのイベントと言えます。

金箔貼りや染めなどを体験する「KOGEI体験」、若手の工芸作家による展示即売会「KOGEIマルシェ」、漆器、陶磁器、木製品、ガラスなどの修復相談会「KOGEI修復コンシェルジュ」などのプログラムが行われました。

このページでは、金沢市および石川県の工芸事情をご紹介します。

しいのき迎賓館では工芸体験会



石川県は人間国宝が10人

私は大学進学からの30年間を東京で暮らし金沢に戻ってきた当初は、地元メディアでよく使われる「工芸王国・石川」というフレーズに大きな違和感を抱いていました。

特に、東京国立近代美術館工芸館の金沢移転が決定した頃に、地元メディアが「工芸王国・石川に相応しい施設」と報じたことに気恥ずかしさを感じていました。その後に知ったことですが、石川県が工芸王国を自認するのには根拠がありました。

それは、工芸部門の重要無形文化財保持者 (人間国宝) の人数が全国一であることです。

人間国宝は、歌舞伎、能、落語などの芸能部門と、陶器、漆器、金工などの工芸部門に分かれます。石川県は芸能部門は0名なのですが、工芸部門では全国最多の10人の方が人間国宝に指定されています。

東京から金沢に移転した国立工芸館

都道府県別の人間国宝 (工芸) 認定者数

工芸部門での人間国宝認定者数の都道府県別ランキングの上位5都府県は、石川県 10人、東京都 7人、京都府 6人、佐賀県 3人、沖縄県 3人です。佐賀県が多いのは有田焼や伊万里焼があるからでしょう。

以前に長町武家屋敷跡にある藍染め専門店で、金沢美術工芸大学を卒業したばかりの女性職人の方とお話ししたことがあります。その方は大阪のご出身でしたが、卒業後に大阪には戻らず金沢で就職したのだとのこと。

大阪の方が金沢よりも遥かに大都会なのにどうして?と尋ねたところ、工芸の仕事では金沢の方が仕事がやりやすいのですと答えていました。

石川県の人間国宝認定者

石川県で人間国宝に認定された方は以下のとおりです。

川北良造氏-かわきた りょうぞう/木工芸-もっこうげい
前 史雄氏-まえ ふみお/沈金-ちんきん
吉田美統氏-よしだ みのり/釉裏金彩-ゆうりきんさい
魚住安彦氏-うおずみ やすひこ/銅鑼-どら
中川 衛氏-まかがわ まもる/彫金-ちょうきん
小森邦衞氏-こもり くにえ/髹漆-きゅうしつ
二塚長生氏-ふたつか おさお/友禅-ゆうぜん
中野孝一氏-なかの こういち/蒔絵-まきえ
山岸一男氏-やまぎし かずお/沈金
西 勝廣氏-にし かつひろ/沈金
金沢市民の誇り・金沢美術工芸大学

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卯辰山工芸工房

金沢にはプロの工芸作家を育成する教育機関があります。それが卯辰山工芸工房です。卯辰山と書いて「うたつやま」と読みます。ひがし茶屋街の外れにある宇多須神社の裏手の坂道を登っていくと到着します。

卯辰山工芸工房の研修生は、石川県の出身者や石川県内の美術系の教育機関で学んだ人だけではありません。全国の美術大学や美術系専門学校を卒業した人も数多く学んでいます。と言いますか、県外出身者が多数を占めています。

少し偉そうに言わせていただくなら、工芸に世界においては、今、全国の若い才能が金沢に集まってきていると言っても過言ではありません。

卯辰山工芸工房はひがし茶屋街の上

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工芸がお好きな方は工芸品店めぐり

工芸品がお好きな方にとって金沢は楽しい街です。観光スポットやその周辺、さらには街中を歩いていると色々な工芸品のお店を目にします。

観光スポットでは、主計町・ひがし茶屋街、兼六園・金沢21世紀美術館、長町武家屋敷跡の周辺に工芸品店が点在しています。金箔、九谷焼、山中漆器、染めなどの伝統工芸店もあれば、金箔ソフトや金箔コスメといった話題店もあります。

また、金沢の観光スポットをひと回りする百万石通り沿いにも、茶道の大樋焼の窯元をはじめとする工芸品のお店が点在していますし、繁華街エリアや犀川沿いには、加賀水引、金沢和傘、加賀毛ばり、加賀友禅などの専門店があります。

新竪町商店街

アクセサリー、小物、食器などのお店めぐりが趣味という方や、商店街を歩くのがお好きな方にお薦めの商店街があります。それが新竪町商店街です。“しんたてまち”と読みます。地元では“しんたて”と呼ばれています。

金沢21世紀美術館とにし茶屋街の間に位置し、私が高校時代に「金沢の原宿」と呼んでいたタテマチの先にあります。この商店街は、かつては金沢有数の人気商店街でしたが、時代の流れで商店が次々に姿を消していきました。

今、新竪町商店街では、空いた店舗に若い人たちが次々に新しいお店を構えています。今の“しんたて”にはマーケティングリサーチという言葉はありません。若い人たちが、自分の売りたいものを売っています。

商店街を歩く人の数はまばらですが、道行く人たちは、必ずどこかのお店で商品を買っているように見えます。近頃では、ネット検索で見つけたのでしょうか、お目当てのお店を探しながら商店街を歩く観光客の姿が見られます。

新竪町商店街

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主要な観光名所は8つ+金沢駅

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金沢観光ガイド 南 武志

観光客の方が「ひがし茶屋街」の最寄りのバス停に並ばれているのを見て、兼六園も近江町市場も歩いて10分なのに…と思ったことが、このサイトをはじめたキッカケでした。 金沢の街は歩いて回れます。自分だけの観光プランで城下町・金沢を満喫してください。

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