広坂-中心街から緑のオアシスへの誘導路

金沢のお散歩コース#9

香林坊から兼六園に向かって一直線に伸びる百万石通り(旧広坂通り)。

この通りは金沢でも有数の幹線道路で、兼六園の真弓坂口の手前にある広坂交差点からは多くの車が右折や左折をしていきます。そして、広坂交差点を直進すると上り坂になり、急に人通りや車の往来が少なくなります。

この坂道こそが、金沢で最も緑の美しいエリアのひとつ「本多の森」へと通じる道です。坂の名前を広坂といいます。

歴史を感じさせる「廣坂」の文字



坂道の上には緑のオアシスが

広坂の名前の由来は、道幅の広い坂道であることから名付けられました。道幅が広いと言っても左右一車線ずつしかありませんが、昔の金沢ではこの程度の道幅でも十分に広いと認識されていたわけです。

広坂は小立野台地の断崖を切り開いて通された緩やかな坂道です。断崖を切り開いたことから坂道の両側は緑の壁となっています。

坂の途中のカーブを抜けるとそこからは坂の上まで直線道路で、坂上が近づくにつれて、緑に彩られたあざやかな並木道が見えてきます。坂道を上り終わると、本多の森という緑のオアシスへと入って行きます。

広坂を上ると本多の森が広がります

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文化財の修復作業を見られるかも

広坂を上り切ったところにあるのが石川県立美術館の広坂別館です。この建物は、1922年(大正11年)に陸軍第九師団の師団長の官舎として建設されたもので、正面玄関には馬車用の車寄せがあり、縦長の窓が異国情緒を漂わせています。

戦後は米軍将校の官舎となり、その後は金沢家庭裁判所、石川県児童会館、野鳥園、休憩館などに使用された後、2008年(平成20年)に展示用器具を導入し県立美術館の広坂別館としてオープンしました。

広坂別館に隣接して石川県文化財保存修復工房があります。この施設は年代を経るにつれて劣化していく工芸品や掛け軸などの文化財を修復するための工房で、2016年4月に開設されました。

開館時間は午前9時30分から午後5時 (入館は午後4時30分) です。訪れた時間帯に職人さんが修復作業を行っていれば、ガラス越しに作業を見学できることから、欧米からの観光客の隠れた人気スポットとなっています。

石川県立美術館 広坂別館

坂上には金沢神社が

広坂別館の隣に位置するのが石川県立美術館の本館で、その向い側には金沢神社の鳥居が立っています。鳥居をくぐって右手には、金沢の地名の由来となった「金城霊沢(きんじょうれいたく)」と呼ばれる泉があります。

金沢神社は金沢の受験生が合格祈願に訪れる神社で、境内には多くの絵馬が掛けられています。また、金沢神社の御朱印には金箔が載ることから、御朱印集めが趣味の方にとっては外せない神社です。

なお、金沢神社の先には兼六園の随身坂口があります。

金沢神社

広坂の周辺スポット

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広坂は21美と県美の連絡通路

当然のことながら、坂道は上るよりも下る方が楽ですが、特に広坂においては、ゆっくりと緑の谷間に向かって下っていくのがおすすめです。晴れた日には絶好のお散歩コースです。

少しだけ気ままな時間を過ごす坂道、それが広坂です。

なお、金沢を代表する2つの美術館である石川県立美術館と金沢21世紀美術館は、この坂道の坂上と坂下にあります。坂上に位置するのが県立美術館で、坂下にあるのが21世紀美術館です。

広坂を下り切ると、左前方が金沢21世紀美術館

広坂の周辺スポット

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金沢観光ガイド 南 武志

観光客の方が「ひがし茶屋街」の最寄りのバス停に並ばれているのを見て、兼六園も近江町市場も歩いて10分なのに…と思ったことが、このサイトをはじめたキッカケでした。 金沢の街は歩いて回れます。自分だけの観光プランで城下町・金沢を満喫してください。

2016年5月21日