金沢神社の見どころ-御朱印に金箔!菅原道真を祀る受験生の神社

金沢の神社仏閣#2

全国の各都市には地元の受験生が合格祈願に訪れる神社があります。有名なのは菅原道真を祀る福岡の大宰府天満宮ですが、金沢にも道真公を祀った学業成就にご利益のある神社があります。それが兼六園に隣接する金沢神社です。

受験シーズンになると地元のテレビニュースで必ず紹介される神社で、境内には合格祈願の絵馬が、二重、三重どころか五重にも六重にもなって掛けられています。

合格祈願の絵馬が幾重にも取り付けられています



御朱印に金箔が載ります

江戸時代に創建された金沢神社は、主に藩主のみが祈願をしていたこともあり、敷地自体はとても小さなものです。

住宅街や農村に見られる地域の鎮守社程度の面積しかありません。金沢の名前が付けられた神社ということで、さぞかし立派な神社なのだろうと期待して訪れると、がっかりされるかもしれませんね。

御朱印集めが趣味という方に興味深いお知らせです。金沢神社の御朱印には金箔が載っています。御朱印に興味のない方も、金沢旅行の記念にお求めになるのもいいでしょう。

境内へと通じる神門

Guide
兼六園-日本有数の名園は楽しさもいっぱい

藩校の鎮守社として創建

金沢神社は、第11代藩主の前田治脩が1794(寛政6年)に創建した神社で、明倫堂という加賀藩の学校を守るという主旨で、前田家の先祖である菅原道真が祀られました。

その後、兼六園が現在の広さまで拡張される際に明倫堂は他の場所に移されたのですが、神社は竹沢御殿御鎮守天満宮と名前を変え、そのまま残りました。

神門を上がると手水舎に出ます

天満宮の象徴・御神牛

全国の天満宮には牛の臥像が置かれています。これは丑年生まれの菅原道真の「遺骸を牛車にのせて人にひかせず、牛の赴くところにとどめよ」との遺言に従って、牛が地面に伏した場所に道真の遺体を埋葬した故事によるものです。

御神牛の呼び方はそれぞれの天満宮によって違うようですが、金沢神社では夢牛 (ゆめうし) と呼ばれています。撫でると夢が叶うと言い伝えられています。

夢牛

兼六園から一度出るのもok

兼六園は、入園券を提示すれば1日に何度でも出入りができますので、随身坂口から園外に出て、金沢神社と金城霊沢を見て園内に戻られるのもいいでしょう。

ちょっと得した気分になります。

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市民に開放されたのは明治時代

加賀藩主・前田家の庭として庶民の目に触れることのなかった兼六園が、市民に開放されたのは1874年(明治7年)のことです。同時に、当時は園内にあった金沢神社にも市民が参拝できるようになり、1876年(明治9年)に金沢神社と改称されました。

金沢神社は学業成就だけではなく、商売繁盛や災難除けにもご利益があるとされていますが、戦後の日本の社会が学歴偏重の時代を迎えるとともに、金沢神社は合格祈願の神社として認識されるようになっていきました。

金沢神社は朱色が目に鮮やかです

金沢の地名の由来がここにあります

金沢神社から赤いミニ鳥居が並ぶ神門を下ると、前方に小さな社が佇んでいます。その施設が金沢の地名の由来となった金城霊沢(きんじょうれいたく)です。地下水が湧き出る泉として金沢の人たちに知られています。

金沢という地名は、その昔、金沢で砂金が採れたことが起源となっています。砂金を採取する際には、金から砂を取り除くために洗いますよね。そのことから「金洗沢 (かなあらいのさわ)」と呼ばれ、それが短縮されて「金沢」となりました。

大昔に砂金が採れたとされる場所は、今の金城霊沢のあたりと伝えられており、加賀藩13代目藩主の前田斉泰が、金沢の地名の由来を後世に伝えるためにこの社を建てました。

金沢の地名の由来となった金城霊沢

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兼六園の随身坂口と隣接しています

金沢神社は、金沢21世紀美術館と兼六園の真弓坂口が面する広坂交差点から、緑に挟まれた広坂を上り切ったところに位置しています。

鳥居から真っすぐに行くと兼六園の随身坂口です。1976年(昭和51年)の兼六園の有料化以前は、金沢神社は兼六園の一部だったこともあって、鳥居をくぐると兼六園と変わらぬ庭園が整備されています。

以前に随身坂口がすぐ目の前に見えるところで、観光客の方から「兼六園の入口はどこですか?」と尋ねられたことがあります。すぐ近くに入口があるのに気付かないほど、金沢神社と兼六園は景色が一体化しています。

広坂を上り切ったところにある金沢神社の鳥居

ここは文化施設が集まる芸術の森

金沢神社の周辺は本多の森と呼ばれる緑のオアシスで、晴れた日には絶好のお散歩コースです。このあたりは小立野台地の先端にあたることから坂道が多いことが特徴です。

石川県立美術館いしかわ生活工芸ミュージアムいしかわ赤レンガミュージアム成孫閣などのミュージアムや、加賀宝生の伝統を受け継ぐ石川県立能楽堂、金沢の音楽シーンをリードしてきた本多の森ホールなどの文化施設が集まっています。

また、広坂を下り切ったところには金沢21世紀美術館金沢能楽美術館があり、県立美術館の裏の美術の小径と名付けられている石段を下りると金沢市立中村記念美術館に出ます。

兼六園の随身坂口を出て左手が金沢神社です

利用案内

金沢神社
住所:金沢市兼六町1-3
TEL076-261-0502
金沢神社ホームページ

金沢神社の周辺スポット

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兼六園 | いしかわ生活工芸ミュージアム | いしかわ赤レンガミュージアム | 本多の森 | 石川県立美術館


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観光名所の周辺は文化エリア

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主要な観光名所は8つ+金沢駅

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金沢観光ガイド 南 武志

観光客の方が「ひがし茶屋街」の最寄りのバス停に並ばれているのを見て、兼六園も近江町市場も歩いて10分なのに…と思ったことが、このサイトをはじめたキッカケでした。 金沢の街は歩いて回れます。自分だけの観光プランで城下町・金沢を満喫してください。

2016年5月18日