金沢の美術館・記念館#14
金沢は地方都市にしては美術館、博物館、記念館などの、いわゆるミュージアムの多い街です。犀川と浅野川の間に位置する中心街を歩いていると、様々なカテゴリーのミュージアムを見かけます。
大規模な美術館や博物館もあれば、地元の偉人を記念して設立された記念館もあれば、金沢の歴史や伝統を紹介する資料館もあります。その中で、主だった展示物が蓄音器というユニークなミュージアムが金沢蓄音器館です。
場所は百万石通りの橋場交差点の近くに位置しています。訪れる人にインパクトを与える外観が特徴で、レンガに包まれたアンティークな雰囲気と、建物の角を大胆にカットした個性的なデザインが絶妙なフュージョンを醸し出しています。
金沢蓄音器館の展覧会 ・聴き比べ実演 (11時、14時、16時) ・常設展示 |
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音響機器がお好きな方は必見です
建物内はアンティークな雰囲気で統一されており、展示室ではエジソンが発明した蝋管式の蓄音器をはじめ、明治、大正、昭和の時代に、メロディーによって人々の心に安らぎをもたらしてきた魔法の機械が展示されています。
蓄音器のミュージアムと言っても、蓄音器をただ並べるだけの展示ではありません。内外のミュージックの歴史にも触れながら、かつて米国の都市では蓄音器のジュークボックスが人気を博したことなど、蓄音器時代のトレンドも紹介されています。
蓄音器は裕福さの象徴でした
音楽の再生機があるわけですから、当然ながらレコード盤もあります。館内には年代物のSP版のジャケットが展示されている他、LPレコードを試聴できるリスニングコーナーが設けられています。
また、蓄音器が音楽再生機の主流だった時代に、蓄音器を購入できた上流家庭のリビングをイメージしたセットが置かれています。
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聴き比べ実演が好評です
金沢蓄音器館のセールスポイントは、2階の展示室で毎日3回行われている蓄音器の聴き比べ実演です。エジソンが開発した蝋管式モデルからはじまって、それぞれの時代の代表的な蓄音器をひとつずつ聴き比べていきます。
実演会では再生機から流れてくるメロディーとともに、説明役の男性のトークが場を盛り上げてくれます。実演会は30分ほど続きますが、トークが面白いので途中で席を立つ人はいません。
アットホームな雰囲気
この記念館では人の温もりを感じることができます。3階の展示室にも説明役の男性がスタンバイしており、自然な雰囲気で話しかけてくれます。館内には絶えず人と人が触れ合う声が聞こえ、アットホームな雰囲気が漂っています。
1階にはサロンが設けられており、蓄音器とともに1927年のアメリカ製のピアノが置かれています。このピアノは名ピアニストの演奏を再現する自動再演ピアノです。
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寄贈者の「山蓄」は金沢のノスタルジー
金沢蓄音器館は「山蓄」というレコード店の創業者の故八日市屋浩志氏が収集してきた、蓄音器540台、SPレコード約2万枚の「山蓄コレクション」を金沢市が譲り受け、2001年(平成13年)に開場した記念館です。
2009年に営業を終えた山蓄は、かつては金沢で最も有名なレコード店として知られ、長年にわたって金沢の音楽シーンを牽引してきたお店でした。
私の中学・高校の頃は、現在の香林坊・東急スクエアの場所に山蓄本店があり、「YAMACHIKU」の濃紺の商品袋を小脇に抱えて繁華街を歩くことが、金沢のヤングメンにとってのステータスでした。
首都圏の方には、銀座の山野楽器のような存在と言えば理解してもらえるかと思います。金沢の50代以上の人たちにとって、山蓄は青春の思い出のひとつです。
写真撮影もokです
金沢蓄音器館の入館料は一般が310円、65歳以上が210円で高校生以下は無料です。開館時間は午前10時から午後5時30分(入館は午後5時)までで、火曜日 (祝日の場合は翌平日)、年末年始、展示替えの期間は休館となります。
蓄音器の聴き比べ実演は午前11時、午後2時、午後4時の3回で毎日行われています。また、ミュージアムショップでは、オリジナルグッズや音楽関連グッズが販売されています。
なお、写真撮影については展示室の撮影もokです。ただし、蓄音器への接写だけは禁止されています。
利用案内
金沢蓄音器館
かなざわちくおんきかん
住所:金沢市尾張町2-11-21
TEL:076-232-3066
料金:一般 310円、65歳以上 210円、高校生以下 無料
時間:午前10時~午後5時30分(入館は午後5時まで)
休館:火曜日 (祝日の場合は翌平日)、展示替え期間、年末年始
撮影:展示室の撮影OK。蓄音器の接写だけはNG
金沢蓄音器館ホームページ
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