2017年2月18日付けの北國新聞の一面トップは、ひがし茶屋街や兼六園などの特に眺望が優れた地点からの景観を守るため、建物の高さやデザインなどを規制する「眺望景観保全条例」を2018年に制定するという記事でした。
北陸新幹線の開業に伴い金沢市内にホテルなどの高層建築物が増加しているためで、現在、ひがし茶屋街など8地点が指定されている「保全眺望点」も増やし、景観保全への取り組みを強めるとのことです。
新条例では、保全眺望点からの優れた眺めを遮らないよう、視界に入る区域内の高さ、形、色をはじめ屋外広告物の高さやデザインなどを規制する予定です。
建物の高さやデザインを規制
金沢市では、2003年に浅野川大橋、主計町茶屋街、ひがし茶屋街、犀川大橋、兼六園眺望台、金沢城公園の6エリア8地点を保全眺望点に指定し、眺めの保全に努めてきました。
ただし、2003年の景観条例の改正では、保全眺望点から視界に入る区域で建物の高さや色などを保全する「眺望景観保全基準」を設けたものの、強制力はなく努力義務となっていました。
保全眺望点については、2003年以降に重要伝統的建造物群保存地区(重伝建)に指定された卯辰山麓や、景観地区に指定された長町武家屋敷跡などの追加を検討しています。
金沢市によると、同様の条例は京都市で制定されており、京都市では清水寺や金閣寺など38カ所が景観を保全対象となっているそうです。
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尾張町は勿体ないことをしました
私は1981年からの約30年間は東京で暮らしていたのですが、私の高校時代までの金沢では、旧い建物がどんどん近代的なコンクリートのビルに変わっていきました。
50歳以上の方には同意してもらえると思うのですが、1970年代~80年代の頃は、金沢だけではなく、日本人の中に旧いものを守ろうとする意識が希薄でしたよね。
現在の金沢の街を歩いていて勿体なかったと感じるのが、近江町市場と、主計町・ひがし茶屋街の間にある尾張町です。
尾張町は今でも金沢の中心街で最も旧い建物が残っているエリアなのですが、それでも木造建築に比べて鉄筋コンクリートの建物の方が多くなっています。
旧い建造物を残していこうという意識があと20年早く醸成されていれば、尾張町も21世紀の金沢で観光名所となり得たのにと思います。
金沢の中心部で、旧い街並みと最新の街並みの間にもっとメリハリが出てくれば、さらに魅力的な街になることでしょう。
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