現在、金沢21世紀美術館では特別展「路上、お邪魔ですか?」が開催されています。会期は4月25日(土)~9月6日(日)です。
「路上、お邪魔ですか?」というタイトルのとおり、館内の通路や展示室を路上に見立てて色々なアート作品が展示されています。このページでは、今回の特別展をご紹介します。

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邪魔?or 邪魔ではない?
今回の特別展では、木の電信柱が立っていたり、傷だらけの赤い車が駐車していたり、工事現場があったり、自転車が壁際に放置されていたりと、確かに、こういうものが置かれていたら邪魔だろうなと感じる作品が集められています。
開幕直後には、特別展の開催記念の花環が館内の無料ゾーンに飾られていましたが、開店祝いの花環も、邪魔と言えば邪魔と言えるかもしれません。また、大道芸人の立て看板も、大道芸に興味のない人にとっては邪魔なのかもしれませんね。

「路上観察学会」とは?
21美の公式サイトには、今回の特別展の企画に際しては、前衛芸術家の赤瀬川原平氏や、建築史学家の藤森照信氏らによって結成された「路上観察学会」の創設40周年にあたることが、企画立案の契機になったと紹介されています。
路上観察学会とは、wikipediaによると「路上に隠れる建物(もしくはその一部)・看板・張り紙など、通常は景観とは見做されないものを観察・鑑賞する団体」で、学会的な運営はされていないとのこと。
誤解を恐れずに言うなら、路上観察学会は、社会的地位のある、観察眼の鋭い、おたっきー気質を持った方たちの集まりですが、どうでも良いじゃないと思えることをとことん突き詰めていく姿勢には、学術的な専門家集団の香りがします。
今回の「路上、お邪魔ですか?」は、金沢21世紀美術館が、そのような団体とコラボしていることが最大の面白さなのではないでしょうか。

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現代アートは「面白いか面白くないか」
私は、現代アートとは「分かる、分からない」で評価するものではなく、「面白いか、面白くないか」で評価するものだと考えています。
例えば、正統派の美術館で展示される後期印象派などの絵画では「分かる」のが正解で「分からない」ことは誤りのようです。このことから、来館者は皆一様に作品を前にしてコックリと頷きますよね。分かっている風を装いますよね。
金沢21世紀美術館の来館者の中には「現代アートは分からない…」という感想を抱く人がいます。“分からない”と思ったということは “面白くない” と感じたわけですよね。それならば「面白くない」がその人の作品に対する評価です。
自分の作品に対する評価を、気兼ねなくシンプルに言えるところが現代アートのアドバンテージです。


21美は中心街にあるアート広場
金沢21世紀美術館は “美術館” という名前が付いていますが、私はアート広場だと思っています。
来館者の大多数が、今、どんな展覧会をやっているのか知りません。21美が楽しい場所だから人々が集まってくるのです。敷地内だけではなく、館内にも無料で入れます。お金がかかるのは建物の中央部にある有料展示室だけです。
真夏の暑い日には館内を通り抜ける間だけは涼しいよ。気分が落ち込み気味の時はちょっと寄っていきなよ。トイレを借りるだけでもok。土砂降りの雨の時は小降りになるまで雨宿りしてなよ。
今回の「路上、お邪魔ですか?」は、市民に開かれた美術館をコンセプトとした “アート広場” の21美だからこそ実現した企画だと思えます。


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私のお気に入りは「銭湯山車」
金沢21世紀美術館の特別展「路上、お邪魔ですか?」の展示作品の中で、私が最も笑ったのが「銭湯山車(せんとうだし)」という作品です。
祭りで練り歩く山車 (だし) が銭湯を模してデザインされています。山車の前面上部に番台があり「男湯」「女湯」の暖簾がかけられ、下部には脱衣所のロッカーが作られています。番台の奥には富士山の銭湯絵が描かれています。
両サイドが洗い場で、女湯の鏡はしっかりと映るのですが、男湯の鏡は何も映りません。洗い場の上には黄色い風呂桶が置かれ、ケロリンやノーガホテルの広告がリアルです。そして、山車の上には「銭湯山車」と書かれた煙突が立っています。
この銭湯山車は、5月31日(日)に金沢市立野田中学校の校下の道を練り歩きました。



2027年5月から11ヵ月間の休館
今回の特別展はとても面白い展覧会ですが、ひとつ前に開催された “ストリートカルチャー” を題材とした特別展「SIDE CORE Living road, Living space /生きている道、生きるための場所」も大変面白い展示会でした。
いずれも「道」という公共空間を題材としています。私は、アウトドアに関連した特別展が2回続いたことについては、21美が2027年5月から2028年3月まで11ヶ月間休館となることが背景となっているのではないかと感じています。
休館中は金沢21世紀美術館が街中に出ていくとのこと。今から楽しみです。


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