少し古い話題になりますが、2018年5月8日付の北國新聞に、今年のゴールデンウイーク期間中における、金沢の人出に関する記事が掲載されていました。
まず、金沢21世紀美術館(通称:21美)には、過去最多の13万9,908人が訪れました。1日あたりの入館者数でも、5月4日に2万5,773人が入館し、2004年の開館以来の最多を更新しました。また、5日の2万1,430人が歴代8位、3日の2万1,280人が歴代10位でした。
入館者数が増えた要因について21美では、北陸新幹線の開業効果の定着に加え、「インスタ映え」する展示が多いことがあるとみています。
これまでのGW期間中の入館者数の記録は2016年の12万9,848人が、1日あたりの入館者数は2016年10月9日の2万4,669人が最多でした。
21美では過去最多の入館者数
記事では、21美と隣接する兼六園と金沢城公園についてもGW期間中の入園者数が掲載されており、兼六園は12万7,796人(前年比3,102人減)、金沢城公園が12万2,900人(前年比1万1,800人減)と前年を下回りました。
1日平均の入園者数は、兼六園が1万4,200人、金沢城公園が1万3,656人でした。
この数字は、北陸新幹線の開業前の5年間の1日平均と比べて、兼六園は1.5倍、金沢城公園は1.3倍になっています。このことから金沢城・兼六園管理事務所では「新幹線効果は持続している」とコメントしていました。
また、紙面ではGW期間中の鉄道の利用状況についても掲載されており、北陸新幹線が4%増の30万8,000人、大阪発の特急サンダーバードが5%増の22万6,000人、名古屋発の特急しらさぎが8%増の8万5,000人でした。
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21美は地元の人が増えたのかも
北陸新幹線が開業した2015年以降、おかげさまで、金沢に多くの観光客が訪れるようになりました。
「これまでで新幹線の恩恵を最も多く受けた街」とか「史上最も長く新幹線効果が続いた街」と言われるほど、北陸新幹線の開業前と後では、中心部の観光エリアの賑わいが全然違います。
その中で、21美が過去最多の入館者数を記録しているのに、兼六園と金沢城公園は入園者数が減っているのは興味深いところです。
上記の3つの観光名所は隣接しています。21美を出て広坂交差点を渡ると兼六園の真弓坂口で、兼六園の桂坂口を出ると石川橋があり金沢城公園の石川門へと通じています。
観光で訪れる方は、隣接する3つの観光名所をすべて回ると推測するのが自然ですので、金沢暮らす人たちの行動が、3つの観光名所の人出に直結しているのではないかと私は推測しています。
つまり、混み合うゴールデンウイークに、兼六園を訪れる地元の人が減ったのではないかと思うのです。
一方の金沢21世紀美術館については、敷地だけではなく館内にも無料で入館できることから、繁華街の香林坊・片町・タテマチに出た人たちが、フラリと21美に立ち寄ったのでしょう。
また、21美は気軽に立ち寄ることのできる「垣根のないアート広場」ということで、金沢の滞在期間中に2度、3度と21美を訪れる観光客の方が増えたのかもしれませんね。
新幹線と在来線特急の利用者が増えていることから推測すると、金沢に恩恵をもたらしてくれた「新幹線効果」が、まだ持続していると言えそうです。
金沢で生まれ育った人間にとっては嬉しい限りです。
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